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母という病 の商品レビュー

3.6

61件のお客様レビュー

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2021/03/09

愛着障害についての理解が深まる本。 私自身、母に対して抱えていた想いは心理療法(箱庭療法、アートセラピーなど)を受けたり、学んでいることで、ほとんど癒され、今は仲も良いけれど、人との関係性を結ぶこと、深い愛着を築くことがあまり得意じゃないので読んでみた。 私の母の場合、父がう...

愛着障害についての理解が深まる本。 私自身、母に対して抱えていた想いは心理療法(箱庭療法、アートセラピーなど)を受けたり、学んでいることで、ほとんど癒され、今は仲も良いけれど、人との関係性を結ぶこと、深い愛着を築くことがあまり得意じゃないので読んでみた。 私の母の場合、父がうつ病で仕事に行けなくなってしまったことで、家庭の中で父的な役割を背負わなきゃいけないというプレッシャーが、母から母性的な要素を奪ったのではないかと思った。母はすごく大きなストレスを抱えていたと思うし、私の記憶の中に笑顔で幸せそうな母はどこにもいない。それと、生まれて間もない頃に母がすぐ仕事に復帰したことで、母との愛着が結べないままに保育所に預けられてしまったことも、関係しているんだなぁと、本を読んで思った。 以下、本を読んで色々と感じたことのメモ。 未知なる感情に次々と出会っていく幼い子どもにとって、その感情に母親がどのように寄り添ってくれるか、というのはとても大切だし、それがそのまま、その子にとって人生における感情のつながり方に反映されるのはよく分かる。怖い、悲しい、辛い、不安、孤独…それとどれだけ深く繋がり、向き合えるかが、その人がどれだけその人自身を生きられるか、自己創造していけるかにも関わっていると思う。繋がることを避けている感情があるほどに、その人は自己を深めるということを避けてしまうし、偽りの部分をどこかでつくってしまう。他者との深い愛着を築くことも、他者の感情を理解することも難しくなる。 繋がれる感情が多いほど、それはその人に表現の幅を与えてもくれるのだと思う。ちゃんと愛着を築いてあげることって、本当に子育てにおいて何より大切なことで、子どもの創造性を引き出すことにも繋がっていくのだと思う。 幼い頃に愛に飢えてそのままになっている人は、悲しみや不安という感情と素直に繋がれないために、攻撃的な自分をつくることでこの世をサバイブしようとしている人も多いだろうし、色々と問題を抱えた人も多いと思う。 根本的にそうした問題を解決しようと思うとき、こうした愛着の問題に目を向けるのは必須だと思う。

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2021/03/07

精神科医である著者の経験と知識が詰め込まれている。正直、同じような内容が繰り返される感は否めないが、色んな人々の「母という病」を垣間見ることができる。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2021/01/09/0909...

精神科医である著者の経験と知識が詰め込まれている。正直、同じような内容が繰り返される感は否めないが、色んな人々の「母という病」を垣間見ることができる。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2021/01/09/090912

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2020/04/15

家族関係の問題では、夫婦(両親)のどちらかだけが一方的に悪いということは絶対にないということを、この本を読んで理解しました。 この著者の本には、必ずと言っていいほど「愛着障害」や「安全基地」という言葉(概念)が出てきますが、この本でも後半(第7章「母という病」を克服する)の中で書...

家族関係の問題では、夫婦(両親)のどちらかだけが一方的に悪いということは絶対にないということを、この本を読んで理解しました。 この著者の本には、必ずと言っていいほど「愛着障害」や「安全基地」という言葉(概念)が出てきますが、この本でも後半(第7章「母という病」を克服する)の中で書かれていました。 ちなみに、この本でも「『一旦見切りをつける(一旦縁を切り離れる)』こと、『感情ではなく事実で見ること(客観的になること)』で、本当に自分にとって大切なものが見えてくる」と書かれていますが、本当にその通りだと私は思っています。

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2019/12/24

現代で急激に増えている心の病のかなりの部分をカバーする内容ではないかと思う。新型うつとか、境界性パーソナル障害とか、発達障害とか色々な病名があるが、すべてここに行き着く気がする。現代に生きる人の必読書と思う。特に親は、この本を読み、子供と向き合ってほしいと思う。特に、子供が良い子...

現代で急激に増えている心の病のかなりの部分をカバーする内容ではないかと思う。新型うつとか、境界性パーソナル障害とか、発達障害とか色々な病名があるが、すべてここに行き着く気がする。現代に生きる人の必読書と思う。特に親は、この本を読み、子供と向き合ってほしいと思う。特に、子供が良い子で、うまくいっていると思っている親は、手遅れにならないうちに。

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2018/10/19

複雑。 母であるがゆえに複雑な心境にさせられました。笑笑 あんまり考える必要ないよなぁ。もうここまで育ててまったし、、、と、思いつつ母の病の深刻さや、こんだけ自殺者が増える昨今、母の病すらも無視できないな、、とは思った。 そして、天才と呼ばれる人間たちがいかに母の病で苦しんで...

複雑。 母であるがゆえに複雑な心境にさせられました。笑笑 あんまり考える必要ないよなぁ。もうここまで育ててまったし、、、と、思いつつ母の病の深刻さや、こんだけ自殺者が増える昨今、母の病すらも無視できないな、、とは思った。 そして、天才と呼ばれる人間たちがいかに母の病で苦しんでいたか。。。あの宮崎駿さえも。ジョンレノンさえも。オノヨーコでさえ。他にも岡本太郎だとか沢山の天才が母との関係で悩み苦しみ母の病を抱えて成功した人たちだった。らしい。 まぁ、他にも要因あったんじゃないのかなー?とかも思うけど、母の大切さ、人格にすら影響する母の愛情。これは一考に値するほどに大切なことだな、、、とは考えさせられました。 でも、一歳半までに、、、 って、もう一歳半ついこの間すぎてまったやん。

Posted byブクログ

2018/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こざっぱりとした食卓で、家族みんなで夕食を囲んで、和やかに話したりテレビを見て自然に笑うことが許されて落ち着く、なんていう得られなかった場面がどうしてもまだ欲してるというか憧れているのを、これを読んで気づかされてしまう。 母は私の気持ちを理解しようとしてくれていただろうか、汲み取ろうとしていただろうか。 演じず自然に生きるということがどれほど難しいか。 本書の随所随所で過去を振り返ってしまう。 たとえば、両親が喧嘩することを恐れていた感情だけが残ってる場面。母が怒りの感情を手持ち無沙汰にしているように感じた場面。 でもこれは、母親個人の問題ではなく、社会全体の問題なんだと思う。核家族化、ひとり親家庭といった普段ネガティヴに取り上げられるだけでなく、ポジティブに捉えられる女性の社会進出へのまなざしも必要なんだろうな。女性が働きながら母親の役割を果たすために、なんらかの新しい手立てが生まれるべき。 いま現代の1/3の人が母という病をなんらかの形で抱えているという。多くの人に読まれ多くの人とともに考え、ともに支え合っていける社会になってゆけたらなあと思う。 〈以下引用〉 ‪この世に唯一変わらないものがあるとしたら、それは母親に愛されたいという子どもの願いかもしれない。そこには何の掛け値も打算もない。愛されなかった子どもほど、その思いは強烈で一途だ。‬ 豊かで快適になったはずの社会は、子どもから、本来の母親を奪ってしまってきたように思える。それが、母という病の増加をもたらしている大きな原因ではないだろうか。経済が豊かになっても、幸福になるどころか、生きることすら意味が感じられず、空虚感に苛まれる人が増えている一因が、そこにあるように思えてならない。

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2017/10/07

本の中に自分を発見しました。(p.232) 母との関係が今の自分を作っているなんて思いもよらず、ただなんとなく、最近母とうまくいかないなあと思い手に取った本。 冒頭から虐待にあった子ども、ネグレクトにあった子ども、捨てられた子ども、本当に想像を絶するありとあらゆる不幸な子どもの半...

本の中に自分を発見しました。(p.232) 母との関係が今の自分を作っているなんて思いもよらず、ただなんとなく、最近母とうまくいかないなあと思い手に取った本。 冒頭から虐待にあった子ども、ネグレクトにあった子ども、捨てられた子ども、本当に想像を絶するありとあらゆる不幸な子どもの半生が書かれていた。 ああ、自分のことではないと読み進めていたが、232ページ目に自分を発見してしまった。幼い頃に母にされた厳し目の躾、弟ばかり可愛がる母の眼差し、わたしのことを豚呼ばわりする両親の嘲る笑い声、ヒステリーみたいに叫ぶ母と物を投げまくる父、私には全く無関心で弟の野球の話に明け暮れる夕飯の時間。 ありとあらゆる嫌な場面が走馬灯のように襲ってきた。ああ、こんなにも私は内側に黒々とした思いを閉じ込めてきたのか、と、 昨日、久しぶりに実家に帰ってわかった。私があの家でどれだけのストレスを抱えていたのか。聞かないように注意していても耳に入ってきてしまう両親の罵声。母親が酷いことを言われていないか、気づかぬうちにそば耳を立てていた。ご飯を食べる時のぎくしゃくした雰囲気。父が怒り狂うのが怖くてだまったまま俯いて食べる夕飯。 やはり、うちは、おかしいのだ。 そう、おかしいのだ。 そんなことを思ってはいけないとずっと思い込んでいた。父も母も一生懸命働いていたし、何より、私に愛情がないわけではないことはうすうす気づいていたから。 でも、いま、はっきりと思う。やっぱりおかしいのだ。私はあの二人に育てられ、何かが欠落した状態で大きくなってしまった。 手がかからないように、いい子でいるように振舞ってきた。でも爆発した。それが高校生のときのわたしなのだろう。 きっとこれからもこの想いは伝えられないかもしれない。でも良い。気づけただけでも1つの句切れ目だ。

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2017/08/12

身につまされる内容で、何やかや読み切りはしたけど、結局同じ内容の繰り返しで、3分の1くらいのボリュームでよかったのでは?

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2017/02/08

●子どもは、明るく優しい、困ったときに、そっと寄り添ってくれるお母さんでいてほしいだけではないのか。 とても重い内容ではあったけれど、結局はシンプルに、子どもに大好きとありがとうの気持ちで向き合うことが大切なのかな、と感じた。そして、本当の意味で子どもにとって一番の幸せを考える...

●子どもは、明るく優しい、困ったときに、そっと寄り添ってくれるお母さんでいてほしいだけではないのか。 とても重い内容ではあったけれど、結局はシンプルに、子どもに大好きとありがとうの気持ちで向き合うことが大切なのかな、と感じた。そして、本当の意味で子どもにとって一番の幸せを考えること。

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2017/01/17

母親の揺るぎない愛情が子どもにとって大切であるということがずっと書いてある。 あまりに同じことの繰り返しで途中挫折しそうになった。 これを読んでから母になるのであればちょっとプレッシャーになったかも。 「友だちのような母親の落とし穴」には、ちょっとドキッとさせられた。

Posted byブクログ