ジュージュー の商品レビュー
いつもよりそれほど暗さや悲しさを感じなかった。それは主人公が多くの人に囲まれて愛されているからだと思う。大切な人を亡くしても、また大切な人が現れるっていうめぐりあわせはある。「地獄のサラミちゃん」って前々から日記にもよく出てきていたけど、より読みたくなった。
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地獄のサラミちゃんを読んでいない人には分かりにくいんじゃないかと思いますが。世の中の大多数の人は、ドラマチックな人生なんかではなく、小さな幸せと寂しいお別れの積み重ねで、それでも大事に人生を生きているのですよね。
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心にがつんとくるのではなくて、つつみこむような小説。 つらい過去、傷、トラウマ、妬み。 そういったものを誰しもが抱えている。 そんな中で日常に幸せを見出すのは逃げではなく、抵抗なのだ。
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自分の大好きな料理でもある ハンバーグがくれるあの幸せのエネルギーを これまた大好きなよしもとばななさんが 言葉の力を駆使して味会わせてくれるなんて! …とよだれタラタラで手にした作品(笑) (だいたいタイトルの『ジュージュー』からしてイマジネーションを刺激し、お腹が、鳴る鳴る)...
自分の大好きな料理でもある ハンバーグがくれるあの幸せのエネルギーを これまた大好きなよしもとばななさんが 言葉の力を駆使して味会わせてくれるなんて! …とよだれタラタラで手にした作品(笑) (だいたいタイトルの『ジュージュー』からしてイマジネーションを刺激し、お腹が、鳴る鳴る) しかし、そこは儚く切ない世界観のばななさんの小説。 ハンバーグから連想する ただ単にあったかい小説で終わるわけはなく(笑) 一人ぼっちの自由の その切ない香りに満ち溢れている。 昔からばななさんの作品は 別れと喪失を描きながらも、 人との出会いとたくさんの食べ物によって 人間が再生していく姿を描くことがテーマともなっていたので、 食い意地が張った(笑)いただきます体質の自分にも すぅ~っと馴染んで共感できるんですよね。 (「キッチン」に出てくるカツ丼を筆頭に、「なんくるない」の沖縄料理や「TUGUMI」のアイスやスイカなど) ログハウス風の店内に カントリー&ウェスタンな音楽が流れる、 古き良きアメリカのイメージで作られた ステーキとハンバーグ店『ジュージュー』。 『ジュージュー』の売りは 玉ねぎのソースがかかった サーロインステーキと おじいちゃんとパパの秘伝のドミグラスハンバーグ。 主人公は大好きだった母を亡くし 『地獄のサラミちゃん』という漫画に励まされながら 祖父や父や母が守ってきた『ジュージュー』を切り盛りする 女性、美津子。 そんな美津子を支えるのは 店を継ぐ覚悟で 代々続く店の味を頑なに守り抜く、 遠い親戚で元カレでもある進一。 そして進一の奥さんだが、 足が不自由で家に引きこもったままの 幽霊みたいなミステリアスな女性の 夕子さん。 (自らの前世をビルマのコブラ使いの少女だと言う儚くて不思議ちゃんなこのキャラがホンマ魅力的!) 他に『ジュージュー』に集う様々な常連さんと、 母を亡くしたことが縁で 美津子と恋に落ちることになる書店の息子の宮坂さん。 この4人の微妙な四角関係が面白いし、 お互い意識しつつも 何かシンパシーを感じ絆を深め合う美津子と夕子の関係は 女性なら、より理解できるところなのかも(笑) (実際自分も元カノと当時付き合ってた彼女とが知らない間に妙に仲良くなってることがあってビックリしたもんなぁ笑) トラウマと戦い 未来が見えない苦悩の中で 「どうにもならないことばかり だけど それが、それこそが人生なんだ」と、次第に腑に落ち ジュージューと生きる覚悟を決める美津子。 1ミリでもいいから ままならない人生というものに抵抗してやろうという考え方は 女性というものの強さをシミジミ思ったし、 進一と別れてから 油にまみれ『ジュージュー』で働くことしか知らなかった美津子が 新しい恋の予感に胸ときめかすシーンが とにかくいいんですよ(笑) 安易に好きと言い合うこともせず、 ゆっくりそうっと 何かを温めているような 美津子と宮坂さんのじれったい恋。 恋をしている人なら 誰もが頷いてしまう(笑)あるある描写と共に、 美津子と同じように 胸の奥から甘い蒸気が立ち上がってくるような恋の匂いにクラクラすることでしょう(笑) 世界はいつでも変わりうる。 その気持ちを胸の奥に持ち続けること。 そうすることから人生は初めて動きだす。 うまくいかないことに悩み苦しみ、 借り物の身体で 限られた寿命を精一杯生きるしかない 人間の空しさや哀しみを毎回描き続けながらも、 光のあるところへ 光のある方へと進もうとする人間たちのお伽話を紡ぎ出す ばななさんの作品。 賛否両論あるみたいだけど 自分はこれからも彼女の作品を支持していきたいな。
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ハンバーグ屋で働く女性の話。 大切な人大切にしたい人を失くして 淋しさと苦しみを抱えていても いつか光が見えるだろうか。 美味しいハンバーグ食べたいです。
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心か頭が疲れてるときは、よしもとばななを手に取る。朝倉世界一さんの表紙もよかったし、つかれがするするするーって抜けていく気がした。 「アイスでも食べよう。人生は、そういうこともあるよ。」
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【経緯】 短編の気分 久しぶりによしもとばななの感性に触れたくて 【書き出し】 どうにかなる どうにかなんとかなるだろう どうにかなんとかなるだろう どうにかなんとかなるだろう どうにか なるだろ 【感想】 うん、大事にしたいね サラミちゃん読みたい 【引用】 •夕子さんと...
【経緯】 短編の気分 久しぶりによしもとばななの感性に触れたくて 【書き出し】 どうにかなる どうにかなんとかなるだろう どうにかなんとかなるだろう どうにかなんとかなるだろう どうにか なるだろ 【感想】 うん、大事にしたいね サラミちゃん読みたい 【引用】 •夕子さんと会うのは癖になる。異次元への旅みたい。 •恋する人はいつもこのあたりまではとても純粋な思いを持っているな、と我ながら思った。ただただ相手を包み込む光、どこかでだめになるけど、そのときの持ち直し方でうちのパパとママみたいに全うできる可能性がある、男女の光。 •ああいう人って、いつか変わるの?と私が聞くと、そんなことに期待してなにかしてあげるなら、しないほうがいいんだよ、とパパは言う。 •正直でいて、その場を楽しくすること。ほんとうはきつくても、人生をまるで遊びみたいに泳いでいるふりをすること。つらそうな人にも陽気に挨拶して、きらきらしたものを発散すること。 •今ふたりのあいだに流れているきれいな流れを見ていたかった。 •胸がはりさけそうで、なにも考えられないけれど、これが終わってしまっても、もしもずっと一緒にいたらもっと偉大な大らかなものに包まれた愛おしい日常がやってくる •ふたりがそうっとなにかを温めていることだけは。 •それは手近に肌があったから、ついつい暴走してしまって、私と進一が温められなかったものでもあった。むさぼりつくして、消耗して、消えてしまった。ほんとうはこんなふうに温めるべきだったのだ。 •そんな彼の勘違いを、なるべくそうっと持ち上げて、こわさないように運んでいきたかった。 【不可解】
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悲しいことも、ほのかな安心も、生きてあるから感じられる感情だから、辛いことでもありのままに受けとめなくてはいけないな、と思える。 そこに至るまで、まだまだ道半ば(限りなくスタート地点)だけど。 朝倉世界一さんの世界観と、うまくリンクしている。サラミちゃん、読みたい!
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読み終わって自然と涙がこぼれてました。 わたしをつくりあげてきた過去をちょっぴり愛しく思えました。 そして鉄板ジュージュー肉汁ぶわっなハンバーグが無性に食べたいです(笑)じゅるる。。
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昔からこの世界観が大好き。 ゆっくりと、静かに、心が揺さぶられるような。 箱にしまっていたはずの過去が、そっと左右に振られる、水を染み込ませてじわっと染み出す、そんな感じ。 苦しくて、どうしようもなく悲しくなるけど、そんな中にも日常の暖かな光がさしてきて、じんわりあったかい気...
昔からこの世界観が大好き。 ゆっくりと、静かに、心が揺さぶられるような。 箱にしまっていたはずの過去が、そっと左右に振られる、水を染み込ませてじわっと染み出す、そんな感じ。 苦しくて、どうしようもなく悲しくなるけど、そんな中にも日常の暖かな光がさしてきて、じんわりあったかい気持ちにもなる。 不思議な世界。
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