意外と会社は合理的 の商品レビュー
組織がなぜ不合理な、「なぜこんなにも簡単なことも出来ないんだ」という疑問に答えてくれる本。 平たく言えば、個人的には不合理に見える事象も、組織レベルでは合理的な場合がある。 あるいは個人個人が個人の合理性を追求した結果、組織として不合理に陥る等、かなり示唆に富んだ本だった。 ...
組織がなぜ不合理な、「なぜこんなにも簡単なことも出来ないんだ」という疑問に答えてくれる本。 平たく言えば、個人的には不合理に見える事象も、組織レベルでは合理的な場合がある。 あるいは個人個人が個人の合理性を追求した結果、組織として不合理に陥る等、かなり示唆に富んだ本だった。 ただし、経済の専門用語はともかく、米国の軍隊の用語も頻繁に出ており、しかもその解説がないため、分かりにくい章も多い。 また本の構成自体がそうなのか、翻訳者の腕なのかは置いておくが、1ページ当たりの文字の量、情報量が多く、しかも硬い文章のため、読みにくい。 もう少し、その辺りを考慮した構成になっていれば、★5だった。
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伝統的な組織と今日の大企業の中にある共通点を持ち出して、組織の仕組み―不合理、不条理さを明かしていく。 結局なんでそしきはそんな風になっちゃうの?というのは第1章 なぜ組織を大きくするか でスコット・アーバン氏の「アーバンスペクタクルズ」とHPヒューレット・パッカードとの比較で説明されており、その後はダラダラ事例が続いてやや飽き気味だった。
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不条理に見える組織というものの実態に不満を抱く従業員は少なくない。だらだら続く会議、現場をわかっていない管理職など。組織というもののシステムに幻滅し、背を向ける前にどうしてそうなっているかという考察はやってみる価値はある。その意味でテーマ&視点としてはとても面白い本と思う。 ...
不条理に見える組織というものの実態に不満を抱く従業員は少なくない。だらだら続く会議、現場をわかっていない管理職など。組織というもののシステムに幻滅し、背を向ける前にどうしてそうなっているかという考察はやってみる価値はある。その意味でテーマ&視点としてはとても面白い本と思う。 リーダーの役割とは何か。それは明文化できない、組織の方向性を決定する事であったりルールではない文化を醸成する事にある。その為一見非効率な会議に出席する必要がある。CEOの仕事はあえて会議を通じて情報を集め、メッセージを発信する。 またピラミッド型のヒエラルキー組織ではトップに行くにつれて現場の情報が失われていく。 仕事をチーム制にするか組み立てライン化にするかという議論もある。組織や時代によって差異はあるだろうがこういったのも一長一短がある。チーム制にすると全体性の生産性は上がるかもしれない。だが成果にフリーライドするものがある為インセンティブ設計(評価)は難しい。じゃあ組み立てライン化がいいかというとイレギュラーなトラブルが起こった時にカバーしにくい、なにより部門を超えたチームプレーがないと成り立たない組織もある(例:警察組織) その為にインセンティブ設計というものは大事である。何より名人の技というのは得てして目立たないもの。自律的組織において評価に不満があるというのはある意味健全だという事まで著書では言っている。 賃金を上げるという事はどういう事なのか。会社側から見ると賃金を上げるという事は堕落を防ぐ為に監視を強化する必要であり、組織の肥大化に繋がる(トレードオフ) 管理職と従業員の間の軋轢が絶えないのは何故か? 理由①人は能力の限界まで出世する 理由②管理職は会社のソフト実態を把握するという極めて不愉快で効率の悪い仕事を引き受けなくてはいけない→作業者より管理職の方が重要(ペンシルベニア大学のイーサン・モリックが行った管理者と作業者の相対比較の研究) 中央集権化とイノベーションは矛盾する。規律や指示への服従を重んじる一方で創造性と想像力を育てる方法を模索している。(例:軍隊、マクドナルド) 又組織の変革にはコストとメリットが存在する。ペーパーレス、サードスペースについても議論の余地はある。
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なるほど、一見理不尽に感じるシステムにも理由があることが理解できた。逆に、変化を期待するものに対しても、合理的理由がなければ成立しないということだ。 合理性を失った判断をした組織が淘汰されていく。
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組織に不合理で理不尽なメカニズムがあるのは体制成立の背景の由来によるということだが、それは組織に身を置くものなら誰でもわかっていることだと思う。
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レビューはブログにて http://ameblo.jp/w92-3/entry-11869055413.html
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あのテロ組織のアルカイダにも「出張報告書」があると書かれており、思わず笑ってしまった。2008年に発見された部下に対するメモで、旅費をちょろまかしたり、旅愁書を提出しなかったことが書かれていたとある。著者も述べているが組織を維持するのはどこも大変だ。最もこの組織は地上から消えて...
あのテロ組織のアルカイダにも「出張報告書」があると書かれており、思わず笑ってしまった。2008年に発見された部下に対するメモで、旅費をちょろまかしたり、旅愁書を提出しなかったことが書かれていたとある。著者も述べているが組織を維持するのはどこも大変だ。最もこの組織は地上から消えてくれることを願っているが。 会社と言えば、この前ニュースになったJTBの社員がバスの手配を忘れたことに対する策として手配を依頼した学校に手紙を書いて遠足を中止させようとしたが、結局、小賢しい愚策は発覚してしまい大騒ぎ。会社でも、こんなアバンギャルドなクリエイティブな発想には到底ついて行けない。こういう困ったちゃんがいると会社の株も暴落すると言うものだ。 企業の生き残りにはよくイノベーションが必要とメディアで目にすることが多いが、イノベーションがあるとかえって邪魔な組織もある。その例として著者はアメリカ陸軍とマクドナルドが挙げられている。先に上げたJTBの社員のようなことを思いつかれては規律が守れないし、全世界同一規格(メニューによっては国独自のものもあるが)の店づくりで管理している組織としては迷惑ということか。 仕組みがわかればもっと働きやすくなると書かれている。果たしてそうなるかどうかはこの本を読んだ人がどう生かすかにかかっている。
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組織とは、外部環境/原料/資金などのインプットに対して生産物/利益を出すだけのブラックボックスではなく、事業に対しての(それなりに)合理的アプローチであることを説いた本。 基本的にはミニマルな組織であれば、一人の監督者で事業のモニタリングをできるが、事業を大きくするにあたっては管...
組織とは、外部環境/原料/資金などのインプットに対して生産物/利益を出すだけのブラックボックスではなく、事業に対しての(それなりに)合理的アプローチであることを説いた本。 基本的にはミニマルな組織であれば、一人の監督者で事業のモニタリングをできるが、事業を大きくするにあたっては管理組織が必要となる。その際に効率性が悪化するため、費用対効果の計測/適合した組織(仕事/職種の目的の定義、インセンティブ、職務階層)の構築が重要となる。当然、事業環境は内部外部とも変化するため不断の変革が必要となり、長期間にわたる唯一の最適解はない。 HPはガレージ時代から家族的経営であったが、事業規模が大きくなるにつれフリーライダーが生まれ、昔の良さを捨てて官僚的規律を設けざるを得なかった。一方そのことでクリエイティビティが失われて現在に至っている。P&Gは、有名な事業部制を生み出し、その後機能性組織をかぶせたマトリックス制度に移行、またグローバル化に伴い、権限を委譲するなど常に変化をしている(が、必ずしも全部うまくいっているわけではなく元に戻したりもしている)。 営利組織ではなくても、インセンティブや仕事の定義と評価は重要である。警察組織では犯罪をどのように定義するかが重要で、窃盗の検挙件数を目標とすると凶悪犯罪は増加しうるし、「窃盗」の定義如何でそれ以下の軽犯罪を助長することにもなりかねない。バプティスト教会では、地区牧師の給与インセンティブが信徒数となっているが、違う教区の同じ信徒を乗り換えさせるほうが異なる教条の信徒を鞍替えさせるよりはるかに容易なため、隣接教区とのゼロサムゲームに陥ってしまう。一方、より大きな教区への牧師の昇進の条件は新信徒の増加なためそこでインセンティブをコントロールできていると思われる。
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理不尽に思える組織のしくみも、何らかの利益や効率を最大化するもの。制度設計にはトレードオフが生じる。不完全ではあるが、様々な選択肢の中で一番ましである。 身勝手と呼ぶか自主的と呼ぶか。確かに、バランス、ですね。
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若干文章が硬いが、 インセンティブを適切に与えるのが難しいという内容が いろんな事例を元に書かれていて、面白かった。 今の会社のシステムに不満がっても、 これを読むと、少しは 『しょうがない』と思えるかもしれない。
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