意外と会社は合理的 の商品レビュー
イノベーションばかりを推奨する社会に待ったをかける論説。 全ての企業戦略は、その戦略が出来た時点での妥当な点であるということを説明していく。 組織には常に利益とコストのトレードオフが存在しており、ある目的が完全に満たされている場合はどこかに致命的な問題が生じている可能性が高い...
イノベーションばかりを推奨する社会に待ったをかける論説。 全ての企業戦略は、その戦略が出来た時点での妥当な点であるということを説明していく。 組織には常に利益とコストのトレードオフが存在しており、ある目的が完全に満たされている場合はどこかに致命的な問題が生じている可能性が高いという分析は的を得ていると思う。 どれだけイノベーティブであることを重視したくとも、最低でも組織において命令が伝わる状況は保たなくてはならない。 そもそも規則を守らせることを最上とする組織や部署は必要だと思う。 官僚的な団体に押さえつけられながらでも、適切に改革を起こせるぐらいの能力がない人には静かにしておいてもらった方が安全なので。
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1991年ノーベル経済学賞、ロナルド・コースに起源を持つ組織経済学。組織の持つ様々なトレードオフに光を当てる。「取引コスト」に基づく組織のサイズの議論は、非常に興味深い。しかし、本や章のタイトルをキャッチーにひねりすぎでは?
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軽い内容かと思っていたら、想像以上にしっかりした内容で、読むのに時間がかかりました。 会社や組織のあり方(既存事業存続と新規事業開発のバランスのとり方)を考える上では、かなり参考になる本だと思います。 また、「意外と会社は合理的」なのは、一見、非合理に見えるものでも、その導...
軽い内容かと思っていたら、想像以上にしっかりした内容で、読むのに時間がかかりました。 会社や組織のあり方(既存事業存続と新規事業開発のバランスのとり方)を考える上では、かなり参考になる本だと思います。 また、「意外と会社は合理的」なのは、一見、非合理に見えるものでも、その導入過程を追うと、必ず合理性が見えてくる、という意味でとらえればよいと思います。 そもそも、会社に何かを導入するときには、合理的な判断を下した結果としてなので、当然といえば当然ですが、そのことに改めて気付かせてくれる本です。 ただし、合理性があったのは、導入当時のことであって、その後も合理的であり続ける保証はありません。 また、部分的には合理的であっても、全体的な視点からは、非合理な場合もあります。 とはいえ、すべてが合理的で、あらゆるものが調和した組織は、おそらく存在しません。 そういう中で、バランスをとりながら、会社や組織を、よりよい形に向かわせる方法を考える、よいヒントになる本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
組織を変える最大の障壁は文化である。スターと番人のバランスの必要性など、組織は絶妙なバランスの結果、今の形になっているという話。 引用や社会実験結果などが秀逸でためになった。 しかし読了して思うのは、邦題はもう少しなんとかならなかったのかということ。原題は「The Underlying Logic of the Office」。
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