秘密(下) の商品レビュー
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1961年の夏。少女だったローレルは母親が訪ねてきた男を殺してしまうところを目撃する。それは両親とローレル3人の秘密。 やがて時は流れ、女優になったローレルは母親の死に際してその秘密を探り始める。 母親は生まれた時から母親で、彼女に青春時代があったなどと思いもよらない人は大勢い...
1961年の夏。少女だったローレルは母親が訪ねてきた男を殺してしまうところを目撃する。それは両親とローレル3人の秘密。 やがて時は流れ、女優になったローレルは母親の死に際してその秘密を探り始める。 母親は生まれた時から母親で、彼女に青春時代があったなどと思いもよらない人は大勢いるであろう。 だけれども、人間は誰しも生まれて来た時からずっと人生を歩んでいる。皆がその中に秘密を抱えて。 さて、ローレルの母親の秘密は? 真相は予想通り。だけどそんなことは瑣末なことで、そこに至るまでの道のりが実に読ませる。 『リヴァトン館』も『忘れられた花園』もそうだったけど、本当に豊かなキャラクタを描く作家だ。 最後の一章に溢れる悲しみと嬉しさが混じり合った空気が堪らなく素晴らしい。訳者のあとがきから伺えるラストシーンに対する作家の姿勢が見事に反映されている。
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これは大当たり! 母ドリーの秘密とは? 過去と現在を行き来する展開。 じらされつつも真相へ少しずつ近づいていくこのドキドキヒヤヒヤ感がたまらない。 とある女性の人生を追いかけて過ごした濃密な時間。そして、その後の充実感と爽快感。 出会えたことを幸せに思う一冊。
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こういうの大好きだ~。「真相」はなんなの?どんな「秘密」が明かされるの?とドキドキして読んでいきたい人は、まったくレビューを読まずに手に取るのがおすすめ。面白いよ~。 前作「忘れられた花園」と同じく、子どもの頃、外国の物語を息を詰めて読んだあのコーフンを思い出した。こういうのっ...
こういうの大好きだ~。「真相」はなんなの?どんな「秘密」が明かされるの?とドキドキして読んでいきたい人は、まったくレビューを読まずに手に取るのがおすすめ。面白いよ~。 前作「忘れられた花園」と同じく、子どもの頃、外国の物語を息を詰めて読んだあのコーフンを思い出した。こういうのってなかなかないように思う。 途中で、おや?これはもしかしてアレかな?と見当がついたのだけれど、どこがどうつながるのかなかなかわからず、終盤にきて、なるほどねえと、作者の語りのうまさに納得。このワザはミステリで時々使われるけれど、ここでは無理矢理な感じがなくて、共感を誘う所が秀逸。 そしてそして、最後の一押しがすごく効いている。お話全体の色合いがサーッと明るんでいくようだ。セピア色の写真に写った人たちみんながしみじみと胸に迫る。良かったです。
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面白かった! 色々あって上巻から時間があいてしまったが、難なく入り込み余韻いまだ冷めやらず。ヘンリー・ジェンキンズが暴力男なのはすぐわかったけど、最後のどんでん返しには空襲に遭うシーンまで気付かなかった。『さよならドビュッシー』読んでたのに(笑)。またしても名探偵になれなかったの...
面白かった! 色々あって上巻から時間があいてしまったが、難なく入り込み余韻いまだ冷めやらず。ヘンリー・ジェンキンズが暴力男なのはすぐわかったけど、最後のどんでん返しには空襲に遭うシーンまで気付かなかった。『さよならドビュッシー』読んでたのに(笑)。またしても名探偵になれなかったのは、筆者の語り口が上手すぎるから、と日記には書いておこう。 確かにレベッカっぽかったね。 p119 手足を光の速さで動かすんだ。
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50年前に母に起こった恐ろしい事件の真相を娘が調べていくのだが、最後は二転三転、思いもよらぬ結末に。娘の母に対する愛情が伝わり、清々しい読後感でした。久しぶりに良い外国作品に出会えました。
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下巻の後半は怒涛の解決編。 これまでに提示された謎がパズルのようにはまり込んで行く様子は気持ちがいい。 尤も純粋にパズル……というか、謎解きという意味ではさほど凝ったことはしておらず、ミステリを読み慣れた読者ならば、かなりの確率で終盤のストーリーは予測がつくのではないだろうか。
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