かわいそうだね? の商品レビュー
初めての綿矢作品。女の世界を生々しくも瑞々しく描く才能に惹かれました。 円満な女社会なんて成立しないし、みんなハッピー私もハッピーとはいかない複雑さを見事に表現している。 「亜美ちゃんは美人」を目当てに読んだけど、「かわいそうだね?」がよかった。途中モヤモヤしたけどラストの爽快感...
初めての綿矢作品。女の世界を生々しくも瑞々しく描く才能に惹かれました。 円満な女社会なんて成立しないし、みんなハッピー私もハッピーとはいかない複雑さを見事に表現している。 「亜美ちゃんは美人」を目当てに読んだけど、「かわいそうだね?」がよかった。途中モヤモヤしたけどラストの爽快感に、ここまで読んでよかったみたいな読破ハイになれた。
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二篇収録されているが、どちらも女性なら共感も理解もできるようなお話。男性には難しそう。 綿矢りさらしく、現代に生きる二十代、三十代の女性像がリアルに描写されていて、なんとなく気が重くなる。
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元カノとの同居を認めないなら別れる っていう彼氏。かわいそうな人をほうっておけるの?みたいなこちらまで罪悪感を背負わされるような感覚。。。好きだからというか失いたくないから飲み込む気持ちと、、、。 煮えきらない彼氏は恋愛感情は元カノにないと本人目の前で豪語するが、ホントのところ ...
元カノとの同居を認めないなら別れる っていう彼氏。かわいそうな人をほうっておけるの?みたいなこちらまで罪悪感を背負わされるような感覚。。。好きだからというか失いたくないから飲み込む気持ちと、、、。 煮えきらない彼氏は恋愛感情は元カノにないと本人目の前で豪語するが、ホントのところ どうだったんだろうと謎は残る。。。 時間はむだにしたけで最後に言いたいことを言えてよかった。 亜美の話も面白かった。美人の引き立て役の辛さ。周りの見透かす目も辛かった。。。 美人て孤独なのね。。。亜美オタクの人の分析力がすごくてツボだった。 これからの、友情が楽しみ、かな。
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主人公が自分を変えてまで、彼氏と元カノの事を理解しよう、好きになろうと努力してる所が健気なんだけど、フラストレーションも溜まっていく。 あんたほんまにそれでええのか...?って心配させといての、ラストでの大爆発。 めっちゃ気持ちいい。 パートナーに対して違和感があるけど、なかなか別れに踏み出せない人にオススメしたい。 しゃーない、次いこ次!笑
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表題作「かわいそうだね?」 樹理恵と一緒に大恋愛と大爆発と大失恋をした。完全に私たちは同化していた。ラスト、気持ちいい〜!!こんなに爽快な恋愛小説いつぶりだろう?メールを見た時のショックさも、自分がまさに実体験として味わっているかのような錯覚が起きるほどだった。大阪弁、かっこいい〜!! 「亜美ちゃんは美人」 ひたすら亜美ちゃんの美しさの描写にほう…とうっとりする作品。何故この子がこの人と?!という疑問がゆっくりと溶けていくような感覚。美人って寂しいものなのか。 そう考えている時点で亜美ちゃんのことは理解しきれていないのだろう。
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友達とは対等でいたい。が男が絡むと途端に優劣がつくっていうのに共感した。 結局他人に流されず、自分の中で決断しないと意味ないし次に進めないことを痛感した。 どちらの話もかわいそうと見下す話ではなく、困難の中で自分がどう生きていくのか決断をする女性が描かれていて、自分を見失ったとき...
友達とは対等でいたい。が男が絡むと途端に優劣がつくっていうのに共感した。 結局他人に流されず、自分の中で決断しないと意味ないし次に進めないことを痛感した。 どちらの話もかわいそうと見下す話ではなく、困難の中で自分がどう生きていくのか決断をする女性が描かれていて、自分を見失ったときに読み返したいと思った。
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綿矢りささんの小説を読むのは初めてだが、題名の『かわいそうだね?』も同時収録の『亜美ちゃんは美人』もどちらもおもしろかった。 『かわいそうだね?』 彼女がいるのに元カノと同居している隆大の行動には大きな違和感を通り越してイライラさえも感じる。樹理恵が龍大と元カノのアキヨの二人の...
綿矢りささんの小説を読むのは初めてだが、題名の『かわいそうだね?』も同時収録の『亜美ちゃんは美人』もどちらもおもしろかった。 『かわいそうだね?』 彼女がいるのに元カノと同居している隆大の行動には大きな違和感を通り越してイライラさえも感じる。樹理恵が龍大と元カノのアキヨの二人の関係をいろいろ想像してしまうのも仕方がないと思う。「俺は樹理恵だけを愛してる。できれば別れたくない」なんてあまりにもムシが良すぎる。現在愛しているのは樹理恵のはずなのに、「アキヨといっしょに住むことを樹理恵がどうしても嫌なら、別れるしかない」と言う隆大の気持ちがわからない。最後に彼女がキレて大阪弁でアキヨと隆大に自分の気持ちを爆発させるところは気持ちよくスッキリした。 『亜美ちゃんは美人』 亜美ちゃんは誰からも好かれる美人。さかきちゃんも美人だが、亜美ちゃんのそばでは引き立て役になってしまう。亜美ちゃんに対して劣等感を持ちながらも、ずっと友達でい続けるさかきちゃん。自分のことを全く好きじゃない男性に惹かれてしまう亜美ちゃん。2人の苦悩が伝わって来る小説。容姿による学校内でのカースト制も彷彿とさせる。 心に残った言葉 ・自分の知らないところで事態が進んでいることほど、恐ろしいことはない。いろいろ想像してしまうから。P49 ・相手も自分も傷つけるかもしれない素直な疑問は、発するより飲み込むほうが楽なのだけれど、うまく消化するのが難しい。P50 ・〝かわいそう〟という言葉は嫌われがちだ。私たちの心には、この言葉に該当する感情が確実にあるのに、なかなか使いたがらないし、使われることも嫌う。P70 ・困っている人を見かけたときに湧く、自然な同情の気持ちを〝かわいそう〟と呼ぶのは、間違っていないはず。この気持ちがあってこそ、次の段階の〝助けたい〟につながる。同情だろうが偽善だろうが、行動を起こすことで誰かが救われる。P70〜71 ・言わずに察する文化で支え合っている私たちは、そのルールを無視する人間に接すると、著しく憤慨して疎外する。憤慨は動揺の裏返し、疎外は怯えの裏返しだ。P100 ・髪を切ってさっぱりなんて言うと、穢れを祓ったようで聞こえはいいけれど、本当はただの自傷行為だ。過去のしみついた自分をざっくり切り落として、新しい自分に生まれ変わりたいと強く願っている。つまりいままでの自分を全否定している訳で、髪を切るというのは日常的な行為に思えても、実は非常に大きな自己否定でもある。変わりたいと強く願いそれを実行するのは、いままでの自分を殺してしまいたいという願望のあらわれ。髪に血が通っていないことで助かっている女の子はいっぱいいる。P133 ・困っている人はいても、かわいそうな人なんて一人もいない。P153 ・女子高生にとって可愛いは人間の価値そのものとイコールで直結する。性格が極悪でも容姿の良い子はとびきり高い点数をつけてもらい、クラスに君臨し、のさばり、その逆の子は高一の一学期の時点で、親と教師とでいつ転校をするかで何度も話し合うほどクラスの隅に追いつめられる。P163 ・慌ただしく権力の順位の入れ替わる教室内で、彼女だけは不可侵条約、平和地帯、彼女の話をするときだけは皆批判を押さえこみ、女子っぽい猫なで声でほめそやす。P164 ・高校時代では亜美ちゃんに一目置かれているさかきちゃんという存在を、クラスメイトたちは尊敬してくれたが、初対面の男子たちは残酷なほど正直で、めんどくさいフィルターはかけずに、見た目だけで二人の関係性を結論づけていた。P175 ・きっと男の人が思うほど、女友達どうしのなかに〝役割〟があるわけじゃない。P175 ・女どうしの世界でははっきりした立ち位置などなく、みんな、同じだけ価値のある女の子として存在している。P176 ・自分自身が満たされれば、亜美への嫉妬もなくなるんだ。P196 ・あいかわらず亜美ちゃんのとなりではAダッシュのさかきちゃんではあったが、亜美ちゃんの隣にいると自分の本当の価値が分かるというか、横に巨大な物差しが置いてあるようでおもしろくなってきた。今日は14センチ、今日はいいことがあって笑顔が明るいから19センチという風に、人の視線を通して自分を客観的に見られる。亜美ちゃんは30センチ物差しで彼女に追いつけはしないけれど、自分にもある一定の十分な長さが確実にあると分かる。p197 ・高校時代、私だけが彼女の崇拝者にならなかった。それは私が彼女に嫉妬していたからだが、だからこそ彼女は私に惹きつけられ、やすやすと心を開いた。つれなくされてはじめて、本当の自分を相手に見せられるのだろう。P251
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表紙にはまるで"選ばれない可哀想な女"のように書かれていたが、読んでみれば自分の道を自分で決める強かな女性が描かれていて、すっきりとした読後感があった。
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若い女の人ってこんな感じかなぁとヒリヒリした気持ちになる本。ヒリヒリした気持ちになるということは、日常のなかに心あたりがあるからだな。
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綿谷りさは 基本的に女性の人間関係や、今を生きる女性特有の社会からの呪いや、その呪いが無意味でまたあることを辛辣に書くのがうまいなあ、、 今回も、強く生きられてしまう 男性に依存しない女性の辛さと呪いが見えたけど 最終的に誰が幸せだとか 不幸だとか こういう展開がハッピーでしょ...
綿谷りさは 基本的に女性の人間関係や、今を生きる女性特有の社会からの呪いや、その呪いが無意味でまたあることを辛辣に書くのがうまいなあ、、 今回も、強く生きられてしまう 男性に依存しない女性の辛さと呪いが見えたけど 最終的に誰が幸せだとか 不幸だとか こういう展開がハッピーでしょう?って展開を裏切って急アクセル踏むタイミングがあって そこで一気に没入させられる
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