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かわいそうだね? の商品レビュー

3.9

258件のお客様レビュー

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2024/09/16

友達とは対等でいたい。が男が絡むと途端に優劣がつくっていうのに共感した。 結局他人に流されず、自分の中で決断しないと意味ないし次に進めないことを痛感した。 どちらの話もかわいそうと見下す話ではなく、困難の中で自分がどう生きていくのか決断をする女性が描かれていて、自分を見失ったとき...

友達とは対等でいたい。が男が絡むと途端に優劣がつくっていうのに共感した。 結局他人に流されず、自分の中で決断しないと意味ないし次に進めないことを痛感した。 どちらの話もかわいそうと見下す話ではなく、困難の中で自分がどう生きていくのか決断をする女性が描かれていて、自分を見失ったときに読み返したいと思った。

Posted byブクログ

2024/09/14

綿矢りささんの小説を読むのは初めてだが、題名の『かわいそうだね?』も同時収録の『亜美ちゃんは美人』もどちらもおもしろかった。 『かわいそうだね?』 彼女がいるのに元カノと同居している隆大の行動には大きな違和感を通り越してイライラさえも感じる。樹理恵が龍大と元カノのアキヨの二人の...

綿矢りささんの小説を読むのは初めてだが、題名の『かわいそうだね?』も同時収録の『亜美ちゃんは美人』もどちらもおもしろかった。 『かわいそうだね?』 彼女がいるのに元カノと同居している隆大の行動には大きな違和感を通り越してイライラさえも感じる。樹理恵が龍大と元カノのアキヨの二人の関係をいろいろ想像してしまうのも仕方がないと思う。「俺は樹理恵だけを愛してる。できれば別れたくない」なんてあまりにもムシが良すぎる。現在愛しているのは樹理恵のはずなのに、「アキヨといっしょに住むことを樹理恵がどうしても嫌なら、別れるしかない」と言う隆大の気持ちがわからない。最後に彼女がキレて大阪弁でアキヨと隆大に自分の気持ちを爆発させるところは気持ちよくスッキリした。 『亜美ちゃんは美人』 亜美ちゃんは誰からも好かれる美人。さかきちゃんも美人だが、亜美ちゃんのそばでは引き立て役になってしまう。亜美ちゃんに対して劣等感を持ちながらも、ずっと友達でい続けるさかきちゃん。自分のことを全く好きじゃない男性に惹かれてしまう亜美ちゃん。2人の苦悩が伝わって来る小説。容姿による学校内でのカースト制も彷彿とさせる。 心に残った言葉 ・自分の知らないところで事態が進んでいることほど、恐ろしいことはない。いろいろ想像してしまうから。P49 ・相手も自分も傷つけるかもしれない素直な疑問は、発するより飲み込むほうが楽なのだけれど、うまく消化するのが難しい。P50 ・〝かわいそう〟という言葉は嫌われがちだ。私たちの心には、この言葉に該当する感情が確実にあるのに、なかなか使いたがらないし、使われることも嫌う。P70 ・困っている人を見かけたときに湧く、自然な同情の気持ちを〝かわいそう〟と呼ぶのは、間違っていないはず。この気持ちがあってこそ、次の段階の〝助けたい〟につながる。同情だろうが偽善だろうが、行動を起こすことで誰かが救われる。P70〜71 ・言わずに察する文化で支え合っている私たちは、そのルールを無視する人間に接すると、著しく憤慨して疎外する。憤慨は動揺の裏返し、疎外は怯えの裏返しだ。P100 ・髪を切ってさっぱりなんて言うと、穢れを祓ったようで聞こえはいいけれど、本当はただの自傷行為だ。過去のしみついた自分をざっくり切り落として、新しい自分に生まれ変わりたいと強く願っている。つまりいままでの自分を全否定している訳で、髪を切るというのは日常的な行為に思えても、実は非常に大きな自己否定でもある。変わりたいと強く願いそれを実行するのは、いままでの自分を殺してしまいたいという願望のあらわれ。髪に血が通っていないことで助かっている女の子はいっぱいいる。P133 ・困っている人はいても、かわいそうな人なんて一人もいない。P153 ・女子高生にとって可愛いは人間の価値そのものとイコールで直結する。性格が極悪でも容姿の良い子はとびきり高い点数をつけてもらい、クラスに君臨し、のさばり、その逆の子は高一の一学期の時点で、親と教師とでいつ転校をするかで何度も話し合うほどクラスの隅に追いつめられる。P163 ・慌ただしく権力の順位の入れ替わる教室内で、彼女だけは不可侵条約、平和地帯、彼女の話をするときだけは皆批判を押さえこみ、女子っぽい猫なで声でほめそやす。P164 ・高校時代では亜美ちゃんに一目置かれているさかきちゃんという存在を、クラスメイトたちは尊敬してくれたが、初対面の男子たちは残酷なほど正直で、めんどくさいフィルターはかけずに、見た目だけで二人の関係性を結論づけていた。P175 ・きっと男の人が思うほど、女友達どうしのなかに〝役割〟があるわけじゃない。P175 ・女どうしの世界でははっきりした立ち位置などなく、みんな、同じだけ価値のある女の子として存在している。P176 ・自分自身が満たされれば、亜美への嫉妬もなくなるんだ。P196 ・あいかわらず亜美ちゃんのとなりではAダッシュのさかきちゃんではあったが、亜美ちゃんの隣にいると自分の本当の価値が分かるというか、横に巨大な物差しが置いてあるようでおもしろくなってきた。今日は14センチ、今日はいいことがあって笑顔が明るいから19センチという風に、人の視線を通して自分を客観的に見られる。亜美ちゃんは30センチ物差しで彼女に追いつけはしないけれど、自分にもある一定の十分な長さが確実にあると分かる。p197 ・高校時代、私だけが彼女の崇拝者にならなかった。それは私が彼女に嫉妬していたからだが、だからこそ彼女は私に惹きつけられ、やすやすと心を開いた。つれなくされてはじめて、本当の自分を相手に見せられるのだろう。P251

Posted byブクログ

2024/09/12

表紙にはまるで"選ばれない可哀想な女"のように書かれていたが、読んでみれば自分の道を自分で決める強かな女性が描かれていて、すっきりとした読後感があった。

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2024/09/09

若い女の人ってこんな感じかなぁとヒリヒリした気持ちになる本。ヒリヒリした気持ちになるということは、日常のなかに心あたりがあるからだな。

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2024/09/01

綿谷りさは 基本的に女性の人間関係や、今を生きる女性特有の社会からの呪いや、その呪いが無意味でまたあることを辛辣に書くのがうまいなあ、、 今回も、強く生きられてしまう 男性に依存しない女性の辛さと呪いが見えたけど 最終的に誰が幸せだとか 不幸だとか こういう展開がハッピーでしょ...

綿谷りさは 基本的に女性の人間関係や、今を生きる女性特有の社会からの呪いや、その呪いが無意味でまたあることを辛辣に書くのがうまいなあ、、 今回も、強く生きられてしまう 男性に依存しない女性の辛さと呪いが見えたけど 最終的に誰が幸せだとか 不幸だとか こういう展開がハッピーでしょう?って展開を裏切って急アクセル踏むタイミングがあって そこで一気に没入させられる

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2024/08/31
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※このレビューにはネタバレを含みます

あみちゃんは美人最初の方は私の物語かと思った かわいそうだね、私は感情のまま動いてしまう人だから、主人公側だ

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2024/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「かわいそう」という言葉はあまり好きではない。 そう思う対象を“下”に見ていないと そして他人事だと思っていないと この感情にはならないと思っているからだ。 同情を誘う、という言葉もあるが そんな人は「かわいそう」と思われることを 怖くないのだろうか。 アキヨは、、、そのタイプの人間だと思う。 以下、好きだったところ。 「余るくらい持っていたほうが安心なのに、 いつもちょうど必要なだけ持って出て行く人の ほうが、自信ありげでたくましそうに見えるのはなぜだろう。」

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2024/08/11

100)破れた絆を修復するための解決策はルールを守らない人間を排除するか自分が逃げ出すしか知らない。徹底的に議論をして解決する方法はとらない。言わなくても察し合うことでコミュニティが成り立っている。和を以て貴しと為す、本音と建前、内弁慶などの言葉もこのような文化が背景にあるから生...

100)破れた絆を修復するための解決策はルールを守らない人間を排除するか自分が逃げ出すしか知らない。徹底的に議論をして解決する方法はとらない。言わなくても察し合うことでコミュニティが成り立っている。和を以て貴しと為す、本音と建前、内弁慶などの言葉もこのような文化が背景にあるから生まれた言葉なのだろう。

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2024/08/03

二作品とも面白く、あっという間に読めた。 かわいそうだね? の設定は現実に起こり得る話なのか、修羅場経験のない自分にはよくわからないが、別の彼女(主人公の樹理恵)がいる元カレ(隆大)の家に半年後以上も居候するアキヨさんの「厚かましさ」には恐れ入るし、そんな話が理解され得ると思う...

二作品とも面白く、あっという間に読めた。 かわいそうだね? の設定は現実に起こり得る話なのか、修羅場経験のない自分にはよくわからないが、別の彼女(主人公の樹理恵)がいる元カレ(隆大)の家に半年後以上も居候するアキヨさんの「厚かましさ」には恐れ入るし、そんな話が理解され得ると思うカレも何だかすごい。 この状況を樹理恵が英語講師に相談して、英語力の無さから、「アメリカでは十分ありなんだ」と勘違いする場面は新喜劇的で面白い。 最後に樹理恵が啖呵を切りまくる場面は完全に新喜劇だ。 亜美ちゃんは美人 の二人の歪んだ友情は女性ならではの部分が大きいのだろうけど、男性でも十分に共感して出来てしまう。「嫉妬」の感情は性別問わずあるものだから。そういえば、猿にもあるらしい。2匹の猿がキュウリをもらっていた時は喜んで食べていたのに、1匹だけバナナを貰うようになると、そうでない方の猿はキュウリを投げ捨てて悔しがるという。自分一人(一匹)が生きるには問題なくとも、異性獲得競争においては不利になるから、本能的にその状況を回避したくなるのだろう、と進化心理学的に考えてみた。

Posted byブクログ

2024/07/19

亜美ちゃんは美人 女性特有の気持ちが描かれていて読んでいて共感した。物語が最後になるにつれて加速する感じでした。 特に「自分自身が満たされれば、亜美への嫉妬もなくなるんだ」は人間関係において大切なことだと思った。

Posted byブクログ