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ルポ虐待 の商品レビュー

4.2

84件のお客様レビュー

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    32

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  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2014/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母親一人の異常性ではなく、母親の生育歴をふくめた今回の事件を検証しており、何ともやるせない気分になった。判決に私情挟めないだろうが、ネグレクトもDVも歪んだ負の連鎖であり、断ち切ることの大変さを感じた。

Posted byブクログ

2014/07/25

子どもがいない大人や、子育てに積極的に関わっていない大人たちはもちろん、これから子育てを始める若い人たちにも、是非とも読んでもらいたい本。 なぜこんなひどい事件が起きたのか、なぜこんな小さい子供たちが、たくさんの大人たちが暮らす街の中で誰にもケアしてもらえずに死ななければならなか...

子どもがいない大人や、子育てに積極的に関わっていない大人たちはもちろん、これから子育てを始める若い人たちにも、是非とも読んでもらいたい本。 なぜこんなひどい事件が起きたのか、なぜこんな小さい子供たちが、たくさんの大人たちが暮らす街の中で誰にもケアしてもらえずに死ななければならなかったのか。読み進めると怒りがわいてくる。子を持つ親であれば、皆が感じる怒りだろうと思う。 怒りに堪えきれなくなって、最後のページを読んだ。 「母親だけが子育ての責任を負わなくていいということが当たり前になれば、大勢の子どもたちが幸せになる」 この言葉に救われた気がして、この本を一気に読み終えた。 子どもたちは親や家族の所有物ではなく、社会の子。親や家族が子育ての責任を放棄してよいということではないが、その責任を、子を持たない大人たちも含めて周囲が等しく負ってくれたら、どんなに子供を育てやすい世の中になるだろう。 幼少時にネグレクトを受けた子供が、母親になってその子にネグレクトを繰り返す。そんな最悪なスパイラルも、子どもは社会が育てるもの、という概念さえ浸透していれば、繰り返されずにすむのではないかという気がしてならない。

Posted byブクログ

2014/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2010年の大阪二児置き去り死事件を扱ったルポルタージュ。本名は広く知られていると思うが本書では仮名が用いられている。 印象に残ったのが、当時の名古屋市中央児童相談所課長の「水商売で単親で、若年出産で住民票がない。子育て環境は最悪です。(略)ただ、同じような生活形態の方は大勢います。それだけで虐待だと断定すれば失礼になる(後略)」という言葉。 いやいや、もうその環境だけで子供にとっては虐待だろう。この母親やその父親に問題があるとか、いや、これは社会全体の問題なのだとか議論は色々あるだろうが、責任の所在などどうでもいい。 ママを選んで産まれて来た云々という脳内お花畑の言説も稀に聞くが、子供は母親を選べない。 とにかく、育てられない奴には子供を産ませるな、この手の事件を耳にする度そう思う。

Posted byブクログ

2014/05/08

どうすればこのような事件が防げるのか思いながら読んだ。母親一人の責任とするには余りに酷。実父がもっと包容的なら、実母がもっと便りがいがあれば、元夫家族がもっと寛容なら、児相が母親と会えていれば…など、こうだったらと思うことはきりがないが、母親はどの救済可能性にも引っ掛からなかった...

どうすればこのような事件が防げるのか思いながら読んだ。母親一人の責任とするには余りに酷。実父がもっと包容的なら、実母がもっと便りがいがあれば、元夫家族がもっと寛容なら、児相が母親と会えていれば…など、こうだったらと思うことはきりがないが、母親はどの救済可能性にも引っ掛からなかった。どうすればいいと言うことは一言では言えないが、虐待、精神疾患、育児、家族等々、今後人として生きやすい世の中にしていくための課題が多いということだけは理解できた。

Posted byブクログ

2014/05/06

この事件はセンセーショナルだった。 同じく子を持つ親として、なぜこのような行動をとったのか?取らなければならない事情があったのか?気になり手にした。 14/02/03-10

Posted byブクログ

2014/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

親から虐待やネグレクトされた子どもが、親になって子どもに虐待、ネグレクトする。この負の連鎖をどこかで断ち切る仕組みが必要と思う。かつては、その役割を大家族制や地域社会が受け持っていたのだろう。しかし、そのような受け皿が無くなった現在では、やはりその役割は行政に頼るしかないと思う。 この事件が起きた当時は、母親の身勝手さに憤りを感じたように記憶しているが、「誕生日を知らない女の子」や本書を読むと、上記のように違った感想を覚える。

Posted byブクログ

2014/04/28

虐待された子供に携わる人間の 誰一人として、リアリティがない。 子供や孫が、心配なら、 何故、子供が成長するために 現実的な援助をしなかったんだろう? 特に経済面で母親が苦労する=身内である子供が辛い思いをするとは想像しなかったのか? 安易に産んで(産ませて)安易に放棄する ...

虐待された子供に携わる人間の 誰一人として、リアリティがない。 子供や孫が、心配なら、 何故、子供が成長するために 現実的な援助をしなかったんだろう? 特に経済面で母親が苦労する=身内である子供が辛い思いをするとは想像しなかったのか? 安易に産んで(産ませて)安易に放棄する エイズの心配から、性教育が早まったけど 家庭の在り方や、困った時の現実的な対処法とか 義務教育で教えていければいいのにと考えます。 身の回りで誰も助けてくれないなら、 行政に丸投げでもいいじゃない。 命を殺してしまうよりは。 生育歴から、彼女の選択が、 間違った方へ間違った方へと流されていく動きが、とても切なかった。 だからといって犯した罪の大きさは計り知れないけれど。

Posted byブクログ

2014/04/20

2人の子を餓死させた母親が、誰にも助けを求められないと思い込んでいる孤立した状況にあって、そういった意味では被害者ともいえるような立場の人だったということがわかった。 でも、こちらから連絡をしても返事をしてくれない、助けを求めてくれない人やその子どもに対して、社会や行政はどうやっ...

2人の子を餓死させた母親が、誰にも助けを求められないと思い込んでいる孤立した状況にあって、そういった意味では被害者ともいえるような立場の人だったということがわかった。 でも、こちらから連絡をしても返事をしてくれない、助けを求めてくれない人やその子どもに対して、社会や行政はどうやって介入していったらいいんだろう。ここまで特殊な状況にある人をすくい上げるにはどれだけの時間と労力が必要なんだろうと思うと、今後こんな事件がまた起こらないとも限らないなと思ってしまう。

Posted byブクログ

2014/04/05

何故、あんな惨い事が起きたのか、 特別な事だったのか、誰にでも起こり得るのか 防ぐ事は出来なかったのか…。 参考になるルポ

Posted byブクログ

2014/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2010年、マンションの一室に二人の幼子を、真夏日に何日も閉じ込めたまま外出し餓死させた事件。このルポに書かれていることが本当なら、母親の周りには、誰一人として、幼い子供たちが現在どういう生活をしているか本気で心配する人がいなかったと思われます。人に頼れずに育った情緒不安定なこの母親は、何か得体の知れないやり切れなさから逃れようとするように、家出をしたり嘘をついたりを繰り返す。そのたびに家族は落胆し翻弄されます。「母親」「妻」「娘」としての期待を裏切った彼女に対して「こんなに面倒をみてやったのに」「こんなに親身になってやったのに」という被害者としての処罰感情を持った人ばかり。お前なんかもう知らん、子供を生んだからには母親なんだから子供の面倒をみるのが当たり前とでも言っているように、「しっかり母親をします」と念書まで書かせて、彼女と子供を大海に放してしまいました。裁判の証言で、家族からは「生活に困っていると言ってくれたら助けたのに」という受動的な発言ばかりで「あの時、自分にも何かできたかもしれない」という発言をする者がいないことに、この事件を知った時の数倍も強いショックを受けました。子供を一人では作れないのと同じで、けっして一人では育てられないです。よく言われる「女手一つで育て上げた」というのは誇張だと思います。なんらかの形で周りが助けてくれてたんですよ。どうかこの事件が、何かの導きをもたらせますようにと祈らずにはいられませんでした。

Posted byブクログ