ほろびぬ姫 の商品レビュー
余命宣告をされた夫が妻のために自分とそっくりな双子の弟を連れてくる。夫にも、弟にもあなたと呼びかける妻。あなたとあなたが交錯するのに読者は兄と弟をきちんと区別できるところがすごいです。少しサスペンスタッチで面白かったです。
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なんだかよく分からないまま煙に巻かれたという感じ。 虞美人のエピソードを知っていたらもっと深く理解できたのだろうか。
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あなたとあなた。 画像として見ているように、するすると見えてくる。 文章うまい。 おぉっ、ここで終わり!?と思うような終わり方。 井上荒野、好きだー。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私とあなたとあなたの物語。 自分が死ぬのだとわかったとき、愛する妻に双子の弟を引き合わせた新時の気持ち。 愛する夫に死を告げられ、姿形は同じで性格の違う双子の弟を紹介されたみさきの気持ち。 私だったら、彼だったら、どんな気持ちになるだろう・・・と、結構真剣に考えさせられました。
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今年、同じようなモチーフの本を3冊読んだ。 不治の病の夫が遺していく妻のために新しい連れ合いを用意する… そこに妻を思う深い愛情を感じ…るのか? これは、夫の最後のエゴだな。夫の死後それを反故にするのを前提として受け入れ(るフリをす)る妻の「愛情」ではあるかもしれないけど。 妻で...
今年、同じようなモチーフの本を3冊読んだ。 不治の病の夫が遺していく妻のために新しい連れ合いを用意する… そこに妻を思う深い愛情を感じ…るのか? これは、夫の最後のエゴだな。夫の死後それを反故にするのを前提として受け入れ(るフリをす)る妻の「愛情」ではあるかもしれないけど。 妻である自分としては、もっと穏やかに大切なさいごの時を過ごしたい、と思うのだが。
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あなたとあなたが同時に出て来て、混乱させておいて、いつしかちゃんと区別がつくという、文章ならではの手法がすごい。 ラストはどうなんでしょうと思うけれど、そんなことはどうでもよくなってしまうほど世界を構築した作者に拍手。
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窮極の恋愛結婚小説。著者の本領が発揮された一冊。この小説の感覚が判る人は、ナイフが突き刺さったままのような痛みを感じながら読み進むしかない。判らない人は、判らないままの方が幸せかもしれない。
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とにかくイライラさせられっぱなし。 頭の中が大混乱。 夫のあなたと一卵性双生児の義弟のあなた。 二人を一貫してあなたと呼ぶ主人公。 同じ姿をもったまったく中身の違う二人の「あなた」。 不治の病にかかった夫の策略に妻はまんまと嵌ってしまうのか、裏切るのか。 それは愛なのか、愛じゃな...
とにかくイライラさせられっぱなし。 頭の中が大混乱。 夫のあなたと一卵性双生児の義弟のあなた。 二人を一貫してあなたと呼ぶ主人公。 同じ姿をもったまったく中身の違う二人の「あなた」。 不治の病にかかった夫の策略に妻はまんまと嵌ってしまうのか、裏切るのか。 それは愛なのか、愛じゃないのか。 実体があるのか、実体なんて最初からないのか。 常軌を逸した恋愛模様を描くのを得意とする井上さんらしい作品と言えるが、その仕掛けはいつになく挑戦的。 巧みな文章で読者を引き込む技はさすが。 文章が巧くないとこの構成は破たんしてしまうだろう。 それにしてもタイトルがいい。 ほろびぬ姫。 男たちに守られて囲われて生き続ける姫なのか。 なんとも羨ましい(笑)
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不思議な話でした。双子のあなたとあなたと私の物語。最後ナイフであなたを刺すとまで思いつめた私は、結局刺したかどうだかわからないままで終わりました。
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敢えて混乱を誘う"あなた"の使い方や、かつてなく"死"を直接の題材としていることで、実験的な作品?とも感じたものの、やはり著者の世界観あるいは描きたいことは一貫しているのではないかとも思う。
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