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雨のなまえ の商品レビュー

3.4

118件のお客様レビュー

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    12

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

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2021/05/27

妻の妊娠中、逃げるように浮気する男・パート先のバイト学生に焦がれる中年主婦・不釣合いな美人と結婚したサラリーマン・幼馴染みの少女の死を引きずる中学教師・まだ小さな息子とふたりで生きてくことを決めた女。いずれも話も雨が絡む。 冷たい雨、スコールのような雨、雷混じりの雨、雪混じりの...

妻の妊娠中、逃げるように浮気する男・パート先のバイト学生に焦がれる中年主婦・不釣合いな美人と結婚したサラリーマン・幼馴染みの少女の死を引きずる中学教師・まだ小さな息子とふたりで生きてくことを決めた女。いずれも話も雨が絡む。 冷たい雨、スコールのような雨、雷混じりの雨、雪混じりの雨、ポツポツと降る雨。一生懸命生きてるのに、天気まで仕打ちする…。雨のせいではないと分かりつつ、恨めしく空を見上げる。ごくごく普通の生活を送るために頑張っているのに気づけば袋小路に…。 どこかにその分岐点があったはず。「普通」ってのは実に厄介。普通は普遍ではない。状況によって、その姿を変える。 いかにもどこにもいてそうな人が、こぞって“タチが悪く”破綻をきたしていく。読みながら、話の起伏度はちと違うけど山本文緒の描く世界もそうだったなと想起。 人間の心の深い部分に筆先を突き刺していくような筆致。身につまされる、重た~い話をぐいぐい読ませます。それにしても作家先生の❝業❞って、えげつないですわ。決して後味は良くはないけど、ヒリヒリと生々しくリアルな小説を読みたい方にオススメです。

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2017/01/29

男性目線でも、女性目線でも書いてるとこがすごい。性的な描写も両方。 雨のなまえがいちばん個人的にはよかった。 どうしようもない男だけど、仕事は真面目にしてるし、たぶんこんな人いるんだろうな…と思わせる。 実際にこんな人にあたったら嫌だけど、小説の中の人物としては憎めない。

Posted byブクログ

2016/12/24

窪美澄は今年に入って出会った作家さん。 どれを読んでも好きだなあ、っておもう。 他のも読みたい。

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2016/11/27

一話目に出てきた等々力さんが素敵(笑) どの話もモヤっとした気持ちにさせられたけど、つい引き寄せられてしまう。 窪さんワールドだなと思った。

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2016/09/20

雨をモチーフにした短編集。 目を背けたくなる様な人の気持ちに焦点を当てた、窪美澄さんらしいヒリヒリするカンジの作品。 どのお話も気分暗めになりますが、唯一最後のお話だけちょっと救いがありました。

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2016/09/01

よかったのは主婦が高校生に恋をする話。それ以外の短編は微妙だったかな〜。★は3つです。主婦の話で★3つです。窪美澄さんの書く作品は女性視点での物語のほうが好きなのですが、男性視点の作品の方が多いように感じます。ふがいない僕は空を見たの印象が強いからかもしれないです。

Posted byブクログ

2016/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

雨をモチーフに描かれた5つの短編。同著者「ふがいない僕は空を見た」同様、人間の心を描く。「心の闇」とか「人間の暗部」とか安っぽい言葉しか思いつかないけれど、目を背けがちな部分を抜き取って作られる物語に惹かれます。

Posted byブクログ

2016/06/30

雨にまつわる短編集。 どのストーリーも切なさとやるせなさが漂っていた。 すごい狂気を感じたのは『雷放電』かな。 ラストのオチが怖すぎた。 それから、最後の短編はシングルマザーとその息子のストーリーだったんだけど、この短編集に入っているストーリーにしては珍しく最後にすごく希望...

雨にまつわる短編集。 どのストーリーも切なさとやるせなさが漂っていた。 すごい狂気を感じたのは『雷放電』かな。 ラストのオチが怖すぎた。 それから、最後の短編はシングルマザーとその息子のストーリーだったんだけど、この短編集に入っているストーリーにしては珍しく最後にすごく希望があってよかった◎

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2016/04/20

"自問自答しながら、答え無し"の各短編。不甲斐ない、仕方ない、と言えばそうだし、、。曇りのち雨の感の中、どよーん、、とさせられながらも読まされてしまった♪。

Posted byブクログ

2016/02/20

窪美澄らしい、毒の入った短編4編。 一番印象に残ったのは「雷放電」。冴えない男が誰もがうらやむ美しい女を妻とし、幸せな結婚生活を続ける。妻は日 がなけだるそうに過ごし、夫は働きながらその妻の世話をする。低いトーンで語られる物語の結末が実はサスペンスだったことをみじんも感じさせない...

窪美澄らしい、毒の入った短編4編。 一番印象に残ったのは「雷放電」。冴えない男が誰もがうらやむ美しい女を妻とし、幸せな結婚生活を続ける。妻は日 がなけだるそうに過ごし、夫は働きながらその妻の世話をする。低いトーンで語られる物語の結末が実はサスペンスだったことをみじんも感じさせない筆力はさすが。

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