甘いもんでもおひとつ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやぁ素敵なお話でした。 お兄ちゃん!!!いい!! そしてお糸ちゃんも可愛い!! 出てくるお菓子美味しそうすぎる!! しかも春、夏、秋とそれぞれのお菓子が出てくるのがとても良いですね。 お雪さんたち夫婦の子供も気になるし、こりゃシリーズ読みますわ。 とりあえず、その前に甘いもんでもひとつ買ってきます。
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叔父に跡を継げるはずであった和菓子店を追い出された兄、それを追って出て来た弟、二人を軸に美味しそうな和菓子を共にして展開。そこそこで意地の悪さを前面に押し出し、兄弟の店を潰そうとする叔父。最後に理由が明らかになるが、えーそれだけ?子供の時から成長を見ていてそこまで出来る?ただの悪...
叔父に跡を継げるはずであった和菓子店を追い出された兄、それを追って出て来た弟、二人を軸に美味しそうな和菓子を共にして展開。そこそこで意地の悪さを前面に押し出し、兄弟の店を潰そうとする叔父。最後に理由が明らかになるが、えーそれだけ?子供の時から成長を見ていてそこまで出来る?ただの悪い人なだけじゃん。その娘があまり私には好ましく思えなかった。でもその実一番可哀想なのは茂市さんのような気がする。まだ続編があるのですね
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シリーズ第一作。 上菓子屋〈藍千堂〉は、店主で菓子職人・晴太郎(兄)、接客と経理担当の幸次郎(弟)、二人を『坊ちゃま』と立てる職人・茂市の三人で切り盛りしている。 そもそも父の死後、実家である上菓子屋〈百瀬屋〉から兄弟が追い出された理由はなんだったのかということを知りたくて第一...
シリーズ第一作。 上菓子屋〈藍千堂〉は、店主で菓子職人・晴太郎(兄)、接客と経理担当の幸次郎(弟)、二人を『坊ちゃま』と立てる職人・茂市の三人で切り盛りしている。 そもそも父の死後、実家である上菓子屋〈百瀬屋〉から兄弟が追い出された理由はなんだったのかということを知りたくて第一作を読み返してみたのだが、その理由はなかなか出てこないまま話が進む。 田牧さんの作品は匂わせが多いので仕方ないのだが、もっときちんと掘り下げて描いて欲しかったという印象が残る。私の読解力の問題かも知れないが。 先に読んだ第二作では恋する晴太郎の暴走に違和感を感じたのだが、この第一作では幸次郎もまた恋の暴走をしている。お相手はこれまた厄介な人。こうして読みかえすと、よく似た兄弟なのだなと分かる。 第二作同様、幸次郎が突っ走ればお店のピンチになりかねないのだが、晴太郎は寧ろ後押ししている。第二話では伊勢屋総左衛門が後押ししていたのに似ている。 肝心の〈百瀬屋〉の現店主で兄弟の叔父がなぜ兄弟を追い出したのか、その後も何かと〈藍千堂〉に嫌がらせをしてくるのは何故なのかという部分については納得できる部分と出来ない部分があった。 上菓子屋なのになぜ砂糖の品質を落とすのか、自身の腕が兄弟の父には及ばないというのなら、腕利きの職人を雇うなり育てるなりできなかったのか。卑怯な手を使ってまで兄弟を追いつめるという展開ではなくて堂々と菓子作りで勝負するという設定には出来なかったのか。 叶うはずのない幸次郎への恋をしているお糸にしてもいつまでも引っ張るのではなくてサバサバ振り切る展開にはならなかっただろうか。 …などとアラばかり見てしまってなかなか物語の世界に入り込むことが出来なかったのだが、第二話の「氷柱姫」の話は良かった。思いあう不器用な二人の真意とは裏腹に周囲が勝手に事を大きくしていく。旗本という地位であるゆえの窮屈さを乗り越えて、二人が自分達らしい道を行く姿はホッとした。 第二作では彼らのその後が描いてある。だが晴太郎が恋してしまう相手との出会いのきっかけになるのも彼らだった。 年齢的にどうしても彼らの親目線…茂市や総左衛門、少し若い世代だと同心の岡やおろく一家の視点で読んでしまうのだが、彼らにとって晴太郎・幸次郎兄弟は可愛くて厄介で、黙って見守りたいけれど口を出したくてという存在なのだろう。 ただどうにも肝心の兄弟に感情移入出来ないのが厄介で、シリーズ最新作を読むかどうかは微妙。また苛々しそうな気もする。
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菓子舗の兄弟二人を中心とした物語。 父親が作った菓子舗「百瀬屋」を追い出されるようにして出た晴太郎と幸次郎。そして二人に力を貸して自分の店を譲ったのは、父親の弟子だった茂市。 三人で協力し、天才的な菓子職人だった父、清右衛門の味を再現する。 家族の葛藤や、新しい味に格闘する姿...
菓子舗の兄弟二人を中心とした物語。 父親が作った菓子舗「百瀬屋」を追い出されるようにして出た晴太郎と幸次郎。そして二人に力を貸して自分の店を譲ったのは、父親の弟子だった茂市。 三人で協力し、天才的な菓子職人だった父、清右衛門の味を再現する。 家族の葛藤や、新しい味に格闘する姿勢。菓子を介した事件などを6つの事件をテーマに物語られる。 この作家の読み応えのあるストーリー展開は、時折涙も誘うが心地よい季節の流れと美味しそうな工夫のされた和菓子と共に、素敵な時間となる。
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初出 2010〜13年「オール讀物」 読んでいなかった藍千堂シリーズ第1作の6話 こういう人情話好きだなあ。 父が始めた上菓子司「百瀬屋」を、両親の死後叔父に乗っ取られて追い出された晴太郎と幸次郎は、独立していた職人茂市に迎えられて「藍千堂」という小さな菓子屋を始め、父譲りの工...
初出 2010〜13年「オール讀物」 読んでいなかった藍千堂シリーズ第1作の6話 こういう人情話好きだなあ。 父が始めた上菓子司「百瀬屋」を、両親の死後叔父に乗っ取られて追い出された晴太郎と幸次郎は、独立していた職人茂市に迎えられて「藍千堂」という小さな菓子屋を始め、父譲りの工夫と腕で百瀬屋よりきれいで美味しい菓子を作るようになった。 百瀬屋の妨害を乗り越え、八王子まで柏の葉を仕入れに行ったことで人のつながりもでき、誰でも買える四文菓子(一両の千分の一なので60円くらい)の柏餅も作って上菓子と食べ比べてもらうアイディもヒットした。 旗本の縁組みに伴う野点の難しい菓子の誂えを、百瀬屋が蹴って藍千堂に回ってきたのを腕と工夫で旗本の若殿夫婦の信頼を勝ち得る。 百瀬屋の一人娘の婿取りの悪辣な企みを、藍千堂の兄弟にとってはかわいい従妹お糸を助けるために亡父の親友で藍千堂の後ろ盾薬種問屋伊勢屋や奉行所同心の協力を得て、ぶち壊すが、亡父が実の子ではなかったという衝撃の事実が叔父の怒りの元だったと知る。 周りの人を思ういい人たちが、まじめに努力して、困難を克服して幸せになれる、そんな当たり前のことが心にしみる。
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和菓子の魅力がたっぷり詰まった本。 季節の折々の風物、花鳥風月を感じ、心の機敏を汲んで創られる和菓子。 視覚で楽しみ、味覚で感じる季節を凝縮させたちいさな世界。想像しては、その美しさ、美味しさにうっとりする。 『藍千堂』の和菓子をおひとつ頂けば、幸せな気持ちになるのでしょう。あ~...
和菓子の魅力がたっぷり詰まった本。 季節の折々の風物、花鳥風月を感じ、心の機敏を汲んで創られる和菓子。 視覚で楽しみ、味覚で感じる季節を凝縮させたちいさな世界。想像しては、その美しさ、美味しさにうっとりする。 『藍千堂』の和菓子をおひとつ頂けば、幸せな気持ちになるのでしょう。あ~頂きたい。 章扉のいせ辰の紋様も美しく、次章の導入に話に引き込まれていく。 江戸の情緒、人情、生活を垣間見られ、甘い和菓子を戴いたような、ほっこりするお話でした。 江戸時代、今よりもっと生活の中に季節を感じられたのでしょう。 せめて和菓子を戴いて季節を感じたい。
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美味しい和菓子を食べたいです。作りたてとなるとやっぱり誂えものなんでしょうけど、近くのスーパーに出ているお菓子屋さん覗いてこようかなぁ お茶のお稽古で頂くのも美味しいとは思ってたけれど、あらためて、職人さんは感性と技を磨いている事、小説とは言えうかがえます。お値段そこそこするわけ...
美味しい和菓子を食べたいです。作りたてとなるとやっぱり誂えものなんでしょうけど、近くのスーパーに出ているお菓子屋さん覗いてこようかなぁ お茶のお稽古で頂くのも美味しいとは思ってたけれど、あらためて、職人さんは感性と技を磨いている事、小説とは言えうかがえます。お値段そこそこするわけだわ。
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江戸が舞台の話で、読みやすい。 全体で繋がっており、各話ごとに何かが起こる。そして、何か良い感じで話が進んでいく。安心して気楽に読める。 正月あたりに読んで和菓子が食べたくなったので近くの店で買ってきて食べたら美味かった(本とほとんど関係無いが)。
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表紙も美しいですが、とにかく目を惹くのは章ごとの中扉に使われている千代紙のような綺麗な和柄の装丁です。お話は両親の死後、叔父に和菓子店を追い出された兄弟が嫌がらせにも負けじと頑張るちょっとみをつくし料理帖を思い浮かべるようなお話でした。兄弟の役割分担のしっかりしているところや根本...
表紙も美しいですが、とにかく目を惹くのは章ごとの中扉に使われている千代紙のような綺麗な和柄の装丁です。お話は両親の死後、叔父に和菓子店を追い出された兄弟が嫌がらせにも負けじと頑張るちょっとみをつくし料理帖を思い浮かべるようなお話でした。兄弟の役割分担のしっかりしているところや根本でお互いを信じわかりきっているところが素敵です。ここぞというときに助けてくれる脇役の存在も良かったです。少し薄めですがこれでお終いなのはちょっと勿体ない気がします。続編は書かれないのかしら?この先の藍千堂も見てみたいです。
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人の気持ちを和ませる、季節感を程よく感じさせるそんな和菓子が想像できた。私は口下手だけど真摯に和菓子に向き合う晴太郎が好き。でも、幸次郎、茂市さんはじめ、登場する人物がみんなそれぞれ味があって素敵。まだまだ、晴太郎さんの考えるお菓子を感じてみたい。次の話が出ないかな・・・
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