残酷な王と悲しみの王妃 の商品レビュー
15世紀~17世紀ごろのヨーロッパの凄惨で劇的な生涯をすごした人たちを、絵画を辿りながらどんな人物だったか、どんな人生を歩んだか解き進めていく本。 凄惨な話はなぜこうも人を惹きつけるのか。 読みやすい文章と、全体の構成も流れを汲んでいるので、あっという間に読み終えてしまいました...
15世紀~17世紀ごろのヨーロッパの凄惨で劇的な生涯をすごした人たちを、絵画を辿りながらどんな人物だったか、どんな人生を歩んだか解き進めていく本。 凄惨な話はなぜこうも人を惹きつけるのか。 読みやすい文章と、全体の構成も流れを汲んでいるので、あっという間に読み終えてしまいました。 謀略や裏切りなど血なまぐさい話がつきものの王室ですが、こんなにひどかったとは・・・。 世界史を避けてきた身としては、年表や系譜などの知識が抜けている分、面白さが半減してしまったのかと思うと悔しい。 でもこの頃の女性は日本でもそうだけど、子供を産む道具としてでしか見られないことが多いから、相当なプレッシャーだったんでしょうね。 子供を産んでも自分やその子供が殺されてしまうかもしれないという恐怖・・・。 といっても、現代の尺度でしか考えられない私より、もしかしたら彼女たちは相当タフだったのかもしれないいけど・・・。 その女性の運命を決めてしまう非道な王様たちも、いろんなタイプがいて、本当にろくでなしの人間もいれば、過去の生い立ちが一生ついて回ってしまう人など、王様側の視点でも見れるのが面白いですね。 なんとな~く歴史が学べる本。 まるでどこかのテレビ番組みたいだねww
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中野京子さんの著書を2冊続けて読みました。若干業務も入っておりますが。いやはや怖いです。「怖い絵」は見た目だけではないその絵が描かれた背景が怖い。「残酷な王と悲しみの王妃」はヨーロッパの王の信じがたい残酷さと凄惨な事件が怖い。 しかし一番怖いのはこういう話を淡々と調べあげて本にま...
中野京子さんの著書を2冊続けて読みました。若干業務も入っておりますが。いやはや怖いです。「怖い絵」は見た目だけではないその絵が描かれた背景が怖い。「残酷な王と悲しみの王妃」はヨーロッパの王の信じがたい残酷さと凄惨な事件が怖い。 しかし一番怖いのはこういう話を淡々と調べあげて本にまとめ続けている中野さんかも…。
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絵画の本かと思いきや、絵画を導入部とした様々な国の王族の話。なかなか面白く、通勤途中とかに読むには良いんじゃないでしょうか。 個人的にはイワン雷帝とアン・ブーリンの章が良かった。今の感覚から読むと兎に角グロテスクなんだが、これが人間の歴史かと。 それにしてもベラスケスって凄い画家...
絵画の本かと思いきや、絵画を導入部とした様々な国の王族の話。なかなか面白く、通勤途中とかに読むには良いんじゃないでしょうか。 個人的にはイワン雷帝とアン・ブーリンの章が良かった。今の感覚から読むと兎に角グロテスクなんだが、これが人間の歴史かと。 それにしてもベラスケスって凄い画家であることが、同時に読んでいた本と合わせて再認識。プラドに一度行ってみたいものですわ。
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作者が作者だけに、ずばずばっと切り口が面白い。 あっという間に読み終わってしまった。 これらの時代生まれなくてよかった・・・(;^ω^)
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書店のナツイチ・フェアで見つけ、書名に惹かれ読み、堪能しました。別のカドフェスで「怖い絵」を買っていたので同著者の本をとりあえず買っていたら、こちらの方が面白かった。 アン・ブーリンは映画などで著名だけど、ゾフィ・ドロテアとかイワン雷帝については無知だったので、魅力的な人物を知れ...
書店のナツイチ・フェアで見つけ、書名に惹かれ読み、堪能しました。別のカドフェスで「怖い絵」を買っていたので同著者の本をとりあえず買っていたら、こちらの方が面白かった。 アン・ブーリンは映画などで著名だけど、ゾフィ・ドロテアとかイワン雷帝については無知だったので、魅力的な人物を知れて満喫しました。
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メアリー・スチュアートとエリザベス1世、歴史上の勝者は後者だったが、果たして一人の人間としてはどうだったか…。長年の謎が、すっきりと氷解した!マルガリータは幸せな王女だったのか?絵の中に閉じ込められた不思議を、深い歴史と共に紐解ける、興味深い一冊でした。
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面白かったー。絵画とか世界史をこんなにわかりやすく解説してくれる本に出会えてよかった。取り上げられているのは5人だが、その人物を通して、多少なりとも歴史がわかる。
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世界史だけはどうしてもできなかったわたしが中野女史の本はとても面白く読めるのは彼女の筆力ゆえ?今回もわかりやすくさくさく読めました。ただの壁に掛けられた絵が生々しく動き出す瞬間は毎回ぞわざわします。しかし女性に対する肩入れ具合を見ているとなかなか女史自身も生きづらい方なのではとい...
世界史だけはどうしてもできなかったわたしが中野女史の本はとても面白く読めるのは彼女の筆力ゆえ?今回もわかりやすくさくさく読めました。ただの壁に掛けられた絵が生々しく動き出す瞬間は毎回ぞわざわします。しかし女性に対する肩入れ具合を見ているとなかなか女史自身も生きづらい方なのではといらん心配をしてしまう…
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中野京子氏の語り口は独特で、歴史上の人物に対する感情がはっきりと伝わってくる。 時に自分の抱く像とは異なり、反発を覚えつつも、 新しい切り口に興味を覚える気持ちのほうが勝る。 ベラスケスの絵にのこされたマルガレーテ王女など、歴史上であまり有名ではない人物が、動きを伴って見えてき...
中野京子氏の語り口は独特で、歴史上の人物に対する感情がはっきりと伝わってくる。 時に自分の抱く像とは異なり、反発を覚えつつも、 新しい切り口に興味を覚える気持ちのほうが勝る。 ベラスケスの絵にのこされたマルガレーテ王女など、歴史上であまり有名ではない人物が、動きを伴って見えてきたり、とても楽しんで読んだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「怖い絵」シリーズが面白かったので借りた本。 中野京子さんの文体は切れ味が良く、読みやすい。 学生時代は世界史にそれほど興味がなく、いい加減にしか勉強してこなかったのに、何度も読み返してしまう。 スコットランド女王でエリザベス一世と覇権を争った メアリー・スチュワート ベラスケス作『ラス・メニーナス』で描かれたスペインハプスブルク家の幼い王女マルガリータ・テレサ 「怖い絵」にも出てきた、皇帝による世継ぎの息子殺しの生々しい殺人現場を描いた、 イリヤ・レーピン作『イワン雷帝とその息子』 (なんでこんな怖い事件を絵の題材に選ぶのかと思いつつ、実は一番惹かれた) なぜロシア皇帝がこのような取り返しのつかない事件を引き起こすに至ったのかを詳しく解説した、 イワン雷帝の七人の王妃 ジョージ一世の妃であるゾフィア・ドロテア妃は 32年もの間、夫に死ぬまで幽閉された。 ヘンリーハ世の二番目の王妃アン・ブーリン 彼女は後にエリザベス一世となる女児を生んだが、 正嫡の男児を望むヘンリーハ世の期待に応えられなかった為に夫によって濡れ衣を着せられ斬首されている。 彼女は映画『ブーリン家の姉妹』でも有名な悪女とされているがどう考えてもヘンリーハ世の身勝手さや無慈悲さの方が目立つ気がする。 前王妃キャサリンとの離婚に反対するヴァチカンを切り捨て、英国国教会を設立という宗教改革をしてまで アン・ブーリンを手に入れたかったのだろうが、 すぐにそれは憎しみに変わる。 母親が処刑され、一時は庶子に格下げされた苦労が あったたからこそ、エリザベス一世の慎重で冷徹なリアリストの性格が形成されたのかもしれない。 きな臭くて、うんざりする程血腥い西洋史だが、 他にもメディチ家やハプスブルク家など興味は尽きない。
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