単純な脳、複雑な「私」 の商品レビュー
武田さんからのおすすめ本でのメモ/ アガサクリスティの小説 生涯に長編小説は何冊でしょう? 正解は.. 脳は思いでを都合の良いように記憶を置き換えてしまう。 脳の不思議。幽体離脱を脳科学で説明。 例えば、 一流のサッカー選手は俯瞰で自分を見下ろす能力がある。 脳死は人間の...
武田さんからのおすすめ本でのメモ/ アガサクリスティの小説 生涯に長編小説は何冊でしょう? 正解は.. 脳は思いでを都合の良いように記憶を置き換えてしまう。 脳の不思議。幽体離脱を脳科学で説明。 例えば、 一流のサッカー選手は俯瞰で自分を見下ろす能力がある。 脳死は人間の死ではない/ 脳(認知)と身体の行動はズレている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前著『進化しすぎた脳』に続いて読了。みんなにおすすめしたい数少ない本。 自由意志→アイデアにつながる話に驚愕しながらもぴんときた。 手を動かそうと意図したときには、脳はすでに動かす準備を始めている。場合によっては7秒前に。脳を見ると本人より先に本人の行動がわかってしまう。 では、自由意志は存在しないのか。少なくとも「自由否定」は存在すると著者は言う。 手を動かすとき脳活動と認知のレベルは次の順番で起こる。 準備(脳)→動かそう(意図)→動いた(知覚)→指令(脳) 準備から行動までは1秒以上かかる。行動したくなるより行動することの方が必ず遅い。その行動をしないことにすることが可能な「執行猶予」の時間だ。 行動しない自由が人間にある。 日常でも自由否定の考えは重要だ。 アイデアは絞るものではなく、自然に湧いてくるもの,(cf〈「ひらめきは寝て待て」は本当〉p80)。「僕らにできるのは、自動的に脳から発生してきたアイデアを自由否定するかどうか、つまり、採用するか不採用にするかだけだ。そこにしか僕らの選択の余地はない」p310 この話が最近個人的にすすめている「考えずに考える」取り組みにつながった。最近は浮かんできたアイデアをToDoアプリに入れて自分にリマインドするようにしている。そうすると無意識にそのことを考えていて、新たなアイデアが生まれる。しかるべきときに採用することもできる。脳科学的に正しかったのかな、ほえーとなった。
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受講を希望した高校生の中から抽選で選ばれた男子9名が春休み中の3日間で特別授業として受けた講義録に加筆修正したのが本書。10代の学生相手だが、話は相当にディープな部分まで入り込んでいくので大人も存分に楽しめる内容だ。色々と衝撃的な事柄が登場するが、自分が特に印象に残ったのは、ピン...
受講を希望した高校生の中から抽選で選ばれた男子9名が春休み中の3日間で特別授業として受けた講義録に加筆修正したのが本書。10代の学生相手だが、話は相当にディープな部分まで入り込んでいくので大人も存分に楽しめる内容だ。色々と衝撃的な事柄が登場するが、自分が特に印象に残ったのは、ピンクの斑点、逆さメガネの世界にもやがて順応してしまって僕らが知覚している正しい世界って何なのかという話、指令よりも先に行動している話の3つだ。特に一番最後は衝撃で、何度も繰り返し読んだが未だに信じられない。おったまげである。まだまだ未知なことも多い分野だが、同時に相当に解明が進んでいる分野でもある。あとがきに著者のアウトリーチ活動に関する思いの吐露もあり、色々な意見や考えもある中、このような企画が実現し書籍化されて自分が読めたことは本当に幸運だと有り難く思う。背表紙にある竹内薫さんの紹介文「脳に関する本はあまたあるが、これだけ勉強になり、かつ遊べる本も珍しい」に自分も激しく同意する。
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途中少し飽きが来たけれども、最後の数十ページは震えるほど素晴らしかった! 脳科学から広がる、哲学、社会学、生物学、数学、心理学の世界、そして、リカージョンを起こす私たちの脳。 脳はどんな仕組みかしらと考えたときに、私たちは道具として、対象の脳を使っていること。驚きだったのは、こう...
途中少し飽きが来たけれども、最後の数十ページは震えるほど素晴らしかった! 脳科学から広がる、哲学、社会学、生物学、数学、心理学の世界、そして、リカージョンを起こす私たちの脳。 脳はどんな仕組みかしらと考えたときに、私たちは道具として、対象の脳を使っていること。驚きだったのは、こう動こうと言う前に実は脳の中にはその準備が既に始まった後ということ。 こうすると、私が考えて体を動かす自由とは、自由意志とはなんだ?と思えてきて、とても不思議な世界へと引き込まれた。 この答えのない事象を持てるツールで探求していくことが、科学と研究の素晴らしさであって、著者の方は一部世の中から研究外活動を批判されていても、この研究について伝えてくれて、なんてありがたいことなんだろう!と、読者としては思いました。
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脳の構造が生み出す揺らぎ、その揺らぎによって形成される心、脳科学のリカージョン 性が生む終わりのないプロセスと無限のプロセスを味わえる脳科学の喜び。一般人も脳科学の魅力を体感できる開かれたサイエンス著作です。
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直感は人生経験によって磨かれる 自由は未来ではなく過去にあるもの 脳は身体を通して心を見つけた など、 最近色々考えていた事に対して 思いがけない形の答えをもらえた本でした。 とは言え、脳の中のことだけに目を向けるのではなく 思考がどうなろうと 無意識がどうあろう...
直感は人生経験によって磨かれる 自由は未来ではなく過去にあるもの 脳は身体を通して心を見つけた など、 最近色々考えていた事に対して 思いがけない形の答えをもらえた本でした。 とは言え、脳の中のことだけに目を向けるのではなく 思考がどうなろうと 無意識がどうあろうと 最後は目の前の現実をしっかり見て 判断して進んで行くことが大事なんだと そんな風に思える内容でした。 子どもがもう少し大きくなったら 勧めたいなと思います。
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要点 1 脳の無意識の作用は強烈だ。ものごとの正しさや好き・嫌いを判断するとき、知らず知らずのうちにこれまでの経験や環境の影響を巻き込んでしまっている。しかも、私たちはそれに気づけない。 要点 2 自らの意志で自由に判断、行動しているつもりでも、実は行動しようと思う前に、脳が...
要点 1 脳の無意識の作用は強烈だ。ものごとの正しさや好き・嫌いを判断するとき、知らず知らずのうちにこれまでの経験や環境の影響を巻き込んでしまっている。しかも、私たちはそれに気づけない。 要点 2 自らの意志で自由に判断、行動しているつもりでも、実は行動しようと思う前に、脳がすでに動く準備を行っている。「自由」は行動よりも前に存在するのではなくて、行動の結果もたらされるものだ。 要点 3 「意志」や「意図」は、簡素なルールに従って創発されているだけなのではないか。 似たようなことは人間の世界でもよく起こる。たとえば他人への気遣い。ある人は気がつけるけど、ある人は気づけない。気がつける人にとっては「なぜこんなことにも気がつかないのだろう」といぶかしく思ってしまうが、気がつかない人はそもそも「それが存在しない」世界に生きているから、自分がどれほど気づいていないか、にすら気がつけないのだ。だから、隣にいる人と同じ物を見ても、それを同じように感知しているかどうかの保証は、まったくない。 正しさの基準は「慣れ」の問題に帰着し、正しさの信念は、結局記憶から生まれる。この世には絶対的な「正しい」・「間違い」の基準はなく、その環境により長く暮らし、その世界のルールにどれほど深く順応しているかどうかが、脳にとっては重要だ。 もう一歩踏み込めば、「正しい」というのは「それが自分にとって心地いいことかどうか」、つまり「それが好きかどうか」で変わってくる。好き、嫌いは環境にも大きく左右される。たとえば、何度も見かけた物は好きになりがちで、反復提示によって好みが操作されうることがすでに分かっている。また、意識にはっきりとのぼる理由がないままに、むしろ周りの状況を引き込みつつ、好きになったり嫌いになったりもする。たとえば、「あなたは人生に楽観的ですか?悲観的ですか?」という質問をすると、雨の日より晴れの日のほうが楽観的な答えが返ってくる傾向があるのだ。
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私が思ってた「脳」ではなかった! 意識の曖昧さ、無意識の凄さ。 例えば、行動の理由は実は後付けだったり 文字を見るだけで、何が書いてあるか理解していなくても、行動に移せたり。 そうすると、多くのことを自分で決めているつもりだけれど実はそうではないのだろう。 習慣や育ち、文化で...
私が思ってた「脳」ではなかった! 意識の曖昧さ、無意識の凄さ。 例えば、行動の理由は実は後付けだったり 文字を見るだけで、何が書いてあるか理解していなくても、行動に移せたり。 そうすると、多くのことを自分で決めているつもりだけれど実はそうではないのだろう。 習慣や育ち、文化で人の行動は決まる。 非常に面白い1冊。
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凄かった これは名著 進化しすぎた脳から5年 内容よりも、筆者の人間的な柔らかさが好ましい 成長を感じる!
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進化しすぎた脳の続き これもまた意外な事実が詰まっている 特に印象的だったのは ・意識するより前に脳は行動の準備をしている ・脳は常に予測している ということ これもまた読みやすく入門者向けだ
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