もしもし、還る。 の商品レビュー
ある日、目覚めると砂漠のど真ん中。 砂漠のど真ん中に降ってきた電話ボックスに入る事は出来るけど、外に出ると砂になる。 何かの事件に巻き込まれたのか、誰の仕業なのか。 砂漠は死後の世界なのか、生と死の狭間なのか。 砂漠での出来事と砂漠に来る前の出来事が行き来して描かれてるんだけど、...
ある日、目覚めると砂漠のど真ん中。 砂漠のど真ん中に降ってきた電話ボックスに入る事は出来るけど、外に出ると砂になる。 何かの事件に巻き込まれたのか、誰の仕業なのか。 砂漠は死後の世界なのか、生と死の狭間なのか。 砂漠での出来事と砂漠に来る前の出来事が行き来して描かれてるんだけど、至る所に伏線が散りばめられてるので、後半の伏線回収になるほどなあと。言ってる事を理解する事は出来るんだけど、何が何処で伏線回収されてるのか一度読んだだけでは混乱するので、理解するまでに時間がかかる。 現在から過去に戻っても過去の出来事を精算する事は出来ないし、何をしたところで後悔と失敗は繰り返すものなんだなあと。救われるなら良いけど、余計に不幸を呼ぶ可能性があるなら現在の世界で頑張るしかないんだと思う。 出てくる人達の性格がみんな歪んでる気がして、何だか誰にも共感する事が出来なかったんだけど、生きる希望も愛も何もなかったシロさんが砂漠の世界を経験して、愛を見付けられたのは良かった。どうか幸せになってほしいと思う。
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読んでいる途中にレビューを見て、『なんだかぼやっとした読後感』と言っている人が多かったから不安だったけど私は『ぼやっ』がよかった。 SF小説丸出しのくせしてエンタメだけじゃない感じ。親とわだかまりを抱えている身として、主人公には感情移入してしまいました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スリリングな展開や、少し不思議のSF設定、ミステリー仕立ての流れが良かった。 電話ボックスが不気味で超時空的なモチーフとして効果的。スマホや携帯、パソコンでは、この回顧と現代が交錯する切なさは出ない。 エンディングが「生」と「死」どちらに転ぶかで、この作品が駄作になるか良作になるか決まる、と思って読んでいた。 全体に立ち込めるペシミスト、アイロニー、空虚感から、「生」でないことを願いながら読んだ。「生きる希望を見出して前を向く」結末なら、あまりに陳腐で三文芝居。だか、そこはある程度期待通りでよかった。多少予測のつく結末でありながら、表現は退屈にはならず、まぁまぁよい。 気になったのは人物像。もう少し深みのある描写をしてほしかった。 年齢や「セックスフレンド」の設定、デートのシーンや会話の端々…それらが短絡的で、エンタメ小説のチープさを感じて興醒めさせる。 描写されていないバックボーンまで想像を膨らませ、登場人物それぞれに自分の過去を重ね合わせられるような描き方があればなお良かった。 伏線は右往左往に撒き散らしてあるのを回収するので、何度も読み返した。それはマイナス点ではなく、星と星を繋ぎ合わせて浮かび上がる星座のような構成で楽しめた。 忘れた頃にまた読みたい。
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砂漠に電話BOXが落ちてきて中に入ったら電話BOXから出た部分は出ると砂になってしまう。持っている小銭の発行年の年に電話が繋がる。最後まで不思議でよくわからんかった話
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先の読めない展開、幾重にも張り巡らされた伏線と複雑な構成は他の作品と同様。 しかし、導入から暗い雰囲気なのもいつもの通りだが、そこからの解放がうまくいってないように感じる。 事実が明らかになる度に重苦しくなっていき、それでもラストにはきっとと思っていたが、ラストの描写がはっきり...
先の読めない展開、幾重にも張り巡らされた伏線と複雑な構成は他の作品と同様。 しかし、導入から暗い雰囲気なのもいつもの通りだが、そこからの解放がうまくいってないように感じる。 事実が明らかになる度に重苦しくなっていき、それでもラストにはきっとと思っていたが、ラストの描写がはっきりしないのだ。 物語の一つの主眼が「生を選ぶかどうか」だったから、あの結末が一つの答えになっているのは理解できる。 それでも、登場人物たちのその後は気になってしまうものだ。 本作の大森望の解説で気づいたが、私は白川三兎の作品に登場する女性キャラクターが好きだ。 自分の信じるものがどんと自分の中心にあって自立しており、それでいて上手に人に甘えられるような人。 本作のキリも同様。 好きになったキャラクターには幸せになってもらいたい。 本作は惜しかったが、白川三兎の作品も4作目の読了となった。 作風もつかめて好きな作家の仲間入り。 まだ単行本でしか出ていない作品が多いみたいだが、読み進めていきたい。
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ちょっと待て。もう一回読み返さないとしっかりとした感想が述べられないぞ。 決して解り難くて面白くないって訳じゃない。 私個人の好みだけど『ばら撒かれた布石が終盤に連鎖反応的に一気につながる衝撃』ってのがケタ違いに込められている気配はプンプンするんですが、布石のばら撒き方が時間軸を...
ちょっと待て。もう一回読み返さないとしっかりとした感想が述べられないぞ。 決して解り難くて面白くないって訳じゃない。 私個人の好みだけど『ばら撒かれた布石が終盤に連鎖反応的に一気につながる衝撃』ってのがケタ違いに込められている気配はプンプンするんですが、布石のばら撒き方が時間軸を超えて彼方此方にあり過ぎて一読では拾い切れん。 先ず、一読目はこんな感じ。でも近々2回目を読みたくなる一作です。
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砂漠で目覚めても奇妙に動じないドライな二十八歳の志朗の元へ更に電話ボックスが降って来るシュールさ。砂になってしまう為ボックスの外に出られず、大学時代からのセフレとの日常の傍ら明らかになる過去の殺人や過去との通話含め謎だらけの状況に引き込まれたものの、終盤は生きたさにも上手く乗れず...
砂漠で目覚めても奇妙に動じないドライな二十八歳の志朗の元へ更に電話ボックスが降って来るシュールさ。砂になってしまう為ボックスの外に出られず、大学時代からのセフレとの日常の傍ら明らかになる過去の殺人や過去との通話含め謎だらけの状況に引き込まれたものの、終盤は生きたさにも上手く乗れずよくわからなかった。
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中盤くらいまではテンポも良くて面白く読めたんだけど最後の方はなんだかごちゃごちゃしてわかりにくかったなぁ。 自分に理解力がないせいかわからないけど。 ただ幸せを幸せだと感じることの出来ないシロはなんだか可哀想だと思った。でもキリと出会えてやっとほんとうの幸せに気付く事が出来てよか...
中盤くらいまではテンポも良くて面白く読めたんだけど最後の方はなんだかごちゃごちゃしてわかりにくかったなぁ。 自分に理解力がないせいかわからないけど。 ただ幸せを幸せだと感じることの出来ないシロはなんだか可哀想だと思った。でもキリと出会えてやっとほんとうの幸せに気付く事が出来てよかった。
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ジャンル分けしづらく 人にも勧めづらい だけど売り払わず手元に置いてる自分 もう一度読みたいと思っているのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
白河三兎らしいなぁと読み始めての印象だったが、読了後はちょっと残念だったかなぁ。投げっぱなしになってる謎がいくつかあって(俺に読み解けなかっただけかもしれないけど)もうちょっと丁寧に俺みたいなんにでも分かるように、細かめに描いて欲しかった。 この本を読む前のリアル話だが、親の愛情を受けない子供って結構たくさんいるっていう現実を受け入れるが難しかった。「親や大人が俺を愛してくれない」なんてのは、思春期の思い込みだと香ばしいというか甘酸っぱいのだが、現実に「子供を愛せない」とか「親から愛されてない」となると、実にツラい。「そんなら産むなや」というのは外野としては簡単なんだけど、そんな単純じゃない人らも大勢いたりする。しかも虐待とか育児放棄とか、そういう明らかに保護を要する状態じゃなく、暴力も受けないし衣食住はそれなりにケアしてもらっている、が愛されていないって子もおるみたいで、そういうの目に見えない分やっかいである。 じゃぁどうしたらいいのか?なんて解決策は出てこない。愛せないものを愛する方法を知ってるなら、恋愛とか思いのままってことになるわけだし、そんな器用な便利なテクニック持ち合わせてないし… 自分の子供が可愛くて、まぁまぁ人並みに心をこめて育ててこれたことが、すごく幸せだったんだと、この本を読んで改めて感謝できた次第。
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