新参者 の商品レビュー

東野圭吾(著者)

2023/10/11

下町と加賀が織りなす数々の粋な描写に心を打たれた。

短編ものよりも一編の長編の方が物語に深みがあり好みだが、この作品は物語の本筋とは関係ないが気付くと心打たれるような伏線が多く潜んでおりら飽きずに最後まで楽しめた。

店の中で風鈴派のおばあちゃんとエアコン派の息子夫婦が揉める描写があるが、その後別ストーリーにて同店の感動シーンの背後で『風鈴がちりんと揺れた』の描写があまりにも粋で印象に残った。

2023/10/01

加賀恭一郎シリーズ第一段！
最初は短編集かと思い読み進めると一つの事件を様々な側面から観察するミステリー作品だった。
人情味と複雑に絡み合う人間関係が上手く描かれ
最後は感動も待ち受けており楽しく一気に読めた！

2023/09/24

小伝馬町で絞殺された女性。その捜査の過程を、短編集的にまとめている。一見、無関係に見える人物たち。だが、捜査が進むにつれて、各物語が繋がって行く。

事件によって傷ついた心をも救おうとする、人情に厚い加賀の優しさがあちこちに溢れていて、加賀シリーズは他と一味違うなと改めて感じた( ˙꒳​˙)

最初、読み始めた時はただの短編集だと思っていたけど、そうじゃなかった。真相に行き着かず次のストーリーが始まるので、なるほど…捜査の過程を短編で括っているのかと気付いた。

ガツガツしていない穏和な雰囲気なのに、鋭い慧眼と行動力がある。今までの加賀シリーズから、そんな印象があったけれど、今回はいつも以上に人情を感じて、とても良かった。

次作も楽しみだ( *¯ ꒳¯*)

2023/09/18

久しぶりの東野圭吾。

題名が冴えないのでどんなもんかと思って読み始めた。少し作りすぎているきらいはあるが、イヤハヤ素晴らしい作品でした。

一つの殺人事件の捜査の中で、小さな矛盾や謎が加賀の地道な聞き込みで小気味よく解けていく。ただ犯人と動機だけは全くわからないまま物語は進んでいく。

人の優しさや人情に溢れるエピソードの積み重ねに、一体どうやって犯人検挙という落とし前をつけるのだろうと思っていたが、見事に最後には回収される。加賀の捜査は真に見事の一言に尽きる。

最後の最後で上杉刑事にも活躍の場が与えられて物語に余韻と深みをもたらしている。

2023/09/10

殺人事件に、意図せず関わってしまった人々の心も救ってくれるような加賀の言葉、思いに胸が熱くなる。
舞台が小伝馬町とか人形町というからか、なんとなく時代物の捕物帖のような人情物の雰囲気も感じられた（私だけかな？）。
この作品、シリーズ中一番好きな作品でした。

2023/09/10

事件とは全く関係なさそうなエピソードが続き、事件解決の糸口が見えないまま読み進めるがさすが東野圭吾！　後半でしっかり回収していく鮮やかさがお見事でした。

2023/09/02

殺人事件を解決する話だけど調べて行くうちにたくさんの人情溢れるストーリーがあり、さらにはそれが繋がっていてほんとに面白かった。
悲しい話ではあるけどすごくあったかい。

2023/08/31

【加賀恭一郎シリーズ８】

面白かった！
シリーズ第１弾「卒業」から、どんどんプロットが洗練されている。

加賀は日本橋署に転勤となり「新参者です」と挨拶する。江戸風情を残す人形町、小伝馬町界隈。
江戸っ子気質…粋でいなせ、人情に厚く、短気で意地っ張り。一度口にしたことを撤回しないし、口も堅い。

一人暮らしの女性:ミツイミネコが絞殺された。輪郭だけしかなかったその女性が、だんだんとハッキリ姿を現した。
加賀が商店街の人たちから話を引き出し、小さな謎を解き明かしていく。
三井峯子を殺したのは誰か？

2023/08/24

加賀シリーズの中でもお気に入り。
下町の個性ある人々の些細な問題を解決しつつ、実は本件の解決繋がっている。
加賀さんの人柄の良さや、それぞれの人間味あるお話しが楽しかった。

2023/08/11

日本橋で女性が殺された。
着任したばかりの加賀恭一郎刑事が、街に暮らす人々に聞き周り、事件の現場に残された手がかりをもとに聞き込みを行っていく。煎餅屋、料亭、瀬戸ものや、時計屋など現場近くの店を周り、そこに潜む嘘や本音を暴いていく。加賀刑事の人に対する優しさや、真実を見抜く洞察力に驚かされる。話も1話ずつその店の内情など事件と関係ないようなことから手がかりに繋げていく刑事の執念はすごい。2023年8月11日読了。