新参者 の商品レビュー

東野圭吾(著者)

2013/08/22

これぞ、加賀恭一郎！と言うお話でした。
小伝馬町で殺害されたひとりの女性の死の謎と、その下町で生きる人たちの人情を加賀恭一郎が解きほぐして行く。

「瀬戸物屋の嫁」では、舅と嫁の一見相いれないながらも、実は不器用ながらもお互いを思いやっていることを確認する。
「洋菓子屋の店員」では、被害者の女性とその店員との勘違いから来る、心温まる関係にほっこりしたり。
そして、被害者と息子との関係。母と言うのは、どんな関係になったとしても子供の幸せをいつまでも、願うものなんですね。

被害者の女性が亡くなったことは悲しいかもしれませんが、下町の人たちの思いやりに救われてきたと思いたいです。被害者と下町の人のやりとりをみて、人はお互いを直に思いやることで、信頼関係を築くことが出来るんだなと思いました。ネットの世界にはない温かさを感じました。

日本橋の人の人情に触れるうちに、日本橋を散策したい気持ちになりました。

「事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です」

やっぱり、加賀恭一郎はカッコいいですね～

これで、加賀恭一郎シリーズも、全巻読破です。最初に読んだのが麒麟の翼なので。容疑者側の証人として、出廷したのが所轄に出るきっかけになったと言うのは、当然、「眠りの森」のあの人のことですよね。

2013/08/22

東野圭吾の「加賀恭一郎」シリーズは「ガリレオ」シリーズに比べるとイマイチだと思ってたけど、これは傑作！

何が面白いか。
物語が単に事件を解決するだけでなく（事件自体はむしろ単純）捜査線上に浮かんでくる人やモノにまつわる事件とは無関係そうなアナザーストーリーのひとつひとつが魅力的で、それらが最後にはひとつに収束していく。。
こういうの大好きです！(≧∇≦)
思わず、おおーっと唸ってしまいました。

さすが上手いね！東野さん！

2013/08/20

東野圭吾の新参者を読みました。
悪意にも登場した加賀恭一郎が主人公の推理小説でした。

日本橋署に配属された加賀は中年女性の殺人事件の捜査のために、日本橋浜町水天宮界隈の住人たちを訪ねます。
それぞれの家の中の小さな秘密、そしてそれを解決していく加賀。
それらを解決していく先に、殺人事件の真相が現れてくるのでした。

謎解きも面白かったのですが、例えば「瀬戸物屋の嫁」のように下町に生きる人々が暖かく描かれているのが気に入りました。

2013/08/20

日本橋の片隅で一人の女性の絞殺したいが発見された。
日本橋署に着任したばかりの加賀恭一郎は、江戸情緒溢れる街で聞き込みを開始する。
そこで出会う人々と、その人たちに関わる小さな謎やしがらみを解しながら、一歩ずつ事件の真相に近付いていく。

2013年8月20日読了。
９つの章に分かれていて、そのひとつひとつの主人公は街の人々。
彼らの生活の中に、加賀が聞き込みにやってくるという設定で物語が進んでいきます。
加賀の聞き込みは、主人公たちにとって、的を得ていないように感じるものばかり。
それおもそのはず。加賀の疑問は事件に関することだけではなく、それぞれの家庭にある小さな棘のような謎も含まれるから。
事件の真相に近付く中で、加賀がそれらを紐解いていく課程がなんとも心温まる逸話に仕上がっています。
連作短編集のような作りになっているので、長編が苦手な人にもオススメできますね。

2013/08/20

今回も読ませてくれたねえ。斬新な展開、様々な人間模様、様々な愛情の形、それはもう多くの要素をてんこ盛りで、しかもそれらを無理なく物語の形にする。さすがの東野、と感嘆した。

2013/08/18

ドラマを見てから、加賀恭一郎の最初の事件から読もうと「卒業」から読み始めて、ようやく「新参者」にたどりついた。

日本橋人形町に着任した加賀刑事
町内の小さな出来事を解決しつつ、殺人事件の真相に迫っていく構成が面白い。人情味あふれる物語は、著者らしい。

ガリレオも最近は論理よりも情理に傾いているが、自分としてはこちらの方が好ましい。

2013/08/18

事件自体のトリックや動機には複雑性はない。
しかし事件の真相にたどり着くまでに描かれた、日本橋界隈の下町人間ドラマに魅了された。

約5年に渡って書き上げられた作品中の登場人物の描写はとてもしっかりしていた。
加賀の鋭い洞察力と行動力によって、事件だけでなく、それぞれの登場人物の抱える心の重荷にも明るい光が差し伸べられる過程に心温まるばかりの作品だった。

ミステリーとしてと言うよりは短編集として良かった印象。

2013/08/18

加賀恭一郎シリーズの一つ。待望の文庫化ですぐに購入。今回の事件では、加賀は事件を取り巻く人々と被害者の関係性を鮮やかに暴き、真実を見つけ出します。事実が判明する、爽快感がたまりません。映画はまだ見ていないので、ぜひ見てみたいと感じました。

2013/08/17

今や風格さえ漂う加賀刑事に､人情が通う町を絡めオムニバス形式で上手く纏めています。魅力的な作品に仕上がっていると思います。
ただ、小さな謎を一つ一つ解決して大きな謎を解くという構図は凝っていてとても良かったのですが、伏線が十分ではなかったのでミステリーとしては弱いかなと思いました。

2013/08/17

阿部寛主演のTVドラマで本作を知り、原作も読みたいと思っていた。
やっと文庫化され早速購入。
大抵はTVよりも原作の方がいいんだけど、今回はテレビの方が面白かった。
原作は原作なりに面白かったけどね。