七色の毒 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルに毒が入っているだけあって、イヤミスのような作品が多かった。 世の中の事件や話題になったことについて、鋭くついてくる作品ばかりだった。「白い原稿」はどうやら実際にいる作家さんを描いたものらしいけど、誰なんだろうか。
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連作短編集。 赤い水 黒いハト 白い原稿 青い魚 緑園の主 黄色いリボン 紫の献花 捜査一課の犬養。 俳優養成所にいたという、一風変わった経歴を持ち、その時に一つ一つの動作がどんな心理に起因しているか、学んだという。 おんなの嘘は見抜けないが、(女は天性の嘘つきだから、らし...
連作短編集。 赤い水 黒いハト 白い原稿 青い魚 緑園の主 黄色いリボン 紫の献花 捜査一課の犬養。 俳優養成所にいたという、一風変わった経歴を持ち、その時に一つ一つの動作がどんな心理に起因しているか、学んだという。 おんなの嘘は見抜けないが、(女は天性の嘘つきだから、らしい)男には絶対騙されない。 男性だけに限れば本庁でも一、二を争う検挙率の男。 彼がこの七つの嘘を暴いていく。 読みやすく、さらさらっと読めます。 でも、せっかく、おもしろい経歴の主人公なのだから、自白に焦点をあてて、犯人がどういう言動をして嘘だと気づいたのか、もっと本格的な心理学的な薀蓄をききたかったなーと思う。 最初に犯人とされる人物が出てきて、その後犬養の登場で黒幕が暴かれるという感じの構成が多いので、後の方になると、こちらもわかってきて少し退屈に感じるところもあった。 赤い水、黒いハト、白い原稿では、本当にあった事件(事件ではないことも含めて)がモチーフとなっているんだけれど、フィクションだとわかっていても、そこを触るのはいいのかなーと、少しドキドキしてしまった。 白い原稿に関しては、少し悪趣味かと…。 個人的に、一番の毒はビブレ社と篠島タクへの毒吐きだったと思う。
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捜査一課犬養隼人がかかわった七色の事件を集めた短編集 犬養の事件解決への執念と洞察力ぶりに引き込まれました。 (赤い水) 走行中の高速バスが高速道の防護柵に激突 死者一名、重軽傷者八名。 バスの運転手、小平は病院に搬送される前に テレビ局のカメラに向かって謝罪の言葉を連呼し...
捜査一課犬養隼人がかかわった七色の事件を集めた短編集 犬養の事件解決への執念と洞察力ぶりに引き込まれました。 (赤い水) 走行中の高速バスが高速道の防護柵に激突 死者一名、重軽傷者八名。 バスの運転手、小平は病院に搬送される前に テレビ局のカメラに向かって謝罪の言葉を連呼していた その様子を見ていた犬養は行動を起こす。 (黒いハト) 中学2年の保富雅也がイジメを苦に学校の屋上から 飛び降り自殺をした、学校側のイジメ隠蔽に両親は 警察に被害届を出す。犬養は生徒達からの聞き取りを 初めイジメをしていた少年たちの補導に踏み切り 全てが終わったかのように思われたが犬養は 黒いハトを見逃さなかった。 (白い原稿) 二十代半ばのロック歌手がビブレ大賞という 新人文学賞を受賞して一躍時の人となった彼が 公園のベンチで死体で発見される死因は8月の 真っただ中の「凍死」 誰がいったいどんな方法で殺害したのか (青い魚) 冴えない釣具屋店主、帆村亮45歳は20代の恵美と出会い 一緒に暮らし始める、そこへ恵美の兄が転がり込み 奇妙な同居生活が始まる。亮が欲していた家族の団欒の 先にあったものは・・・。 (緑国の主) ホームレスのねぐらに火が放たれた 翌日、中学生が下校途中に毒殺される 中学生が持つもう一つの顔が引き起こした事件は 切ない結末が待っていた。 (黄色リボン) 小学校4年生の翔は家に帰るとお気に入りのワンピ―スをはき メイク、ウィッグをつけ近くの小さな公園に行く 1日に1度だけ翔はミチルに変身する事を許されている ミチルは翔の妹という事でこれは家族だけの秘密 そんなミチル宛てにダイレクトメールが届いたり ミチルに声をかけてくる男が現れたり 翔はこの世に存在しないはずのミチルに怯えはじめる。 (紫の献花) 死後三日以上経過した他殺死体が一戸建てから 発見される。家族はおらず独り身の男が生命保険に 加入していた。1億円の受取人は20代の女性 この二人の接点は・・・・・。この章のお話は 1章の赤い水と繋がっていきます。 一編ごとに不条理な気持ちを引きづりながらも 次の物語に引き込まれます。 犯人に対し良心の呵責を期待してしまう犬養の 気持ちに共感しつつも人の奥底に隠れた闇は 容易に理解し難いものがありました。
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「切り裂きジャックの告白」で登場した、犬養刑事が事件を解決する短編集。タイトルにちなんで7色の色の名前がついた短編から成る。 この作家さんの作品のパターンとして、どんでん返しで意外な犯人が割れ、更にどんでん返しでその裏にいる黒幕が暴かれる、というのがあるが、まさにそれを7つの話...
「切り裂きジャックの告白」で登場した、犬養刑事が事件を解決する短編集。タイトルにちなんで7色の色の名前がついた短編から成る。 この作家さんの作品のパターンとして、どんでん返しで意外な犯人が割れ、更にどんでん返しでその裏にいる黒幕が暴かれる、というのがあるが、まさにそれを7つの話全てに盛り込んだ感じ。まぁ、そういう趣旨の短編集だと思うので、純粋に楽しめばいいのかもしれないが、さすがに7話全てとなると、無理やりそのパターンに填めこんだ感がないではない。「毒」のある話に纏めるのはいいが、パターンに固執してちょっと不自然な展開だなと感じる話もアリ。 また、これもパターンとして、現実に起こった事件・話題を題材にしたストーリーとなっている。これは賛否両論あるだろうが、完全にクロの事件ならともかく、グレー止まりの事件をモデルにする場合、もう少し配慮するべきではないだろうか。特に、「白い原稿」なんて、何をモデルにしたか丸分かり。ここまで似させると、悪趣味としか思えない。事実の真偽はわからないが、読み手に変な誤解を与えないか心配になる。 最後の7話目だけ単行本書き下ろしで、1話目にリンク。7話のうち、これが一番良かったかな。二重、三重のどんでん返しのパターンに持っていくならば、やはり長編で一冊の方が良いような気も。
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色にまつわるミステリ短編7編。主人公は「切り裂きジャックの告白」の犬養隼人。最後に必ずどんでん返しが用意されているパターンで、若干の論理的飛躍を感じないこともなかったのですが、なかなかの傑作です。
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短篇かつどんでん返しがあるのであっという間に読める。嘘が見抜ける出来すぎの刑事に思えるけどこれが長編だったら女性に騙されて失敗するエピソードがでてくるかな。もっと犬養刑事もので読みたい。
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色にまつわる殺人事件を七つ集めた短編集で、すべての話が毒にまつわる話であれば、まさしく名は体をあらわすタイトルになるが、直接的な毒の話ばかりではなく、言葉とか間接的に毒として機能して殺しに至ったという話が多い。登場人物は切り裂きジャックの刑事で、短編であるが故に事件発生から解決ま...
色にまつわる殺人事件を七つ集めた短編集で、すべての話が毒にまつわる話であれば、まさしく名は体をあらわすタイトルになるが、直接的な毒の話ばかりではなく、言葉とか間接的に毒として機能して殺しに至ったという話が多い。登場人物は切り裂きジャックの刑事で、短編であるが故に事件発生から解決まで短期に話をまとめるために、この刑事の男の嘘がわかるという特技が役に立っている。同じ刑事が登場するが各短編は独立しているがはじめと終わりの話がつながっており、短編集のあり方としてはなかなかに出来が良い。また、それぞれのエピソードが現実の話を下敷きにしたものが多く、非常にわかりやすいが故に、逆に時代が経るのに耐えられるかな?
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色々な角度からみた事件ということで面白かった。犬養刑事がメインだったり脇役だったりといい味を出していた。
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犬養刑事がかかわる事件。7つの短編ですが、つながりもあったり。 人間のもつ毒について考えさせられる。似た形式の話(殺人教唆)があるのは短編だから仕方ないのかわざとなのか。。。 いくつかは実際に起こっていそうな話だと思いました。
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この人の作品は初。思ってたより硬派かつ正統派ミステリで意外。常に影の犯人とも言える存在がいて、それが面白かった。
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