空へ の商品レビュー
1996年に発生したエベレストでの大量遭難事件のドキュメント。大量遭難に至った原因のひとつは、商業登山により力量不足なクライマーが大挙して登ったゆえの山上での交通渋滞が指摘されている。悲劇的な死を遂げた隊員たちよりも、むしろシェルパに感情移入してしまうのはインバウンドでどっちを向...
1996年に発生したエベレストでの大量遭難事件のドキュメント。大量遭難に至った原因のひとつは、商業登山により力量不足なクライマーが大挙して登ったゆえの山上での交通渋滞が指摘されている。悲劇的な死を遂げた隊員たちよりも、むしろシェルパに感情移入してしまうのはインバウンドでどっちを向いても外国人だらけな環境にいるからか。
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今や30年近くも経ったことに個人的に感慨深い1996年のエベレスト大量遭難事故。本書はアメリカのジャーナリストが参加したエベレストの商業登山で、同じく商業登山の別な隊も合わせて何人もの死者を出した事故の記録。2隊の隊長たちも亡くなったし、死者の中には日本人難波康子さんも含まれてい...
今や30年近くも経ったことに個人的に感慨深い1996年のエベレスト大量遭難事故。本書はアメリカのジャーナリストが参加したエベレストの商業登山で、同じく商業登山の別な隊も合わせて何人もの死者を出した事故の記録。2隊の隊長たちも亡くなったし、死者の中には日本人難波康子さんも含まれていたため当時大きいニュースに日本でもなっていた。登頂に成功した登山家たち含め8人もが一度にそれぞれの事情で亡くなっていく様は読んでいて非常に辛い。 私自身途中まで一緒のコースをこの翌年に歩いたので多くの地名に馴染みがあり感慨深く読んだ次第。最初に読んだのは医学部生時代。私は同期2人と一緒にトレッキングで、エベレスト登山家たちのたどるベースキャンプルートからは反対方向に向かい、カラパタールという氷河の観察場所まで登った。カラパタールは5600m弱の高さだがそこにいくまででも高所順応に沢山の時間をかけた。エベレスト山頂は8448m、そこに辿り着くなんて本当に信じられない。ま、カラパタールへのトレッキングなんてのは特段の技術も要らないのだが、山ってのは8000m級では本当に厳しいのだろうとほんの少し想像できる高さではあったな…私が行った時は96年と違って雪が全然なく、氷河もただの渇いた谷だったけど… さてこちらの思い出はともかく、この本は全てが実名で、エベレスト登頂がこの当時ですでに商業化されていること自体興味深く、参加者それぞれが個性的で、彼らの人となりを知ることだけでも面白い。またエベレスト登山を支える現地シェルパ族の生き方にも考えさせられる。軽く検索してみると今も60,000ドルだから当時とあまり変わらない値段で登れるのね。もちろん円安だけど。 電子化にあたっては年数も経ち、当時の論争の記述もアップデートされているのが良かった。議論になったのは、著者とは別の隊にいた世界的登山家アナトリ・ブクレーエフというロシア人の取った行動についてだ。彼は超人的体力を持ってガイドとして参加、著者は彼が酸素を吸入しないで登山していたことが悲惨な結果を招いた要因の一つと批判したのだ。ただブクレーエフは人命救助にも必死であたり現に何人かを救助していて、本書への反論を書いてもいる。何が真実とえるのか、どちらに説得力があるのか当時は判定しづらかったけど、今回本書の著者クラカワーの最終反論を読んだ上ではクラカワーの方に分があるかな…ブクレーエフの反論本も以前読んで彼の言い分や活躍ぶりにも感銘は受けたけど。最近アップされたYoutubeの動画によれば、難波康子の夫は彼女が死んだ翌年ブクレーエフにネパールで会い、感謝を伝えたという。ブクレーエフは本書の事故から間も無く、自身も遭難死してしまったし、個人的には事故自体複合的な要因が重なっていて、単一の誰かによる責任とはいえない以上、今から誰かを批判するよりは、さまざまな局面でどう動くと良かったのか、2人の論争も含めて教訓を得るのが正しいのだろうと思う。
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1996年5月10日にエベレストで起きた大量遭難事故。 エベレストに向かうまでの参加者の動機から如実に書き記されていた。緻密なインタビューに基づいて、一つ一つの描写が詳しく記されている。 登場人物、感情、情景に対する主観と客観が入り交じった描写によって、場面場面を体験している...
1996年5月10日にエベレストで起きた大量遭難事故。 エベレストに向かうまでの参加者の動機から如実に書き記されていた。緻密なインタビューに基づいて、一つ一つの描写が詳しく記されている。 登場人物、感情、情景に対する主観と客観が入り交じった描写によって、場面場面を体験しているかのような臨場感ががありました。迫力凄かった。
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翻訳に少し読みづらさがあるが、内容には圧倒された。いつかエベレストを間近に眺めたい。登りたいと、軽々しくは言えない。
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小さな満足がいくつも重なって幸福めいたものになっていき、ひとことでいえば、クライミングに対する飢餓感がすっかり鈍っていた。
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1996年5月にエベレストで起きた大量遭難事故の詳細。 筆者自身が登山家であるため、山での描写が非常に詳しくリアルで、自分も作者と同じ場所にいるような気持ちになった。 悲劇が待っていることはわかって読んでいたが、先が知りたくて一気に読んでしまった。 この本を読んだらエベレストなん...
1996年5月にエベレストで起きた大量遭難事故の詳細。 筆者自身が登山家であるため、山での描写が非常に詳しくリアルで、自分も作者と同じ場所にいるような気持ちになった。 悲劇が待っていることはわかって読んでいたが、先が知りたくて一気に読んでしまった。 この本を読んだらエベレストなんて絶対に登りたくない、と思うので、いや、読まなくても、簡単な山ではないことは知っているので、エベレストに登頂したいという人が数多くいることが理解できないが、読んでいる最中にインターネットで検索してみたら、今でも数多くのエベレストへの商業登山ツアーが存在することを知り驚いた。 冒険ではない登山を登山と見なさない人たちも、今もたくさんいて、それでも死亡事故のニュースはあまり聞かなくなったので、商業登山もいろいろ改善されてきているのだろう。
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1996年エベレストで起きた大量遭難死事故の現場に居合わせたルポライターが書いた実話である。 実際に何人もの人が死んでいるため、この表現は不適切ではあると思うが、とても面白い、というのが正直な感想。 ハラハラドキドキでページを捲り、結末を知っているがゆえに、死に繋がる悪手の判断を...
1996年エベレストで起きた大量遭難死事故の現場に居合わせたルポライターが書いた実話である。 実際に何人もの人が死んでいるため、この表現は不適切ではあると思うが、とても面白い、というのが正直な感想。 ハラハラドキドキでページを捲り、結末を知っているがゆえに、死に繋がる悪手の判断をする場面では、天を仰ぐことが何度もあった。 死が目前にきている極限状態であっても、人は他人のために行動する、そのことが胸を打ち、感動する。 事実、ガイドのロブホールは、顧客(仲間)を見放して下山していれば、生きて還ってきていただろう。 だが、それを選ばなかった。 複数の隊が同じ日に頂上攻撃を行い山頂付近で渋滞し体力を消耗したこと、ライバルの公募隊に負けたくないという気持ち、前年に山頂目前で撤退したダグハンセンへのロブホールの同情、いろいろな要素が重なり、この遭難事故は、起こるべくして起こったことが分かる。 登場人物の性格や背景や関係性が詳しく書いてあるため感情移入しやすく、エベレストという過酷すぎるほど過酷な環境も詳細に描かれている。 人間ドラマとしても読み応えがあるし、エベレスト登山とはどういったものかを知るためにも非常に良い本だと思う。
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デスゾーン、映画エベレストと合わせて非常に読み応えがかった。 印象的だったのは、クラカワー自身のアンディへの無念 アンディ自身は実際に非常に追い込まれていて、チームとしたらクラカワーはヘルプに回れる側ではあっただろう。 また、ロブがダグに時間切れを告げられなかったのは、情、と...
デスゾーン、映画エベレストと合わせて非常に読み応えがかった。 印象的だったのは、クラカワー自身のアンディへの無念 アンディ自身は実際に非常に追い込まれていて、チームとしたらクラカワーはヘルプに回れる側ではあっただろう。 また、ロブがダグに時間切れを告げられなかったのは、情、といっていいだろう。 あのシチュエーションで頂上を目前に引き返せるだろうか。 商業隊というビジネスモデル自体にどこかに無理があったのだろう。そして破綻したビジネスモデルは悲劇を招く。 恐らく、顧客が多すぎた、値段が安すぎたのは言えるだろう。 死亡率を考えると、マンツーマン、成功報酬型が現実的だった?
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エベレストで起こった遭難の悲劇の当事者として、その渦中にいた著者が、真実を丁寧に伝えるために書いた本だ。当然、そんな経緯の著書なので、批判にさらされることもあった。著者は出来るだけ登場人物に敬意を表しつつも、真実を伝えることに気を使ったろう。高度8000mを超えると、そこからは一...
エベレストで起こった遭難の悲劇の当事者として、その渦中にいた著者が、真実を丁寧に伝えるために書いた本だ。当然、そんな経緯の著書なので、批判にさらされることもあった。著者は出来るだけ登場人物に敬意を表しつつも、真実を伝えることに気を使ったろう。高度8000mを超えると、そこからは一挙手一投足に死を左右する判断をしなければならない。それも、低酸素で思考力がままならない状態でだ。エベレストを目指す人は、半分、いや半分以上がエベレストに取り憑かれた人で、登山に命をかけている感じだ。そんな人に、頂上を目前にして、危険だから引き返すべきだ、との判断を下すのは並大抵のことではない。登る勇気より、下る勇気の方がとてつもなく大きいと感じた。8000mを超えると最終的には誰にも自分の生死の責任は取らせられない。それが、登山の案内人のシェルパにも、登山隊長にも。そう感じた。
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映画で初めて、エベレストの事故を知った。エベレストの過酷な環境および、事故の前後を詳細に記述されており、エベレストに登るくらい息苦しい。 再度読みたい。
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