あんじゅう の商品レビュー
三島屋変調百物語シリーズの2作目 今回は4編+その後 「逃げ水」 身の回りの水がいつのまにか無くなってしまう子供のお話 お旱(ひでり)さんの気性がよくつかめない 人そのものを呪っているわけでもないし、ちゃんと頼めば特定のところからしか水を飲まない分別もある 作中でも書かれて...
三島屋変調百物語シリーズの2作目 今回は4編+その後 「逃げ水」 身の回りの水がいつのまにか無くなってしまう子供のお話 お旱(ひでり)さんの気性がよくつかめない 人そのものを呪っているわけでもないし、ちゃんと頼めば特定のところからしか水を飲まない分別もある 作中でも書かれてあるけど、神ではないのもその理由か? ってか、江戸は水道だからという理由で来たわけだけれども、もしお旱さんが本気を出したらむしろそっちの方がヤバい気がするんだけどね ま、御代官さまからしたら自分の土地が良ければいいってことか? 子供の二人の別れは寂しくもあり、将来の楽しみも少し感じたりと、終わり方は悪くはない 「藪から千本」 双子をまったく同じ扱いにしないと体に変調をきたす片割れの女の子の話 嫁姑問題というか、いつの時代も「ババァ……」と思うよね 途中までは今までと同じく不思議な出来事の話として読んでいたけど お民さんとおちかさんの解釈で、おいおいと思う 何というか、ファンタジー設定のチューニングが難しい 最初っから現実的な話と思っていればいいけど、そこでひっくり返すのはズルくね?と思う お路さんも所々に選民思想というか、自分の立場を鼻にかけたような態度がちらほらしてるのも伏線かね そして、お勝さんが三島屋に参加 こんな感じの人は好感が持てるなぁ 「暗獣 あんじゅう」 廃屋に棲むあんじゅうのお話 なんだけど、その話以外に直太朗の家族の来歴とか屋敷とのかかわりとか、火事の原因とかの話もあって分量が多い それはそうと、あんじゅうの話が切ないやら何やら…… 存在自体が孤独を宿命付けられているというのが何ともねぇ ふるまいがとても愛らしいところが、ギャップでさらに泣ける ご隠居の別れの言葉もなかなか深い 離れていても、もう同じ「寂しい」じゃないとは言うけれども むしろ、人を知ってしまったが故に余計と寂しいという場合もあると思うけれどもね そして、屋敷と共に…… くろすけぇ…… そして手習所の若先生、青野利一郎が登場 今後おちかさんと何か絡みはあるのかしら? 「咆える仏」 飢えることないけれどもつつましく暮らしていた隠れ里で起こったお話 語るのは今まで名前だけ出ていた偽坊主の行然坊 つくづく「自分が正しいと思っている人間って怖ぇ」と思う 特に生殺与奪の権を握っている状況がね…… 富一も確かに悪いけどさ 村人の掌返しっぷりも怖い
Posted by
三島屋シリーズ二作目。 おちかの人間関係が広がり、更に面白くなっていきます。 「針千本」は、人の醜い部分が描かれてて、お化けの怖さではないゾクゾク感がありました。 優しい行動の裏で、心の中は全然違うことを考えていると思うと、人を信じられなくなりそうです。 でも、関係が密になる程...
三島屋シリーズ二作目。 おちかの人間関係が広がり、更に面白くなっていきます。 「針千本」は、人の醜い部分が描かれてて、お化けの怖さではないゾクゾク感がありました。 優しい行動の裏で、心の中は全然違うことを考えていると思うと、人を信じられなくなりそうです。 でも、関係が密になる程、相手を想うあまりに、度が過ぎたことをしてしまうのかも。 理性は大事だ。そして、相手の気持ちになって考えることも大事。 打って変わって、「暗獣」は、純粋に人が恋しいという想いに心が洗われました。つい私も、暗闇や隅っこに、くろすけを探してしまってました。針千本の後に読めて、良かった! 登場人物が増えたので、こちらの関係も気になるし、三作目も楽しみです!
Posted by
あんじゅう…「じゅう」というには、可愛すぎる 今回も、濃密で闇深いお話が聞けました いくつになっても、考え方は変えられる。たまたま、前日に見た映画も、偏屈頑固じいさんが、だんだんほぐれて、考え方が変わったこともあり、本当にしみじみとお話を聞きました だんだんキャラも増えてきて...
あんじゅう…「じゅう」というには、可愛すぎる 今回も、濃密で闇深いお話が聞けました いくつになっても、考え方は変えられる。たまたま、前日に見た映画も、偏屈頑固じいさんが、だんだんほぐれて、考え方が変わったこともあり、本当にしみじみとお話を聞きました だんだんキャラも増えてきて、にぎやかで楽しい雰囲気になってきた 百話まで続くのかな。続いてほしい。
Posted by
三島屋百物語。お旱さん、針千本、あんじゅう、吠える仏+α。お旱さんは可愛らしい話だが、底にあるのは人の信心の薄情さ。針千本は後味悪いが、ここでお勝さんが女中に仲間入り。あんじゅうは可愛らしく健気な一方で寂しい物語。くろすけは孤独だが、独りぼっちではない。新左衛門先生の言葉が温かい...
三島屋百物語。お旱さん、針千本、あんじゅう、吠える仏+α。お旱さんは可愛らしい話だが、底にあるのは人の信心の薄情さ。針千本は後味悪いが、ここでお勝さんが女中に仲間入り。あんじゅうは可愛らしく健気な一方で寂しい物語。くろすけは孤独だが、独りぼっちではない。新左衛門先生の言葉が温かい。吠える仏は人の業ってやつは…。青びょうたんな青野若先生が今後どう絡んでくるのかがお楽しみだ。行然坊も。
Posted by
あやかし草子まで読み終わったので再読。 やはり宮部さんの時代小説は人間味に溢れている。人の闇や温かさがそれぞれの作品に現れていて読み応えあり。 何度読んでも心温まるので、少し疲れたときに読みたくなる時代小説です。 くろすけの振る舞いに泣いてしまいました。
Posted by
5巻で一区切りついたので,再読. 2巻は結構忘れているエピソードがあった. 「逃げ水」 お白子様が可愛い.平太,船頭の修行に励めよ. 「藪から千本」 この話は忘れていた.お花人形,はたからみたら結構怖いよね.お梅さん幸せに.お勝さん登場. 「暗獣」 丁稚の新太の友人となる直太郎...
5巻で一区切りついたので,再読. 2巻は結構忘れているエピソードがあった. 「逃げ水」 お白子様が可愛い.平太,船頭の修行に励めよ. 「藪から千本」 この話は忘れていた.お花人形,はたからみたら結構怖いよね.お梅さん幸せに.お勝さん登場. 「暗獣」 丁稚の新太の友人となる直太郎と深考塾の金太,捨松,良介と青野利一郎登場.紫陽花屋敷のくろすけが可愛く切ない. 「吼える仏」 青野の友人で偽坊主の行然坊が若かりし頃経験した,隠れ里での出来事.笑う木仏,怖い. 「変調百物語事続」 三島屋をねらう押し込みを黒子の親分や青野,行然坊の活躍で捕まえる話.青野利一郎の腕が立つのは憶えていたけど,この話もほぼ忘れていた.
Posted by
商家に訳ありで引き取られた娘「おちか」が、主人の命を受けて始めた百物語のお話の第2巻目。 怪談は大嫌いだけれど、ゾクゾクしながらも引き込まれた第1巻目とはちょっと雰囲気が違う。百物語で語られる妖がかわいらしかったり、妖よりも人の心の闇や怨念を語るものだったり。 一つ一つのお話が結...
商家に訳ありで引き取られた娘「おちか」が、主人の命を受けて始めた百物語のお話の第2巻目。 怪談は大嫌いだけれど、ゾクゾクしながらも引き込まれた第1巻目とはちょっと雰囲気が違う。百物語で語られる妖がかわいらしかったり、妖よりも人の心の闇や怨念を語るものだったり。 一つ一つのお話が結構長いものなので、読みごたえがある。 百物語を通じておちかの周りに新しい人間関係もできてくる。 自らの忌まわしい過去に心を閉ざしていたおちかが、少しずつ心を開いていく。 しばらくこの『三島屋変調百物語』にどっぷりはまりそう。
Posted by
ストリーテラー宮部みゆきのうまさを堪能しました。 妖の旱やくろすけのなんて愛らしいこと。 情がわくキャラクターの描き方の素晴らしさ。さらに新たな仲間たちがぞくぞく現れ、満足のいくシリーズ2作目でした。
Posted by
★語りの妙★物語の内容はもちろん、語りのよどみなさが真骨頂なのだろう。1冊目の冒頭の落語を思わせる流れのよさとはまた異なるが、読みだしたら止まらない。それぞれの話だけでなく、おちかを巡る取り巻きの話が進んでいくのが何とも言えずうまい。登場人物がきちんとつながっていく技術は何なのだ...
★語りの妙★物語の内容はもちろん、語りのよどみなさが真骨頂なのだろう。1冊目の冒頭の落語を思わせる流れのよさとはまた異なるが、読みだしたら止まらない。それぞれの話だけでなく、おちかを巡る取り巻きの話が進んでいくのが何とも言えずうまい。登場人物がきちんとつながっていく技術は何なのだろう。
Posted by
Posted by