あんじゅう の商品レビュー
緊迫感も悲壮感も漂う一作目から一転して、前向きな明るさを取り戻したおちかさんと愉快な仲間たち。 新たな仲間を迎えて、美しく四季が移ろいゆく。 人情ものとしても、怪談としても、江戸風俗史としても楽しめる。一噛みで何度も美味しい。 あんじゅう、くろすけの話が切なくも面白かった。
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三島屋変調百物語2作目。 1冊目はグイグイ読んだのに、ある話で急にページが進まなくなった。つっかかっている感じ。作品に困難さがあったわけではなくて、自分の大切な人の心の底とたまたまリンクしていて、話が少し進む度に色々考えてしまった。純粋に物語を楽しむつもりだったわけで、少し戸惑い...
三島屋変調百物語2作目。 1冊目はグイグイ読んだのに、ある話で急にページが進まなくなった。つっかかっている感じ。作品に困難さがあったわけではなくて、自分の大切な人の心の底とたまたまリンクしていて、話が少し進む度に色々考えてしまった。純粋に物語を楽しむつもりだったわけで、少し戸惑いながら読み進めた。案の定、抜けたらまたするすると読めていく。読書体験の不思議さを感じながら読了。続きもまた読むつもりでいる。 コミュニティの正義だとか、身近にあるもの。 人間の都合の良さ。 人の温かみと不気味さ。 簡単にひっくり返る、または境目のない、黒と白。 なによりタイトルになっている<あんじゅう>の、愛しいこと。 葛藤の、苦しさよ。
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「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」(宮部みゆき)を読んだ。 三島屋変調百物語 シリーズ二作目です。 『くろすけ』の経緯(ゆくたて)に涙する。 〈結局、人の心の闇がいちばん怖いんだよな。とは言え、人の心の優しさがなにより一番暖かくて救いをもたらしてくれるのも確かだから。〉 な...
「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」(宮部みゆき)を読んだ。 三島屋変調百物語 シリーズ二作目です。 『くろすけ』の経緯(ゆくたて)に涙する。 〈結局、人の心の闇がいちばん怖いんだよな。とは言え、人の心の優しさがなにより一番暖かくて救いをもたらしてくれるのも確かだから。〉 などと今更わかりきったことをあらためて思う65歳の老人なのである。
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切なくて寂しい闇獣、可愛らしい、くろすけ。 読んでいるこちらも別れるのが惜しい。 あなたの心にもくろすけが住みつきます。 登場人物達もみなさん素敵。 チビっ子3人+丁稚さん新どんはカワイイし、お勝さん、おしまさんの女中コンビとおちかもいい関係。 懐広い三島屋の旦那様とお民さん。 人間関係の複雑さが現代のそれより分かりやすく(理解しやすい)、人々も素直に正直に生きていて素敵ですね、お江戸。 そんな素敵な三島屋さん。 御奉公させて頂きたくなりました。 長めの1冊ですが、読み終わりたくない読みやすさ。 ただいまお江戸に浸っております。 星5つ
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お勝、青野利一郎先生と仲良し三人小僧、行然坊、紅袢纏の半吉、レジュラー化かなぁ。癒やされたくて読み始め、癒やされてきたので全部読む予感。優しい読後感の怪談は、今年のような激烈な猛暑にちょうどいい、心臓が休まる(^^)表紙は暗獣クロスケ、かわいい。我が家の主にも何か名前をつけてみよ...
お勝、青野利一郎先生と仲良し三人小僧、行然坊、紅袢纏の半吉、レジュラー化かなぁ。癒やされたくて読み始め、癒やされてきたので全部読む予感。優しい読後感の怪談は、今年のような激烈な猛暑にちょうどいい、心臓が休まる(^^)表紙は暗獣クロスケ、かわいい。我が家の主にも何か名前をつけてみよう。
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シリーズ二作目。 人間の欲や身勝手さが先なのか、怪奇が起こるから人間が心惑わされるのか…。 ホラーであるけれど、ファンタジーでもあるし、ミステリーでもある。さらにそこに人々の人情話もあわさった時代物に仕上げてしまうなんて! 江戸の人々の生き生きとした暮らしを想像しながら読んでいま...
シリーズ二作目。 人間の欲や身勝手さが先なのか、怪奇が起こるから人間が心惑わされるのか…。 ホラーであるけれど、ファンタジーでもあるし、ミステリーでもある。さらにそこに人々の人情話もあわさった時代物に仕上げてしまうなんて! 江戸の人々の生き生きとした暮らしを想像しながら読んでいます。 心強い仲間も増えて、次回作も楽しみです。
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江戸の袋物屋である三島屋に身を寄せているおちかは、「黒白の間」で江戸に住む人々の不思議な話を聞く。 ある丁稚の周りでは水が逃げ(逃げ水)三島屋の隣家での嫁入りは不思議なしきたりがあり(藪から千本)幽霊屋敷に住む→ “くろすけ”は三島屋の丁稚である新太の知り合いの師匠と出逢い(暗...
江戸の袋物屋である三島屋に身を寄せているおちかは、「黒白の間」で江戸に住む人々の不思議な話を聞く。 ある丁稚の周りでは水が逃げ(逃げ水)三島屋の隣家での嫁入りは不思議なしきたりがあり(藪から千本)幽霊屋敷に住む→ “くろすけ”は三島屋の丁稚である新太の知り合いの師匠と出逢い(暗獣)偽坊主の過去には恐ろしい村があった(吠える仏) 「暗獣」のお話がとにかく良い……やさしい、やさしい怪談……泣いちゃうぅぅぅ!! 「逃げ水」もかわいいお話。まぁ、大人の身勝手なところもあるけれども、平太とお旱様が→ かわいい。 「藪から千本」はなんとなく針千本飲んだような話で「吠える仏」に至っては普通に怖い怪談だったけど。 2作目ではおちかちゃんの周りの人間が増えて、“おちかちゃんの物語”に厚みが出た感じ。時代小説感があっていいよねぇ。 青野先生が今後どう絡むかも楽しみ! 以下、リアルタイムツイート 1話目から子供の話で、好き!ってなってる(宮部さんが描く子供が好き) おちかちゃん、だいぶん大人になったなぁ。しっかりしてる。まぁ、前作のラストみたいなことがあれば色々肝も座るわな(笑) 2話はなかなかにヘヴィなおはなし。 そう落ち着くのかぁ……からのラスト!お民さんに笑っちゃった(笑) お勝さんがとても良い。おしまさんとの対比が楽しいなぁ。 そして3話はまた新太のお話だぁ( *´艸`)この巻、子どものお話が多くて好き! くろすけぇぇぇぇ。・゚(´□`)゚・。 (あんじゅう、第3話読書中) 何という……何ということなんだ……。あんなにニコニコしながら読んでいたら、うっかり泣きかけた……てか、一人なら号泣レベル。 まだだ、まだ終わりじゃない……きっとこの先にしあわせが……てか、本件がまだ片付いてないじゃないか。 「おまえは再び孤独になる。だが、もう独りぼっちではない。(中略)お前がここにいることを知っているのだから」(481ページ) こんなん、泣くしかないやん!うわぁぁぁぁん。・゚(´□`)゚・。 世間に交じり、良きにつけ悪しきにつけ人の情に触れていなくては、何の学問ぞ、何の知識ぞ。(502ページ) うわぁ……キッツいなぁ(笑) そうだね、そうだよ。だからこその 人は変わる。いくつになっても変わることができる(502ページ) なんだね。 ぐぁぁぁ。この話すごいな! ちょっと放心してる……。めちゃくちゃええおはなしを読んだ……。 このお話読んでから書影見たら……ぐぁぁ!! あんじゅう、を昨夜読み終わる。 とても良い短編集だった……。 三島屋ファミリー、最高……フィクションだからこその最高さがある……。
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「暗獣」が可愛い(笑)でも、それと火事は関係ない気がした。(直太朗は折り合いを付けられたみたいだから良し) 前作とは異なり、一話独立型の今作の方が読みやすかった。
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おちかシリーズ第二作。 前作が面白かったので、以後読むこと確定。 あんじゅう、逃げ水は割とほのぼの系、藪から千本、吼える仏はちゃんと怪談系って感じかな。 読み応えある一冊でした。
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袋物屋三島屋のおちかが不思議百物語の聞き手となる連作中編集シリーズ2作目。 宮部作品に通じる平易な文体かつ奥深い人間ドラマは健在で安心して読める。語り部が各々個性的で、語りを聞くだけというスタイルなのに、人の業や縁の妙が胸に響く。 「逃げ水」の平太の真っ直ぐな心情は微笑ましく、「...
袋物屋三島屋のおちかが不思議百物語の聞き手となる連作中編集シリーズ2作目。 宮部作品に通じる平易な文体かつ奥深い人間ドラマは健在で安心して読める。語り部が各々個性的で、語りを聞くだけというスタイルなのに、人の業や縁の妙が胸に響く。 「逃げ水」の平太の真っ直ぐな心情は微笑ましく、「藪から千本」で描かれる、妖怪ではなく人間だからこその闇と業が悲しい。一番印象深い「暗獣」が、書名でかなになるのは、おちかの優しさ故か。
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