マンチュリアン・リポート の商品レビュー
蒼穹の昴から約3ヶ月ほどかけて全十冊読破。最初から最後まで実在した人物と架空の人物が入り混じり、非常に読み応えがあった。史実を表層的にしかしらなかったので、小説とはいえ最初に読み込んだこれらが今後のベースになってしまいそう。
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初めて浅田次郎を読み終えて、これは面白かった。まず構成が面白い。張作霖の事件を批判して投獄された軍人が天皇の命を受けて事件を調べるため、大陸に渡る。そこからの彼の報告書と張作霖がその中で爆死した豪華な機関車の独白という二部構成で、交代に話が進められていく。まず序章で浅田が言いたい...
初めて浅田次郎を読み終えて、これは面白かった。まず構成が面白い。張作霖の事件を批判して投獄された軍人が天皇の命を受けて事件を調べるため、大陸に渡る。そこからの彼の報告書と張作霖がその中で爆死した豪華な機関車の独白という二部構成で、交代に話が進められていく。まず序章で浅田が言いたいであろうことが多く語られる。ありえないことがありそうに思えてくる。ただ機関車の独白部分は少し感傷的な所があるのが気にはなる。
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いよいよ刊行開始になったシリーズ最新作「天子蒙塵」。その前の本作は、さていつ頃読んだのだったかな、と思って本棚を検索してみてビックリ。なんと登録してませんでした。ちょっと細かい内容までは忘れてしまったのですが、満鉄を擬人化しつつ、張作霖爆破事件に至る各人の動向を、それぞれの視点か...
いよいよ刊行開始になったシリーズ最新作「天子蒙塵」。その前の本作は、さていつ頃読んだのだったかな、と思って本棚を検索してみてビックリ。なんと登録してませんでした。ちょっと細かい内容までは忘れてしまったのですが、満鉄を擬人化しつつ、張作霖爆破事件に至る各人の動向を、それぞれの視点から描ききった力作だったと記憶します。というかそんな建前はどうあれ、本シリーズで心打たれなかった作品はないんですけどね。という訳で、本作を登録しつつ、上記最新作を存分に楽しませてもらおうと思う次第。
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「蒼穹の昴」から連綿と続く中国シリーズの、目下最終巻。張作霖爆殺事件の真相を探る歴史ミステリーの体裁をとってます。 昭和史の闇に対する浅田氏の見解、という視点で読めばなかなかに面白いのですが、清朝末期のありのままを壮大かつ意外な切り口で世に出した本シリーズのラストがこれか、と思...
「蒼穹の昴」から連綿と続く中国シリーズの、目下最終巻。張作霖爆殺事件の真相を探る歴史ミステリーの体裁をとってます。 昭和史の闇に対する浅田氏の見解、という視点で読めばなかなかに面白いのですが、清朝末期のありのままを壮大かつ意外な切り口で世に出した本シリーズのラストがこれか、と思うと正直…。きかんしゃトーマスとトップハム・ハット卿の漫才が始まった時には本当にどうしようかと思いました。 西太后、光緒帝、李鴻章、袁世凱にトーマス・バートン…魅力的なキャラクターが軒並み退場してしまうと、こんなものなのでしょうか。そして史了どこ行った?ずっと読み続けてきてこの結末は、寂しさを禁じえません。 「蒼穹の昴」と「中原の虹」の間に「珍妃の井戸」があったように、本書も幕間である事を期待したいものです。もっとも、この先続けても雄大さは感じられるのかなあ…。
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蒼穹の昴、中原の虹を読んでから年数が経ち過ぎてたけど、それでも懐かしい気持ちが蘇った。予想していたより断然読みやすい展開なのはさすが。
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『蒼穹の昴』の登場人物と重複していたので、イメージが湧きやすかった。 歴史小説と言うより、エンターテーメント性が強く感じる。『蒼穹・・』の西太后が可愛いおばさんに描かれていたように、天皇も、関東軍の一部の軍人も、張作霖も、それぞれ苦悩を抱えた良人に描かれている。 中国からも、...
『蒼穹の昴』の登場人物と重複していたので、イメージが湧きやすかった。 歴史小説と言うより、エンターテーメント性が強く感じる。『蒼穹・・』の西太后が可愛いおばさんに描かれていたように、天皇も、関東軍の一部の軍人も、張作霖も、それぞれ苦悩を抱えた良人に描かれている。 中国からも、日本からも角が立たないような、八方美人的な纏め方に、多少なりとも不満が残ったが、浅田氏が広く読まれている秘訣とも思える。近代日本の中国へ侵攻の流れが分かり易かった。
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天皇陛下から直々に張作霖爆殺の真相を探るよう密命を受けた陸軍中尉志津邦陽が、手紙の形で陛下に認めた満州からの報告書「マンチュリアンレポート」。 事件の首謀者である関東軍に対する痛烈な義憤と張作霖という草原の英雄に対する 深い愛惜の想いがこの小説の骨格を成している。浅田次郎は、義と...
天皇陛下から直々に張作霖爆殺の真相を探るよう密命を受けた陸軍中尉志津邦陽が、手紙の形で陛下に認めた満州からの報告書「マンチュリアンレポート」。 事件の首謀者である関東軍に対する痛烈な義憤と張作霖という草原の英雄に対する 深い愛惜の想いがこの小説の骨格を成している。浅田次郎は、義と情の人だと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『中原の虹』から連続で読み始めてみた。前作で長城を越えた張作霖のその後の苦悩、そして非業の死。それを追う日本の陸軍中将。2つの視点から、歴史的出来事を深く考察していく。その中で、張作霖の想いに触れ、その涙のシーンではおもわずぐっとくる。これはやはり必ず『蒼穹の昴』『中原の虹』とともに読むべきものである。 そして張学良の物語を是非読みたいと思う。
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シリーズ4作目。 張作霖の爆殺事件の真相を語る物語。 その語り部は、天皇から調査を命じられた主人公の天皇への報告書(マンチュリアンレポート)と爆破された機関車(擬人化された機関車)が交互にストーリを語っていきます。 擬人化された機関車が語り部とはさすが浅田次郎と思いました。(...
シリーズ4作目。 張作霖の爆殺事件の真相を語る物語。 その語り部は、天皇から調査を命じられた主人公の天皇への報告書(マンチュリアンレポート)と爆破された機関車(擬人化された機関車)が交互にストーリを語っていきます。 擬人化された機関車が語り部とはさすが浅田次郎と思いました。(でもかなり違和感あり) さらには、最後に真相を語る吉永中佐。 そして、マンチュリアンレポートの第7信。 正直、技巧に走りすぎでは?って思います。 そうはいいながらも、今までの背景を知っていると、じんわりと悲しみが押し寄せます。さらには張作霖の覚悟と生き様に心揺さぶられます。 これは、本作だけを読んでもきっとつまらないでしょう。中原の虹から読まないとその感動は味わえないと思います。 いくつか、いくらなんでも!!っていうところがありましたが差し引きしても中原の虹の続編としては満足です。 しかし、さらにその先を知りたくなりました。 これまた、続きがでるのかな。その辺期待しちゃいます!
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蒼穹の昴から始まる中国の歴史もの最終章、ということで読んだけども、もう全体で言えばエピローグ部分に近いこともあって結構あっさりで、これ単体での評価はそこまで高くない。でも、シリーズの最後という形で読めばあり、ですかね。 最後の吉永さんの独白の仕方はどうかと思うけど。 鉄道の擬...
蒼穹の昴から始まる中国の歴史もの最終章、ということで読んだけども、もう全体で言えばエピローグ部分に近いこともあって結構あっさりで、これ単体での評価はそこまで高くない。でも、シリーズの最後という形で読めばあり、ですかね。 最後の吉永さんの独白の仕方はどうかと思うけど。 鉄道の擬人化は個人的にはありです。 最初何が始まったかと思ったけど歴史事実に照らし合わせて、こいつが爆破されるやつか、とわかったらありでした。 張学良の物語も読みたい気もするけど、あえてここで終わった方がいんだろうな。
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