マンチュリアン・リポート の商品レビュー
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4...
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。
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蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹に続くシリーズ第4部 前作中原の虹の主人公、張作霖爆殺事件を題材にその真相を探る。 日本が止められない大きな流れに突入して行く不穏な空気が痛ましい。やはり急ごしらえの国家としての歪が大きいと感じる。徳川政権からの移行のマズさ、押し込められてきた三百余...
蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹に続くシリーズ第4部 前作中原の虹の主人公、張作霖爆殺事件を題材にその真相を探る。 日本が止められない大きな流れに突入して行く不穏な空気が痛ましい。やはり急ごしらえの国家としての歪が大きいと感じる。徳川政権からの移行のマズさ、押し込められてきた三百余年のコンプレックスがにじみ出た差配の上に積み重ねられた政策の破綻か。 私が愛する彼の国の面影は今や無い。同名を騙る別の国が君臨して久しい。なんとも悲しいこと。
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『蒼穹の昴』より続く中国歴史シリーズ第4作目。 未だ歴史上謎の多い事件とされている張作霖爆殺事件の真相について、調査を命じられた志津の報告書と事件で爆破された蒸気機関車の独白によってミステリのように物語は進む。このシリーズならではの解釈で事件の本質を突く。もちろん完結したミステリ...
『蒼穹の昴』より続く中国歴史シリーズ第4作目。 未だ歴史上謎の多い事件とされている張作霖爆殺事件の真相について、調査を命じられた志津の報告書と事件で爆破された蒸気機関車の独白によってミステリのように物語は進む。このシリーズならではの解釈で事件の本質を突く。もちろん完結したミステリとしても楽しめそうだが、やはりシリーズを順に読んでくると「なぜ張作霖は殺されたのか?」という謎に対する答えがしっくりくる。このシリーズを通しての命題、次作は張学良を主人公して綴られるのかと楽しみ。
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だいすきな「シェエラザード」を思い出したりしつつも、「蒼窮の昴」「珍妃の井戸」は、私の中ではこえなかったなー。 でも、春雷や春児の姿も少し出てきて嬉しかったりも。 春雷の方は、前作での占いのシーンとようやくつながりました。 世界史の史料集を横において読みたい!
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フィクションではあるが史実に基づいた物語。 作者自身の解釈も多いと思うが、事件を全く知らないものからすれば説得力は絶大で、もしこの通りだとすればあの時代の一部の日本人は本当に狂っていた。そして、一部の中国人が日本を大嫌いなのも仕方なく思える 未だ多くの説があるということは誰も勝者...
フィクションではあるが史実に基づいた物語。 作者自身の解釈も多いと思うが、事件を全く知らないものからすれば説得力は絶大で、もしこの通りだとすればあの時代の一部の日本人は本当に狂っていた。そして、一部の中国人が日本を大嫌いなのも仕方なく思える 未だ多くの説があるということは誰も勝者がいなかったということではないだろうか。 「中華は世界の中心ではなく、地球の真ん中に咲く大きな華」であれ、という西太后の言葉が一番響いた。 読みやすく美しい日本語でいて、何度も目頭が熱くなる胸を打つ文章。 やはり浅田次郎は天才だと再認識。 遂にこれでシリーズ終了かと思ったら、あとがきには続編で続編を匂わせており嬉しいばかり。何度目か分からないけど、またシリーズを読み直してみよう。
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鉄の公爵に愛着がわいてしまった。 張作霖が殺されなければ歴史はどうあったろうかと思わずにはいられないが、過去は変えられない。 なるほど昭和の初めはこのようであったかと思い、またそれが現在の日中関係につながって来ているのかと思うと、切ないものがある。
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張作霖が、あんなにかっこよかったとは、思いませんでした。日本人が歩んだ道のりは、こうも深いものだったのか?と思いました。
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なかなか読む機会がなかったけど、読み出したら止まらない。ストーリーの構成も面白い。蒼穹の昴から連なるシリーズの完結?イヤ、次の展開を期待したいなぁ。
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「天皇制は一国の政治制度なり。天皇陛下を全能の神のごとくに祀るは恐れ多くも無言の機械に落としむるも同じ」治安維持法の改悪に関する意見書を撒いた軍人、志津邦陽は投獄された後、勅命を受けて張作霖爆殺事件の調査のため極秘に訪中する。紫禁城を望むホテルからの北京の描写、「北海道のようにさわやか」という奉天の気候などがいきいきしていて、当時の中国で仕事に励む主人公に自然に思いをはせることができる。この本を読んで知ったこと:中国から日本に軍事留学することがよくあった。軍という国家安全保障に関わる組織で外国人を受け入れ、日本軍上がりの中国人が国民党兵を率いる・・なんてことがあったらしい。すごく不思議。張作霖が人々に人気があったこと、その死は多くの日本人にとっても誤算であったこと。張学良は父と一緒に軍務に励み、若いのに求心力があり、張作霖の死を10日間隠した。部下の中には親日派もいたが、張学良の命令に従った。
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結末のわかっているお話を読むのは辛い…けれど、前作で、引っ張って引っ張って、ここで終わりかー!と欲求不満がたまったので、これを読みたかった、という思いで読みました。一つ一つの章がそれぞれ、一編の短編小説のようだったり…、最後に懐かしいあの人が現れたり。シリーズ完結の折には、最初か...
結末のわかっているお話を読むのは辛い…けれど、前作で、引っ張って引っ張って、ここで終わりかー!と欲求不満がたまったので、これを読みたかった、という思いで読みました。一つ一つの章がそれぞれ、一編の短編小説のようだったり…、最後に懐かしいあの人が現れたり。シリーズ完結の折には、最初からじっくり再読したいものです。
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