おかしなジパング図版帖 の商品レビュー
「思い込みと伝言ゲームで描かれたどこにもない日本」という紹介文で書かれたことそのままだ。 珍妙奇天烈な日本がここに。 モンタヌスというオランダの牧師が、オランダ使節フリシウスの『江戸参府日記』をもとに書いた『日本誌』という本からの引用が大半である。当時、未知の国日本に関する出版...
「思い込みと伝言ゲームで描かれたどこにもない日本」という紹介文で書かれたことそのままだ。 珍妙奇天烈な日本がここに。 モンタヌスというオランダの牧師が、オランダ使節フリシウスの『江戸参府日記』をもとに書いた『日本誌』という本からの引用が大半である。当時、未知の国日本に関する出版物は人気があったそうだから、便乗商法っぽくも思えるが。おそらく西洋文化の人々から見れば、極東の異文化国、しかも長きに渡って鎖国を続けていた日本など、彼らの想像を超えていたのだろう。しかも、文章で書かれたものを読んで何とか絵にしたということらしいから、やむを得なかったのかもしれないが…とにかく笑える。 珍妙すぎる。 明らかに中国、とか、明らかに西欧風、とか、珍奇としか思えないものとか…。なんじゃこりゃのオンパレードです。 楽しむに尽きる。
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おもしろいです。「え?これ日本?」という図柄がいっぱい登場します。「どうみても中国じゃないの?」とか、「いや、それはヨーロッパ風でしょ」というような突っ込みどころ満載な絵がいっぱいです。 写真がない時代ですから、絵だけが情報伝達の時代でもあります。む~。こんな感じで日本というもの...
おもしろいです。「え?これ日本?」という図柄がいっぱい登場します。「どうみても中国じゃないの?」とか、「いや、それはヨーロッパ風でしょ」というような突っ込みどころ満載な絵がいっぱいです。 写真がない時代ですから、絵だけが情報伝達の時代でもあります。む~。こんな感じで日本というものが伝わったら、そりゃ誤解されるだろうな~。と、思いつつ、昔の人の情報を伝達する情熱というものにも触れた思いです。
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とても丁寧に描かれていて、知らない人が見たら本当かと誤解されたであろう不思議の国ジパング!モンタヌスさん、見てもいないのに堂々と描き過ぎです!でもそこが面白い、日本人だから分かる気持ち悪さ、違和感、ありえなさが満載で、ニヤニヤ笑いながら読みました。
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日本がその昔、ヨーロッパ文化の人々から大きな誤解の認識を受けていたことはなんとなく知っていたけれど、 まさかここまですごいことになって、しかも印象に残りやすい絵として表現されてしまっていただなんて… これじゃあ、日本という国には、いつまでもサムライばかりいて、切腹していると思われても仕方がない。 逆のバージョンってないのかな。 日本において、西洋のとんでもない絵が描かれちゃってた書物、とか。
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17世紀のオランダ宣教師モンタヌスが著した日本紹介本『東インド会社遣日使節紀行』(通称『日本誌』)を、多くの図版と共に紹介した本。メインはモンタヌスの『日本誌』であるが、他にもケンペルが著した『日本誌』など他の日本紹介本の図版も掲載されており、当時のヨーロッパ人から見た日本観を一望できるものとなっている。 本書の見どころは、何といってもその当時のヨーロッパ人が思い描いていた日本の姿である。当時ヨーロッパに入ってくる日本情報は断片的なものであり、またモンタヌス自身は一度も来日経験が無いため、その日本像は空想に多くを依るどこか間違ったものとなっている。地名、服装、風習など、当時の日本でも存在していないものが事実として語られているのは面白い。特に宗教の項目では出自不明の英雄神トランガ、ヒンドゥー教の神ヴィシュヌの化身にしか見えない「観音」やヨーシー・グサルなど興味深いものが数多くあった。 本書は掲載されている図版を眺めるだけでも楽しめる一冊となっている。ただ本書の著者は歴史や文化史の専門家ではないため、考察や解説で至らない点があったのは残念であった。また、モンタヌスが挿絵を描いたのか、また彼が挿絵職人に描かせたのかについて一貫した言及が無かった(本文中では「モンタヌスが描いた」、「挿絵職人が描いた」と両方ある。恐らく正しいのは後者であろうが)のも気になった。
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