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おかしなジパング図版帖 の商品レビュー

3.8

35件のお客様レビュー

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2013/10/13

17世紀、ヨーロッパ諸国が未知の国ジパングを、情報の少ない中描いたイラストの数々をを集めた本。 人々の服や顔つきが完璧に西洋人であったり、お寺の大仏も西洋風であったり、どれだけ当時日本の情報が不足していたか、謎の国であったかが分かって面白かったです。 私にとって17世紀の日本は、...

17世紀、ヨーロッパ諸国が未知の国ジパングを、情報の少ない中描いたイラストの数々をを集めた本。 人々の服や顔つきが完璧に西洋人であったり、お寺の大仏も西洋風であったり、どれだけ当時日本の情報が不足していたか、謎の国であったかが分かって面白かったです。 私にとって17世紀の日本は、当時のヨーロッパの人とたちが感じていたことと近く、同じ日本なのに別の国に思えます。 もう武士も忍者もいない日本ですが、このイラストで当時の日本の様子を知れることが、時空を飛び越えているようでなんだか面白いです。

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2013/10/03

ホルンを吹く楽隊がいる大名行列、世界の創造主を祀る聖堂、謎の王ダイロ、30歳になると魔術を学ぶというハルボレ坊主…そんなの日本にはいませんでしたよ!? ヨーロッパの絵柄をベースに、空想と、思い込みと、伝言ゲームで描いた珍妙奇天烈なジパング画像を多数収録。冬至のヨーロッパ人は「これ...

ホルンを吹く楽隊がいる大名行列、世界の創造主を祀る聖堂、謎の王ダイロ、30歳になると魔術を学ぶというハルボレ坊主…そんなの日本にはいませんでしたよ!? ヨーロッパの絵柄をベースに、空想と、思い込みと、伝言ゲームで描いた珍妙奇天烈なジパング画像を多数収録。冬至のヨーロッパ人は「これがジパング!」と思っていたというんだから…もう笑うしかない!(院生アルバイトスタッフ)

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2013/09/05

まさしく“伝言ゲーム”で描かれた昔の日本。 ラジオ体操風のお辞儀やなぜか巨乳な大仏、 辛気臭く描かれがちな日本人の顔などなど、いちいち面白い。 モンタヌスがこれを大真面目に書いていたと思うほどに おかしく、そして愛おしい。 タモリ倶楽部を見ているような雰囲気の本。

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2013/08/26

1600年代に生きたオランダ人のモンタヌスが、聞いたり読んだりしただけで実際に見たことがないまま描いた日本の絵について、著者がツッコミを入れていく。 ツッコミの中では同時代に、「われらにおいては、挨拶は落ち着いた厳粛な顔でおこなわれる。日本人はいつもかならず偽りの微笑でもっておこ...

1600年代に生きたオランダ人のモンタヌスが、聞いたり読んだりしただけで実際に見たことがないまま描いた日本の絵について、著者がツッコミを入れていく。 ツッコミの中では同時代に、「われらにおいては、挨拶は落ち着いた厳粛な顔でおこなわれる。日本人はいつもかならず偽りの微笑でもっておこなう」といった現在にも通じるような文化の違いを指摘したフロイスなどの記述が引用され、興味深く読める。 一番面白いのは日本地図で、西日本しかなかったり、ヒトデ型だったり、いろいろな日本地図を見ることができる。 【著者による解説動画】 https://www.youtube.com/watch?v=7y1_iRgL_9M    

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2013/08/25

おもろいw 開国前は日本には外国人ってのがすごく少なかったわけなんだけど、その少ない異邦人が帰国して語り伝えたり、書き残したりしたものを元に、ヨーロッパで多くの図版が作られたわけなんだな。 モンタヌスって人が作った図版をメインに、様々面白い絵が解説されています。 又聞きの又聞きだ...

おもろいw 開国前は日本には外国人ってのがすごく少なかったわけなんだけど、その少ない異邦人が帰国して語り伝えたり、書き残したりしたものを元に、ヨーロッパで多くの図版が作られたわけなんだな。 モンタヌスって人が作った図版をメインに、様々面白い絵が解説されています。 又聞きの又聞きだったりするから情報もいいかげんになっているし、上手く想像できずに妙にヨーロッパ風だったりとか、いちいちツッコめて楽しい。 でも、当たらずとも遠からず、みたいなのも、たまにあったりするのは、当時のヨーロッパ人のジパングへの関心の高さか。

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2013/08/23

突っ込みどころ満載の日本の絵。どう見ても日本ではないけれど、日本に来たことがないままに描いたのなら何とも仕方が無い。建物の形状も服装も、東洋と西洋とでは全く違う。だから、他の人が書いた文章を読んだだけでは想像することさえ難しい。それでもモンタヌスは想像したのだな、と思うと、愉快な...

突っ込みどころ満載の日本の絵。どう見ても日本ではないけれど、日本に来たことがないままに描いたのなら何とも仕方が無い。建物の形状も服装も、東洋と西洋とでは全く違う。だから、他の人が書いた文章を読んだだけでは想像することさえ難しい。それでもモンタヌスは想像したのだな、と思うと、愉快な気分になる。 今は地球の裏側の国だって、世界地図を見ればどんな形をした国なのかが分かる。多少時間とお金はかかるけれども実際に行くことも出来るし、その国の文化を知る手立てもある。でも、モンタヌスの生きた時代、世界は謎に満ちていたのだ。自分たちとは真逆のようにさえ見える習慣、未知の風俗。遠い海の向こうにはこんな不思議な国があるよ、と伝えようとした人々がいて、知らないことを知ろうとした人々がいる。それはとても嬉しいことだ。

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2023/11/08

松田優作さんじゃなくともつい「なんじゃ こりゃ!?」ってくちからでちゃう本。 久々のショーゲキ。w これでしか『日本人』を知らんかったら日本人ってみんな体がやわかいんだな って思うかも。 なにあの立位体前屈(爆! とか笑いながら言ってるけど、文字情報だけ(しかも超曖昧!)であん...

松田優作さんじゃなくともつい「なんじゃ こりゃ!?」ってくちからでちゃう本。 久々のショーゲキ。w これでしか『日本人』を知らんかったら日本人ってみんな体がやわかいんだな って思うかも。 なにあの立位体前屈(爆! とか笑いながら言ってるけど、文字情報だけ(しかも超曖昧!)であんだけの絵を描いたモンタヌスさん、すごいっちゃぁすごいよね。 お疲れさま。

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2013/07/22

何この日本・・・と言うくらい異色で気色。 幻のジパングとはこういう国だった。 アジアとヨーロッが混合されて出来あがった恐ろしい想像の国のイメージは、見ているだけで楽しい。 現代の情報の豊かさが身にしみる一冊。 まさに伝言ゲームというのはこういうことなんでしょうな。

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2013/07/20

上質な紙を使った、とてもきれいな本。一見美術書のよう。でも中味はマヌケなんだよね。アハハと笑いながら、自分も、時間的空間的に遠い国や文化についてのビジュアルイメージを絵にしたら、とんでもないものができあがるのではないかしらん、と我が身を振り返ってしまいました。

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2013/07/11

奇本である。 アルノルドゥス・モンタヌスは17世紀オランダの宣教師・歴史学者である。世界の地理や歴史に関する書物を多数著わしている。日本に関する本は、豊富な挿絵つきの『東インド会社遣日使節紀行』(『日本誌』と称される)が知られている。だが、(ここがポイントだが)本人は一度も来日...

奇本である。 アルノルドゥス・モンタヌスは17世紀オランダの宣教師・歴史学者である。世界の地理や歴史に関する書物を多数著わしている。日本に関する本は、豊富な挿絵つきの『東インド会社遣日使節紀行』(『日本誌』と称される)が知られている。だが、(ここがポイントだが)本人は一度も来日していない。 本書は、このモンタヌスの『日本誌』に、エッセイストの宮田珠己がひたすらツッコミを入れていくスタイルである。 これは、この時代の西洋に日本がどのように捉えられていたのかを知る感嘆の書であり、それがいかに誤っていたのかを目の当たりにする驚愕の書であり、挙句の果てに何だか感動すら覚えてしまう稀有な書である。 そもそも着物の構造がおかしい。まるでギリシャ神話のようだったり、つんつるてんだったりで、どのように着るのか、描いているものもわかっていないに違いない。 お辞儀は手をぶらんとさせ、まるでラジオ体操の「からだを前後にまげる」運動の前半部分のようである。 仏像はことごとくおかしい。方広寺の大仏は、女性的であるという描写がどこかでねじ曲がったものか、妙に妖艶である。仁王は悪魔の像とされ、狛犬は獅子のようである。 全般に、中国とインドとどこかの南国とヨーロッパのイメージが微妙に加わり、ぐちゃぐちゃっと再構成されたような具合だ。 あらまぁ、これは何がどうしてこうなっちゃったんだかねぇとしばし口を開けて考え込んでしまうくらい、壮大なスケールの支離滅裂さである。 例えば、ちょんまげで裃を着けた武士を見た外国人がいたとする。これを文章で書き表す。そしてそれを何人かの人が間に入り、自分の言葉で言い換え、あるいは人に話し、あるいは書き残す。途中で別の国の別の風俗が混じり込む。何段階かのクッションが入ったそうした伝聞を寄せ集め、それを元に絵に描こうとすると、本来の姿とは似ても似つかぬものになることは何だか想像がつく。大規模で複雑な伝言ゲームである。 しかし、彼らはそうまでしても興味があったのだ。遠い、あこがれの国はどんな国なのかと。そんな情熱になんだか感動してしまう。「これは日本じゃない!」と声を大にして言わねばならないことを一瞬忘れて。 そう思う一方で、遠くに存在するということは理解を困難にするものであり、かつてはこれほどの大きな誤解があったことを思えば、わかり合うまでには、双方の努力が必要なのだ、ということにも思い至る。 鎖国という状況があったにせよ、宗教も社会組織も衣食住もまったく異なるとなれば、なかなか伝わるものではない。 へぇぇと感嘆した後で、何だか考えさせられてしまう、まったく不思議な本である。 *宮田珠己(通称:タマキング)が書く旅エッセイは非常におかしい。しかしそれがどうおかしいのかを説明しようとすると途端におかしくなくなってしまう誠にクセモノの文章である。こればっかりは未読の方は読んで下さいというしかない。タマキングとモンタヌス、いずれが欠けてもこの本は誕生しなかった。二者、よくぞ出会ったり。 *巻末の参考文献はかなり突っ込んだ感じである。本文は軽い筆致だが、著者は相当いろいろな資料に当たっていると思う。

Posted byブクログ