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おかしなジパング図版帖 の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2022/06/01

日本はヨーロッパから遠く、鎖国までしちゃったので、未知への憧れのようなものをもって捉えられていたらしい。そこで、そんな日本を紹介します、ということでオランダ人絵師が本を出したのだけど、なんと此奴、日本に来たことがないという。 「オランダ人、見てきたような嘘を描き」 とはい...

日本はヨーロッパから遠く、鎖国までしちゃったので、未知への憧れのようなものをもって捉えられていたらしい。そこで、そんな日本を紹介します、ということでオランダ人絵師が本を出したのだけど、なんと此奴、日本に来たことがないという。 「オランダ人、見てきたような嘘を描き」 とはいえ、当時としてはこれがもっともリアルな日本だったのだ、とか… 当時の日本に石造の建築は殆ど無いと思うが、城や寺も石で出来ていたり、服装はシルクロード的というか、諸星大二郎の描くアジア世界の雰囲気もあったりして、かと思うと宗教施設は妙にヨーロピアンだったり、とにかくこりゃ日本じゃねえだろという描写が連発される。最初のうちは解釈を噛みしめようと挑戦するのだけど、そのうち無駄な努力だとわかる。 いや、もしかして当時の真実はこれで、国内では規制された記録だけが残っている…んじゃあないだろうけど。本書はその挿絵のインパクトに、絵ばかりに気持ちがいってしまうのだけど、文字の描写もなかなかすごい。 切腹は、些細な理由で親の面前で幼い男児がしばしば行う、だとか、大仏がバカでかくて、鼻の穴から人が入れたとか、いったい何を指しているのかわからない「ハルボレ坊主」という森林僧は、30歳になると魔術を学ぶという。これ、もしかして30歳まで童貞だと魔法が使えるという元ネタか? あげく、日本の創造神は、四本腕で色黒、冠を戴いている。悪魔も一緒に描かれているし。 とはいえ、よくこれだけ描いたよ。アンタはすごい!

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2015/04/27

中世の伝聞のおもしろさ 笑。 同時にイメージを伝えるときに具体的であることの大切さを学ぶ。面白かったです。

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2014/07/08

内容もそうだが、まずこの帯が秀逸だった。 「いったい、ここはどこなんだ?」 本の装丁もタイトルも私好みだけど、なによりこの帯でぐっと興味をそそられた。 この本はタイトル通り「おかしな」ジパングについてのものだ。 1669年にオランダ人のモンタヌスという人物が纏めた「日本誌」に...

内容もそうだが、まずこの帯が秀逸だった。 「いったい、ここはどこなんだ?」 本の装丁もタイトルも私好みだけど、なによりこの帯でぐっと興味をそそられた。 この本はタイトル通り「おかしな」ジパングについてのものだ。 1669年にオランダ人のモンタヌスという人物が纏めた「日本誌」に収録された図版をもとに構成されている。 帯は本当によく言ってくれた。 紹介されている図版は私の知る当時の日本のイメージからは程遠い。面白すぎる。なんだこれ?本当に日本なのか? それもそのはず、モンタヌスも日本に行ったことがないのだ。日本について書かれた話などをモンタヌスの解釈で絵にしたのだから、実際のものと似ても似つかないのもしょうがない。と、いうより日本が、彼らにとって本当に「未知の世界」に限りなく近かったのでしょう。 暇なときにぱらぱらっと捲っては、くすっとさせてくれます。 眠れずに暇な夜にぴったりかと思われます!

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2014/03/09

1 おかしな王国、発見! 2 オランダ使節、珍妙な国を旅する 3 へんてこな人々、あべこべな習俗 4 謎の王ダイロと、武士と呼ばれる戦士たちの世界 5 得体の知れない宗教 6 世界の片隅で歴史は動く

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2014/03/08

日本についての情報が少なかったその昔、又聞きやインスピレーションで描かれた日本紹介図集。 私もあまり歴史に詳しいとは言えないので、いやひょっとするとそういう文化・服装も実際あったのかも、と思ったりもしつつ、まさかのSEXY大仏には笑わせてもらいました。 勘違いの理由に納得いくこと...

日本についての情報が少なかったその昔、又聞きやインスピレーションで描かれた日本紹介図集。 私もあまり歴史に詳しいとは言えないので、いやひょっとするとそういう文化・服装も実際あったのかも、と思ったりもしつつ、まさかのSEXY大仏には笑わせてもらいました。 勘違いの理由に納得いくこともあって、お犬様な阿弥陀如来像がお気に入りかな。 写実的に描かれた日本人は総じて辛気臭いっていうのは、まあ元々日本人ってわりと辛気臭…ごほん! 著者のツッコみたい気持ちがよく伝わるユニーク本でした。

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2014/02/06

16世紀頃、日本に来たことがなかったモンタヌスさんが、想像で描いた日本のイラスト集。日本と言うよりは、インドとモンゴル、そして中国が混ざった感じ。こんな不思議の国って想像されてたのなら、そらヨーロッパの人もいろいろ誤解するよね。信長が女神みたいに描かれてるのは斬新。

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2013/11/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

 オランダ人モンタヌスが1669年に著した『日本誌』。 当時ヨーロッパでは未知の国の不思議な文化や風俗を伝える 出版物は、人気があったらしい。そこに乗っかる形でモンタヌスは 日本に関する情報を集め網羅的に取り上げた。 既出の主に文章による情報を、豊富な挿絵とともに紹介したこの 本は画期的なものだったそうだけれど、実際に日本を訪れた ことのないモンタヌスの想像力やら思い込みやらなんやかんやで、 結果的に世にもヘンテコで摩訶不思議な日本が紹介されていた。  ということで、モンタヌスのヘンテコな日本の挿絵を中心に、 宮田珠己氏の解説とツッコミで紹介されている。 挿絵だけではなく、文章のおかしな記述もたっぷり載っている。  モンタヌスの頭の中にある日本は、どれもツッコミどころ満載である。 時々日本人宣教師やシーボルト等による絵も出てくるのだけれど、 それらが妙に写実的で近いセンを行ってるので、モンタヌスの ヘンテコ具合がより際立って見える構成が心憎い。 なんやそれ、何処やねん!なんでやねん!! ラジオ体操的なお辞儀、最高!  わけがわからないなりにも、このモンタヌスの絵には躍動感 であったり、活き活きとした人々の描写だったり、味があって 眺めていると面白い。 そして、日本らしさはどこにもほとんどない。 モンタヌスの手にかかれば、大仏像も千手観音像も釈迦像も かなり愉快な別物にされてしまっている。 なんなんだ!!  この本を手にしなければ、この摩訶不思議で恐ろしく面白い モンタヌスワールドを知らずにいただろうなと思うと、 宮田珠己さんに感謝せずにはいられない。

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2013/11/02

江戸時代に外国の人が日本を訪れるのは制限がありました。 そんな中で日本の状況を正確に外国に伝えるのは無理がありました。 その上で、日本の報告書を元に、行ったこともない人が挿絵を描いた本なんて、 そりゃ、変な伝わり方をしているのは必至です。 この本は、そんな「変な日本人」を描いた本...

江戸時代に外国の人が日本を訪れるのは制限がありました。 そんな中で日本の状況を正確に外国に伝えるのは無理がありました。 その上で、日本の報告書を元に、行ったこともない人が挿絵を描いた本なんて、 そりゃ、変な伝わり方をしているのは必至です。 この本は、そんな「変な日本人」を描いた本を取りあげて、 「ほら、これ変でしょう?」と紹介する本。 変な絵になってしまった事情も、それを取り巻く状況もきちんと書いてあるので、 正直だとは思いますが、「そんな事情があったんだから許してやってよ」とも 思うのです。なんだか書いた人がかわいそう。 絵はたしかに面白いんですけどね。ありえない風習が書かれていたり、 西洋風の兜をかぶってたり、中国風の扇子を持ってたり。 謎の彫刻、謎のお辞儀。たしかに、面白い。 でもこれだけたくさん並べると、やはり「書いた人、かわいそう」の思いが一番募りました。 最後には笑えなくなってしまいました。

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2013/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

モンタヌス…なぜジパングに興味を持ったのか? 絵の表現力は躍動的でいいのだけど、 描いていることが意味不明(^^; 思わず笑ってしまいそうな作品の数々。 一度は見ておいても損はしません!(笑)

Posted byブクログ

2013/10/29

17世紀のオランダ人モンタヌスが書いた日本紹介本で使用された挿絵を解説。モンタヌスは来日経験がなく、様々な伝聞や情報を収集し、絵師に指図して挿絵を書かせたために荒唐無稽ものとなっている。

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