ハルさん の商品レビュー
はじめての作家 児童文学から出発されたとか すいすい読める文章で気持ちよくページを閉じました ラスト、うるうるしたりして 《 ふうちゃんが 僕の手はなれ 飛び立つよ 》
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天国の瑠璃子さん。 僕たちの「娘は今日、お嫁に行ってしまいます。 感動の声続々。 父と娘の心温まるミステリ という帯に思わず手にしてみた。 仄々していて面白いが、娘のいる父親としては「さぁ大泣きするぞ」と期待し過ぎてしまった。自分のせいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
※ものすごく辛口です。あとがきにも触れています。 本屋で平積みされていたので期待したのですが、久々のはずれでした。 大外れではないのですが、あらすじから期待するほどのものではなかった。 父娘もの、というのは一つの確立したジャンルです。 異性であり、『育てるもの』としての役割としてはマイノリティーである父親が、一般的に早熟といわれる娘をどう育てるのかというところは物語にしやすい設定だと思います。 漫画ではありますが、榛名七恵『papa told me』などはその代表格です。 自営業で創作にかかわる特殊な職業、熱愛していた奥さんを亡くし、再婚なんてとんでもないな父親としっかりものの娘さん、話の分かるおばさんの存在という設定も似ています。精霊的な位置づけの母親も似ています。 もちろん中身の方向性は大きく違うし、papa~はどちらかというとマイノリティーであるということに重きをおいているのでパパとちせちゃんの間柄はどこまでもファンタジーなので、現実的(?)な本作とは趣が違うのですが、それを差し引いても作品として弱い。 正直、どこが絶賛の対象なのかわからない。 父娘マイナス母の構図+日常の謎という売れ線を合わせただけで、それをいかしているとは到底思えません。 トリックそのもののロジックや意外性も弱いのに、同じ創元から出ている他作者の抒情ミステリほど雰囲気があるわけでもないと思います。 とにかく、一番肝心なハルさんとふうちゃんのキャラが弱い。 葛藤や悩みなどが、記号的な感じでどうしても真に迫ってこない。 作者がこのふたりをちゃんと作っていないまま、書いているとしか思えない。 作者がハルさんやふうちゃんのなかに入らず、遠巻きに眺めながらスケッチしている感じなのだ。 この違和感と置き去り感が気になって、どうしてこの本が絶賛されているのかわからなかった。一番大事な部分ができていない作品なのに。 もちろん、作者がキャラを記号的に扱っている作品は多くあるが、少なくともその記号をその作品の中で正しい位置に置くことを徹底している。 しかし、これにはそれがない。その解答を知らない。例文でこうなのかと無理にいれこんでいる感じがする。 期待が大きかっただけに、最後まで読み切って本当にがっかりしました。 上記の違和感はあとがき読む前であることを言い切ります。 なぜなら、あとがきでこの違和感と符合する作者の生い立ちが書かれているからです。 作品を読んでこのレビューを読まれた方はあとがきにひきずられた感想と思われるかもしれませんが、そうではないことは明記します。 どちらかというと、児童文学の人ならではの書き方なのかな、と最初は思ってました。
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人形作家ハルさんが一人娘ふうちゃんの成長を見守る物語。 娘の結婚式の日に今までの日々を思い出すという形で綴られる連作短編集。思い出にはいつもちょっとした謎が含まれています。その謎を解く切っ掛けを与えてくれるのが、亡くなった奥さんの声。この声をファンタジー的に考えるかハルさん自身が...
人形作家ハルさんが一人娘ふうちゃんの成長を見守る物語。 娘の結婚式の日に今までの日々を思い出すという形で綴られる連作短編集。思い出にはいつもちょっとした謎が含まれています。その謎を解く切っ掛けを与えてくれるのが、亡くなった奥さんの声。この声をファンタジー的に考えるかハルさん自身が作り出した内なる声と考えるか、という部分には焦点は合いません。いや謎自体も判り易いもので物語のスパイスのようなもの。奥さんの声もふうちゃんを信じましょうというものが多く、描く焦点は親子の成長譚に合わせられています。 そう、このハルさんが何とも頼りない感じなのです。だから娘の成長を見守る親の成長を描いた物語なのかも。その眼差しが温かいんですよね。
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小さかった頃の娘を思い出し、話が進むにつれ今度は娘の未来を思い、涙しました。母親なのに…。パパには読ませられないな。きっと落ち込んじゃうから。
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こういうの好きです。日常ミステリというのでしょうか? 誰も死なないし、誰も不幸にならない、日常的な謎を解いていくお話。幽霊モノのようでそうでもないのも素敵ですね。ふうちゃんがかわいかったです。
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本:藤野恵美著「ハルさん」 著者の文庫版あとがきを読んで、引き込まれるように読み始めた。心温まるミステリー連作という評も魅力だった。けれど読み始め当初はいかにも児童文学者の女性の感性で書かれている柔らかい風のような作品と感じ、今はもう少し骨っぽいミステリーを読みたかったななどと思...
本:藤野恵美著「ハルさん」 著者の文庫版あとがきを読んで、引き込まれるように読み始めた。心温まるミステリー連作という評も魅力だった。けれど読み始め当初はいかにも児童文学者の女性の感性で書かれている柔らかい風のような作品と感じ、今はもう少し骨っぽいミステリーを読みたかったななどと思っていました。ところが読み進むにつれ、娘を持つ男親にとってはまさに親の思いはその通りと言えるストーリーが展開。結局一気読み。少し涙ぐみました。
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読み終わって作家さんを検索してみたら、児童書も書かれていて納得。読みやすいし、ミステリーっていうよりも謎解きっていう感じ。個人的にすごく好きでした。ハルさんみたいなお父さん憧れる。
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ハルさんは47歳の人形作家。 一人娘のふうちゃんが産まれてすぐに奥さんの瑠璃子さんを亡くし、男やもめでふうちゃんを育ててきた。 今日はふうちゃんの結婚式の日。 瑠璃子さんの墓参りをし、タクシーで結婚式場に向かいながら、今までふうちゃんを育ててきた中で印象的だった事件...
ハルさんは47歳の人形作家。 一人娘のふうちゃんが産まれてすぐに奥さんの瑠璃子さんを亡くし、男やもめでふうちゃんを育ててきた。 今日はふうちゃんの結婚式の日。 瑠璃子さんの墓参りをし、タクシーで結婚式場に向かいながら、今までふうちゃんを育ててきた中で印象的だった事件を回想します。 消えた卵焼き事件 (幼稚園) 夏休みの失踪 (小学4年生) 涙の理由 (中学2年生) サンタが指輪を持ってくる (高校3年生) 人形の家 (大学1年終了後の春休み) それぞれの事件でハルさんは危機に陥りますが、そんな時、瑠璃子さんの幻が現れて事件は解決します。 死んだ人が探偵役って、ありですか? しかし、右脳・左脳の役割分担などの通俗的脳科学の本を愛読する私がここで、科学的説明をつけたいと思います。 ハルさんの左脳がパニックに陥って機能不全になった時、それまで眠っていた右脳が解放され、高速回転し、瑠璃子さんの幻を伴って解答を導いたのではないでしょうか。 芸術家であるハルさんの右脳(芸術脳)が発達しているのは当然のことなのです。 ということは、やはり本書の探偵役は瑠璃子さんではなく、ハルさんなのであります。 ふうちゃんは大学卒業と同時に結婚。 今は婚期が遅れる傾向があるから、結構早い結婚です。 この早い結婚も、ふうちゃんの成長が早くてあっという間だったという効果をあげています。 結婚後は海外で働く夫に着いて行く予定とは、今頃の結婚事情とは違いますね。 第五話 人形の家 で、ハルさんは、搭乗ゲートから出てくるふうちゃんを迎えています。 一度最後まで読むと、この場面が違って見えますね。 それにしても、浪漫堂さんは結婚されたのでしょうか? 代々続く肖像画の続きがないのは悲しいのですが。 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140811/p1
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ぼんやり者の自分ですが、しっかり者の奥さんがいて(もちろん健在しています)、ちょうど最近娘が生まれたこともあり、すごくタイムリーに思って第一話を立ち読みしたところで購入を決意しました。 奥さんと結婚できたことと、今やりがいある仕事が出来ていることとを、心から誇りに思っている、と...
ぼんやり者の自分ですが、しっかり者の奥さんがいて(もちろん健在しています)、ちょうど最近娘が生まれたこともあり、すごくタイムリーに思って第一話を立ち読みしたところで購入を決意しました。 奥さんと結婚できたことと、今やりがいある仕事が出来ていることとを、心から誇りに思っている、ということを、娘には真摯に伝えていこう、と思いました。 まだ生まれて間もないですが、ハルさんのように娘の成長を思い返して、胸が一杯になる日が来るかと思うともう、、 娘を持つ父親は、家族に内緒で黙って読んで、気合いを入れ直すべし。
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