大絵画展 の商品レビュー
美術への熱がアツいよ!こんなに書かなくてもいいんじゃないかな…なんて何度か思ってしまって、なかなかプロットに集中出来ず…。 虚実織り交ぜながら脈々と繋がる絵画の歴史に、これは覚えられない!と匙を投げてしまう瞬間が何回かあったのは自分の力不足。 肝心の内容はトリックからオチまで文句...
美術への熱がアツいよ!こんなに書かなくてもいいんじゃないかな…なんて何度か思ってしまって、なかなかプロットに集中出来ず…。 虚実織り交ぜながら脈々と繋がる絵画の歴史に、これは覚えられない!と匙を投げてしまう瞬間が何回かあったのは自分の力不足。 肝心の内容はトリックからオチまで文句なくまとまっていて、風呂敷の広さとその畳み方が本当にお見事…!
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結末が気になって一気読みした。 だからといってすごく面白かったというわけでもない。 親のすねをかじっては事業に失敗している金持ちのボンボンが投資詐欺にあう話がまずあり、次いで銀座のホステス崩れが、借金取りから逃れようとして金持ちの客から聞いたうまい話にまんまとひっかかる話...
結末が気になって一気読みした。 だからといってすごく面白かったというわけでもない。 親のすねをかじっては事業に失敗している金持ちのボンボンが投資詐欺にあう話がまずあり、次いで銀座のホステス崩れが、借金取りから逃れようとして金持ちの客から聞いたうまい話にまんまとひっかかる話が続く。このあたりのストーリーがとても上手くて、バブルが弾けた後の人間模様が良く描けているなあ、と感心していたのに、後半まで読み進めていくうちに、このストーリーは必要だったのか?と疑問に感じた。 もう一人重要な人物が登場するのだが、こっちのほうのエピソードはあっさりしていて、なんだか分量の配分がおかしい。 そして最後の謎解きの説明に、50ページくらい割いている。こんなに長い分量を解明に使うミステリーは読んだことがない。もうちょっと設定を簡略化したほうが、しっくりくるし、現実味が出てくる。いろんな要素を盛り込み過ぎて、だんだん現実離れしていったのが残念。 伊坂幸太郎もこんな展開の小説を書くが、彼のほうがすっきりしていてなおかつ面白い。たぶんこの作家に足りないのは物語を削ぎ落とす勇気。 でも、まあ欠点はあるけど、読んで損はしない。映像化したらすごく面白くなると思う。絵画ビジネスや画壇の有象無象がわかって面白い。絵は美術館で眺めているくらいでちょうどいい。間違っても所有欲なんか持たないようにしようと思った。
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面白~~(笑) 全ての始まりは一人の中年医師のちっぽけな肖像画。 誰がこんなおじさんの肖像画を欲しがるだろうか。 ただ、それを描いたのがゴッホだったというだけだ。 ゴッホの「ガシェ」、絵画バブルの頃百数十億の値を付けられ日本に渡るが、その後行方不明に。 実際は銀行の債権として倉庫に眠っていた!! そして詐欺にあい絶体絶命の淵に追い込まれた人間が、逆転を狙い大勝負に出る!! 先の読めないコンゲーム、ゲームを描いたの黒幕は誰なのか? そしてめくるめく終焉へ。 普段は誰もやってこない田舎の穏やかな春の日に偶然にも「ソレ」見ることができた人は幸せだったろう。
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最近、絵画を扱った小説にちょっと凝っている。写楽やアンリ・ルソーやら。でもって本書はゴッホ。といっても現代のお話。オークションやらバブル時の日本の買い占めによる値段の高騰やらで、それほど注目されていなかった作品にもとんでもない値段がつき、おかげで人目に触れる場所で展示されることも...
最近、絵画を扱った小説にちょっと凝っている。写楽やアンリ・ルソーやら。でもって本書はゴッホ。といっても現代のお話。オークションやらバブル時の日本の買い占めによる値段の高騰やらで、それほど注目されていなかった作品にもとんでもない値段がつき、おかげで人目に触れる場所で展示されることもなく。作品は盗まれて、それぞれの思いに翻弄される。 途中で話がこんがらがって来て少しわかりづらいのが課題かな。 ちょっとストーリーを工夫しすぎた気がする。
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一枚の絵画、ゴッホの「医師ガシェの肖像」から物語ははじまる。 騙し騙されのコンゲーム小説。 とても好きなジャンルなのだが、何故かそれほどはまらなかった。 決して面白くないことはないのだが…。
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最初の詐欺エピソードが鮮やかで引き込まれた。 その後は予想もつかない展開。 面白かったけど、ミステリ研究会の人がもっと複雑なトリックを!と考えたような印象。
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2013/3/12 Amazonより届く。 2015/9/25〜9/29 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。 ゴッホの作品を巡るコン・ゲーム小説。実に複雑に巡り張られた多重構造が素晴らしい。それよりも何よりも衝撃的だったのは、解説での大森望氏の文章。木部美智子シリーズ三部作からしばらく作品が出なかった裏にはそんな事情があったとは。次作の『腐葉土』は木部美智子シリーズの集大成とも言える作品らしいので、読む時が巡りくるのを楽しみにしよう。
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