大絵画展 光文社文庫

望月諒子【著】

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2013/03/12
• JAN: 9784334765491

商品レビュー

2024/10/26

デザイン事務所の経営に行き詰まり、借金に追われているところに持ち込まれたうまい話に乗って1000万円を巻き上げられた壮介。1000万円の借金の取り立てに疲れ、うまい話に乗せられて500万円を巻き上げられた茜。巻き上げられた会社に出向いたところ、同じく詐欺にあったという城田と鉢合わせし、とある銀行の倉庫にある絵画を盗んで借金を返そうと計画する。その絵画の中には、バブルの時代に180億円で競り落とされた、ゴッホの『医師ガシェの肖像』が含まれるという…。

色々惜しい作品。裏表紙になんとか新人賞を取ったとか書かれて入るが、これが?という感想。

絵を奪って、そこから換金するという部分のストーリーは良いのだが、あれこれ付属するサブストーリーが散漫なので、何をいいたいのかという部分が多い。

また、全般にわたって主語を意図的にかけずられており、だれが発した言葉だったのか、だれが行ったことなのかがわからず、なんでここまで意味が取れないのか?と不思議に思う。終盤で種明かしがあるのだが、何故に会話になっているのかも意味がわからない。

最後にものすごく綿密に作られた計画であるということで逃げているのだが、時系列も理解しづらくて、読みながら、おかしいんじゃないかと疑問を持つ所も多い。

最後でハッピーエンドにしたのもなんだかな。不幸な2人は不幸なままで終わってはいけなかったのだろうかね。

2024/07/22

近代絵画ブームにかこつけて、さらにはバブル経済を過信した輩が買い集めた絵画が倉庫に眠っていることを知った詐欺師が、鴨を取り込んで金儲けを企む物語だが、バブル時代を現役時代に経験した小生としては、このようなことを発想する連中が居ても想定外ではないと感じた．鴨になったのが、筆坂茜と大浦壮介だ．二人が倉庫に忍び込んで絵画の入ったコンテナをぬ住みだす件が楽しめた．ゴッホの例の絵は、模写したものが現実に何点かあり、どれが本物かは未だに分からない由．ゴッホも罪なことをしたものだと、天国から眺めているだろう．

2024/01/08

第14回 日本ミステリー文学大賞 新人賞 受賞作品

初めて読む作家さん。
ジャケ買いした作品だった。

名前や設定の複雑さ、内容の詰め詰め感が
少し読みづらく、少々混乱もしたけれど…

途中から先が気になり
後半は たたみかけるように
一気に読んでしまった！
読後感サイコー！な終わりかた

最初は 私には重くて…ちょっと
読んでいて心苦しい感じがしたけど
最後まで読むと とてもスッキリ！

内容と人物を かなり把握した今
もう一度 読んだら
もっと もっと面白くなるぞ！と感じた。
正されるべき所は正す！
うん。良かった！

読みづらさがあった分 星控えめ。
限りなく4に近い。2回目読んだら
評価も変わりそう 笑