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桜ほうさら の商品レビュー

3.9

260件のお客様レビュー

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    55

  2. 4つ

    117

  3. 3つ

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2016/02/27

この本は、一度断念している。 50ページほど読んで、どうにも波に乗れず、一度は読まずに図書館返却した本。 それを忘れて、タイトルに惹かれて再び借りてしまい、再び読み始めて、「あの本だった」と気づいた。 でも、今回は、波に乗ることができ、楽しんで読むことができた。 ラストは、...

この本は、一度断念している。 50ページほど読んで、どうにも波に乗れず、一度は読まずに図書館返却した本。 それを忘れて、タイトルに惹かれて再び借りてしまい、再び読み始めて、「あの本だった」と気づいた。 でも、今回は、波に乗ることができ、楽しんで読むことができた。 ラストは、悲しいストーリーで、重苦しい雰囲気に飲まれそうになったが、オーラスの笙之介の前向きな生き方にホッとした。 長屋の人情味溢れる人間模様がとても心地よい。 『心を捨てることができない限り、人は想いを抱く。ここの想いが違えば、ひとつのものに向き合っても、そこから見て取るものは大きくかけ離れてしまう。求めるものも異なってゆく。』 ささらほうさら。

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2016/02/20

お話は江戸時代、町人文化の花開いた文化、文政の頃。主人公の青年、古橋笙之介の父は藩の小納戸役を務めていた武士でしたが、突然身に覚えのない収賄の罪に問われ、蟄居中に切腹したのでした。古橋家は廃絶し、笙之介と兄は母の実家に謹慎した後、それぞれ別の場所で暮らし始めました。武士らしからぬ...

お話は江戸時代、町人文化の花開いた文化、文政の頃。主人公の青年、古橋笙之介の父は藩の小納戸役を務めていた武士でしたが、突然身に覚えのない収賄の罪に問われ、蟄居中に切腹したのでした。古橋家は廃絶し、笙之介と兄は母の実家に謹慎した後、それぞれ別の場所で暮らし始めました。武士らしからぬ行動で笑いの種になっていた父、笙之介は自分に似た性格の父を好いていたのですが、兄は正反対で負けず嫌い、兄は温和な父を嫌いそんな勝気な兄を溺愛していた母という構図でした。母は3度目の嫁ぎ先にも関わらず、格下の古橋家に嫁いだことを不幸に思っていたのでした。兄のためとお家の再興を画策する母の願いに表向き応える形で江戸に出てきたのですが、実のところは藩の江戸留守居役を務めている坂崎重秀の差し金でした。父の濡れ衣をはらすため、隠謀の相手を見つけ出せ、との命を受けたのです。そのためには父が自分自身で書いたものと見間違うほどの証文を書いた偽文書作りの達人を探さなければなりません。人情味のあふれる長屋で暮らす日々に突然桜の精と見紛うようなひとが現れます。そのひとは訳ありの事情を抱えた和田屋の娘、若香でした。気丈な彼女の存在が陰に陽に笙之介の助けとなります。思わぬ事件に巻き込まれながらも少しずつ父の負った隠謀の全容が明らかになっていくのですが‥この頃の町人の日々の暮らしや武士故の処世の仕方、密かな人の繋がりなど様々な場面が登場し、いつしか事件が核心に近づく筆致はさすが宮部みゆきならではです。クライマックスは手に汗を握る場面でした。 桜ほうさら‥「ささらほうさら」の色々あって大変だと言う意味の甲州ことばに掛けた題名で救われます。

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2016/02/16

「ささらほうさら」が「桜ほうさら」になったんだね! それにつけても古橋笙之介という吾人、憎めないねぇ。

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2016/02/14

四つの話しが繋がって一冊。分厚いと思っていたけど、やはりちょっと長かった;血が繋がった家族でも性格の合わないのもいるし、現代とは違う身分制度で大変だななどとチラリ。笙之介と和香さんがいい感じになってよかった!

Posted byブクログ

2016/07/13

2月-1。4.0点。 宮部みゆきの時代物。 父親が賄賂不正の疑いを掛けられ切腹した、主人公。 冤罪の疑いを持ち、藩の江戸留守居役の元で真犯人 を探す。 長屋の情景や、恋など、人情味溢れる物語。 ラストもとても良かった。 続編は難しそうだが、是非読みたい。

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2016/01/17

嘘は釣り針に似ている。 返しがついていて容易に抜けない。 無理に抜けば心をえぐる。 人は目でものを見る。 目で見たものを心にとめる。 心が見たものを解釈する わからぬものは、 まず泳がせる。 泳がせてじっくりと見つめる。 じっくりと見つめてから正しい理解へと向かう。 人は生...

嘘は釣り針に似ている。 返しがついていて容易に抜けない。 無理に抜けば心をえぐる。 人は目でものを見る。 目で見たものを心にとめる。 心が見たものを解釈する わからぬものは、 まず泳がせる。 泳がせてじっくりと見つめる。 じっくりと見つめてから正しい理解へと向かう。 人は生きる。 一途に生きる。

Posted byブクログ

2016/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館より。 しっかり読了。やっぱり宮部みゆき氏の時代物は重たい。でも、それがいい。 さらりと読むつもりがガッツリ。久しぶりに読んだ時代物だけど、やっぱりいいね~。

Posted byブクログ

2016/01/02

いろんな事に悩んで迷って蹴躓いて倒れても、 最後に「ささらほうさらな一年だったね」と笑えて立ち上がれたらちょっと素敵な年になる。

Posted byブクログ

2015/12/10

別に嫌いなジャンルじゃなくて、むしろ大好物なのになぜか読み終わるのに3回くらいチャレンジしてやっと読み終わりました。 性格のタイプで家族が割れるって彼ら程ではなくても経験があります。 笙さんは幸せな家族が作れるといいなあと思いました。

Posted byブクログ

2015/10/08

表題から、もっと軽い時代小説かと勝手に思っていましたが、とっても深い話でした。 設定がかなり辛いもので、ただ、あまり不幸を感じさせない主人公の性格が、すうっと読めた要因なのかもしれません。 明るい終わり方で、ホッとしました。 続編があるといいですね。

Posted byブクログ