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桜ほうさら の商品レビュー

3.9

260件のお客様レビュー

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    55

  2. 4つ

    117

  3. 3つ

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2014/03/05

宮部みゆきの本に出てくる人は、みな底抜けに優しい気がする。脱線、中だるみ、不十分な謎解きなどもあるものの、登場人物たちの優しさにほんわかしてしまう。 それぞれが決して順風満帆で幸せな人生を送ってきたわけじゃないのにね。もちろん悪人も出てくる。けど、辛い目にあった人が悪人にならず、...

宮部みゆきの本に出てくる人は、みな底抜けに優しい気がする。脱線、中だるみ、不十分な謎解きなどもあるものの、登場人物たちの優しさにほんわかしてしまう。 それぞれが決して順風満帆で幸せな人生を送ってきたわけじゃないのにね。もちろん悪人も出てくる。けど、辛い目にあった人が悪人にならず、その分、人に優しくできる、そんな人達を描いてくれるところが作者の魅力かも。

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2014/02/16

宮部氏の時代小説はやはり安定しているなぁと思いました。 読みやすいのはもちろんのこと、登場人物の心の機微や物語の流れがとても丁寧に描かれていて安心して読み進めることができました。 ただ、他の著者の時代小説と比べるとこれと言った目立った違いはあまり無い作品でしたが、物語終盤での展開...

宮部氏の時代小説はやはり安定しているなぁと思いました。 読みやすいのはもちろんのこと、登場人物の心の機微や物語の流れがとても丁寧に描かれていて安心して読み進めることができました。 ただ、他の著者の時代小説と比べるとこれと言った目立った違いはあまり無い作品でしたが、物語終盤での展開は予想外の展開で、登場人物それぞれに考えがあって信念があって物語があって人生があって生きているんだなぁと感じました。 また、この物語は主人公・笙之介の物語だと思っていたものが、最後には多くの人々の物語であったような、そんな不思議な感覚にもなりました。

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2014/02/13

図書館に予約していたのがやっと届きました^ ^ 支流の3章+まとめの本流最終章と言う構成。 宮部さんの時代ものではお決まりのパターンと言いますか。定番な感じです。 陰謀話、仇、過去のトラウマ、母子の対立、侍のあり方、長屋住まいの助け合い、すれ違う思い出…などなど、様々な事柄が...

図書館に予約していたのがやっと届きました^ ^ 支流の3章+まとめの本流最終章と言う構成。 宮部さんの時代ものではお決まりのパターンと言いますか。定番な感じです。 陰謀話、仇、過去のトラウマ、母子の対立、侍のあり方、長屋住まいの助け合い、すれ違う思い出…などなど、様々な事柄が描かれています。 そこ謎解きしないまま?!ってモヤモヤの残る部分があり、若干肩透かし喰らった気分は残りますが、遅読の私がサクッと読めたので、やはり面白いのだと思います。 和香さんは私の中で何となしにぼんくらシリーズの弓之助と重なります。どんどん謎解きしてくれる便利キャラみたいな(爆) 向こうっ気の強さが魅力でしょうか。 途中、じわっとうるっと来る場面も。 お年寄りが素敵。その余裕っぷりと、年の功、ってのが好きです。 読んでいて手書き文字が書きたくなりました。 中核が陰謀・仇・解明、って感じなので軽い内容ではないはずなのですが、タイトルと表紙のイメージからか、ふんわりした読後感。ほんわり、かな。 読み取れる作者の第一のメッセージは、恨めしさに縛られて、全てを決めつけて諦め生きるのは勿体無い、そんなとこでしょうか。

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2014/02/11

下町の人情や若い男女の淡い恋やその心の動きを描写するのがとても上手。 思わず引き込まれて、あっという間に読んでしまった。 笙之介の長屋の面々が優しく温かいのに救われます。 故郷を、地位を、名前を捨てて生きていく笙之介のこれからが幸せに満ちていると良いなと思わざるをえませんでした。...

下町の人情や若い男女の淡い恋やその心の動きを描写するのがとても上手。 思わず引き込まれて、あっという間に読んでしまった。 笙之介の長屋の面々が優しく温かいのに救われます。 故郷を、地位を、名前を捨てて生きていく笙之介のこれからが幸せに満ちていると良いなと思わざるをえませんでした。 そして笙之介クンと和香サンが素敵な家庭を築けますように。 でもしっかりした大人がたくさん周りにいるから大丈夫でしょうね。

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2014/02/08

宮部みゆきの時代小説。読むのにずいぶん時間がかかってしまったけど面白かった。いくつか章があって、本筋とちょっと違う話が膨らんで、若干の中だるみ感がありましたが…。

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2014/02/04

宮部みゆきさんの作品は道徳の教科書のようだ。主人公だけでなく色々な心を読み解き、想像力をつけさせてくれる。 人は人が思い通りにならないことを許すことができず、道を誤っていくのじゃないかなと思って、自分の身も深く省みる。 作品として派手さはないけれど、季節の描写も美しく、主人公...

宮部みゆきさんの作品は道徳の教科書のようだ。主人公だけでなく色々な心を読み解き、想像力をつけさせてくれる。 人は人が思い通りにならないことを許すことができず、道を誤っていくのじゃないかなと思って、自分の身も深く省みる。 作品として派手さはないけれど、季節の描写も美しく、主人公の穏やかな性格もあってゆったり楽しめる。 他の登場人物のキャラクターもしっかり書き込まれていて、楽しい想像も膨らむ。

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2014/02/03

昨年末から読み始めて、今年最初に読み終わった本。 久々の宮部さんです。最初はどうかな?と思ったけど、 よかったです。

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2014/01/25

読んだあとにほっこりした気分になる本。宮部みゆきさんのサスペンスも面白いけど、時代小説も好き。 “ささらほうさら” をもじったタイトルも素敵。 内容紹介 舞台は江戸深川。 主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。 大好きだった父が賄賂を受...

読んだあとにほっこりした気分になる本。宮部みゆきさんのサスペンスも面白いけど、時代小説も好き。 “ささらほうさら” をもじったタイトルも素敵。 内容紹介 舞台は江戸深川。 主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。 大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。 ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。 厳しい現実を心の奥底にしまい、貸本屋・治兵衛が持ってきたくれた仕事に目を開かれ、「桜の精」との淡い恋にやきもきする笙之介の姿が微笑ましく、思わず応援したくなる人も多いはず。 人生の切なさ、ほろ苦さ、そして長屋の人々の温かさが心に沁みる物語。 ストーリーテラー・宮部みゆきの新境地!

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2014/01/23

こわい本である。 桜色の、かわいらしいイラスト入りの本を開けば、裏切りや陰謀、憎しみの心を持った様々な登場人物が生き生きと飛び出してくる。 実家が廃絶となった、古橋笙之介は、写本作りを生業にしながら、貧乏長屋に住んでいる。武士でありながら、剣術を得意とせず、静かに実直に生きた父の...

こわい本である。 桜色の、かわいらしいイラスト入りの本を開けば、裏切りや陰謀、憎しみの心を持った様々な登場人物が生き生きと飛び出してくる。 実家が廃絶となった、古橋笙之介は、写本作りを生業にしながら、貧乏長屋に住んでいる。武士でありながら、剣術を得意とせず、静かに実直に生きた父のように、笙之介も長屋の人々と心静かに暮らす。しかし、夢破れた者達が、母が、兄が、怒りと失意をあらわに笙之介に襲い掛かってくる。 笙之介のように、清く、正しく生きていくだけでは、世の中は許してくれないのであろうか。「手跡はその人を表す」と作中にある。自分の手跡をじっくり見つめて、考えてみたい。

Posted byブクログ

2014/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 剣術や学問に優れるわけでもなく、見かけも大したことのなくたよりない、優しいだけが取り柄の主人公。藩の切れ者の手のひらの上で踊らされてはいるが、江戸の貧乏長屋でおせっかいな住人達と交流し、少しずつ成長していく。平凡な主人公の懸命に生きる姿、真心のあるところがいい話しだった。

Posted byブクログ