桜ほうさら の商品レビュー
奇しくも、桜の花が満開になった4月の頭、図書館で予約していた本書が回ってきた。 淡いピンク色の表紙と、中のページにまで桜の花模様を散らした装丁は、手に取るだけでもわくわくする。紙質や手触りも含め、電子書籍では決して味わうことのできない読書の楽しみのひとつだ。 冤罪で切腹した父親...
奇しくも、桜の花が満開になった4月の頭、図書館で予約していた本書が回ってきた。 淡いピンク色の表紙と、中のページにまで桜の花模様を散らした装丁は、手に取るだけでもわくわくする。紙質や手触りも含め、電子書籍では決して味わうことのできない読書の楽しみのひとつだ。 冤罪で切腹した父親の、背景にある陰謀を探るため、江戸の町で貧しい長屋暮らしをする主人公。 人物が入り組んで、説明口調の多かった1話目の前半はやや読みにくかったが、あとはテンポよく進む。 2、3話は別の事件の挿入かと思いきや、全体の謎解きにも関わる親子間の根の深い愛憎という点で共通する軸となっていた。
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桜色のきれいな表紙と、ページに花模様があり珍しかったので買ったものの、なかなか進まずようやく読み終えた。 途中から少しは面白くなったが、最初はあんまりねえ・・ 時代小説より、現代モノの方が面白い。
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舞台は江戸。主人公は国元で冤罪によりお家取り潰しのうえ、切腹した父の無実を証明するために奔走します。 兄だけをことさらかわいがる母と出世欲も著しい豪傑な兄の下でよくもまあこんなに素直に育ったと思うくらいの主人公。 謀略、裏切りといろいろある中、主人公を囲む人々は信ずるに足る人たち...
舞台は江戸。主人公は国元で冤罪によりお家取り潰しのうえ、切腹した父の無実を証明するために奔走します。 兄だけをことさらかわいがる母と出世欲も著しい豪傑な兄の下でよくもまあこんなに素直に育ったと思うくらいの主人公。 謀略、裏切りといろいろある中、主人公を囲む人々は信ずるに足る人たちばかり。これが物語だとしても、裏切りの中にばかりいると、やはり周りもそんなふうな人たちしか出会えないのかなと思えました。 ささらほうさら…きれいな言葉だと私も思います。こう言われれば、素直にうなずけそうな、そんな言葉です。
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2014.3.29(土)am1:25 読了。最後は急展開。夢中になって読んだ。冤罪を着せられ切腹した父の汚名をそそぐため、主人公は江戸で奔走する。勝之介に自分の弱さを垣間見た。権力や地位欲しさに罪を犯してしまう彼。ひとつのものに括りすぎて周囲が見えなくなることは誰にでもありうる。...
2014.3.29(土)am1:25 読了。最後は急展開。夢中になって読んだ。冤罪を着せられ切腹した父の汚名をそそぐため、主人公は江戸で奔走する。勝之介に自分の弱さを垣間見た。権力や地位欲しさに罪を犯してしまう彼。ひとつのものに括りすぎて周囲が見えなくなることは誰にでもありうる。心をゆがめるのは簡単だが、歪みを直すことは難しい。大人になるにつれ、嘘や建前が増えている私の心はどうなのだろうか。物事の善悪は紙一重。価値観や立場で容易に変わる。頭ごなしに否定したり、表面だけを見て知ったかぶりをすること。「寝た子は起こすな」とは言うけれど、それが正しいこともあるのだろうけど、やっぱりできるだけなくしたい。笙之介に一票。人の縁の重要さも実感。しみじみと様々なことを考える契機となった。作者の次作にも期待!
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舞台は江戸深川。 主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。 大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕...
舞台は江戸深川。 主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。 大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。 ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。 厳しい現実を心の奥底にしまい、貸本屋・治兵衛が持ってきたくれた仕事に目を開かれ、「桜の精」との淡い恋にやきもきする笙之介の姿が微笑ましく、人生の切なさ、ほろ苦さ、そして長屋の人々の温かさが心に沁みる物語。
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ささらほうさら。きれいな音、柔らかい言葉には相手を労う響きがある。 現実は残酷だ。皆どこかしらに抱えた不遇があって、それでも生きるしかない。 謎の代書屋は、様々な目を心を持つのなら、この物語を抱えた宮部先生もまたそうなんだろうか。 笙之介であり、和香であり、富勘長屋の誰かであるの...
ささらほうさら。きれいな音、柔らかい言葉には相手を労う響きがある。 現実は残酷だ。皆どこかしらに抱えた不遇があって、それでも生きるしかない。 謎の代書屋は、様々な目を心を持つのなら、この物語を抱えた宮部先生もまたそうなんだろうか。 笙之介であり、和香であり、富勘長屋の誰かであるのか。 苦くても、厳しくても、哀しくても、それでも愛しい光は残される。だから、宮部ワールドは、人の業に近いのかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
挿絵がかわいい。主人公笙之介のキャラもけっこう好き。「書は人なり」というテーマもおもしろい。 そういうプロットだと言えばそれまでだけど、主人公が踊らされていた・・・という終わり方が不憫。
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心は目に見えないから困る 人は目でものを見る。だが、見たものを留めるのは心だ。人が生きるということは、目で見たものを心に留めてゆくことの積み重ねであり、心もそれによって育っていく。心が、ものを見ることに長けてゆく。 人の世の苦難を乗り越えるためにこそ、学問というものはある
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笙さんが人を信用できなくならなくて良かった 富館長屋の人たちがいい人だからっいうのも あるだろうけど 笙さんの人柄がいい人たちを呼び込むのかなぁと… 真摯に生活するべし。
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1年前から図書館に予約してやっときたと思ったら、NHKで見ちゃった後だったので、読む気がなくなってしまった。
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