黙示 の商品レビュー
農薬そして遺伝子組み換え作物。 農業にとって さけられない 現実。 どのように考えるのか? どう対処したらいいのか? そのことを 問題提起する。 農薬は 必要悪でもなく 毒薬でもない。 適切な使い方が重要と 説く。 ラジコンヘリの暴走。 一般散布とラジコンヘリの散布希釈の違い...
農薬そして遺伝子組み換え作物。 農業にとって さけられない 現実。 どのように考えるのか? どう対処したらいいのか? そのことを 問題提起する。 農薬は 必要悪でもなく 毒薬でもない。 適切な使い方が重要と 説く。 ラジコンヘリの暴走。 一般散布とラジコンヘリの散布希釈の違い。 そのことで、被害にあった子供たち。 その中に、農薬開発者の息子がいた。 自分のつくった物で、自分の子供が被害に遭う。 それでも、農薬は必要と考える 平井。 ネオニコチオイド系農薬が ミツバチに影響がある。 ネオニコチノイドと呼ばれる化合物は、 アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、チアクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラムの7種類。 かなり、蜜蜂との関係は明確になり、人体の影響についても 検討され始めている。 戦場カメラマン 代田が ミツバチを育てる。 平井と代田の対談が じつに 興味深い。 農薬は 第2の放射能だ と代田は言ったことがあった。 農薬から 干ばつをものともしない GMOトウモロコシ。 GMOに対して どう対処するのか? 干ばつによる 食糧不足。 金のあるものが 市場を制覇する。 世界的な天候不順(地球温暖化)による 干ばつによって、 食糧がなくなる そのことで、大きな影響を受ける。 中国が 100万トンから400万トンの米を欲しがる という設定から、減反にたいする 中国の提案。 これが、実におもしろい。 可能性がある。 遺伝子組み換えによる 被害が どんな形で生まれるのか。 遺伝子汚染;除草剤抵抗性をもつ雑草。 対抗進化;ウイルスの進化。 タンパク質の毒性;代謝経路の変化による。 コメを遺伝子組み替えすることは、 現実的に日本はどのような変化が生まれるのか。 米野 そして秋田。 農業に対する方向性を探そうとする。 植物工場、アグリトピア、フードバレー、 原村、淡路島と ひろがる。 うーん。おもしろかった。 カーソンの沈黙の春の警鐘から、 農業に携わる人々がどのように その意志を受け継ぐのか? 増殖しつづけるニンゲンの〈食〉はどうあるべきなのか? 結論を出すよりも 考えるテーマを与える というスタンスが 生きている。
Posted by
#読了。農薬散布中のラジコンヘリが小学生を襲い、目に見えない放射能が農作物を襲う。養蜂家、農薬の開発者、農水省の女性キヤリアを通し、日本の「食と農業」を問う。勉強になり面白く読めたが、最終章がいとも簡単に駆け足で終わってしまったような。
Posted by
GMOや農薬が抱える問題について、感情論ではなく社会問題として捉えた経済小説。相変わらず真山さんの作品は面白い。
Posted by
今回もかなりリアルに現実の問題にメスを入れる。ネオニコ農薬を完全に否定するのではなく、企業勤めの研究者や農水官僚の葛藤を描く。でも裏にはいつも「ジャーナリストがどうあるべきか」というテーマがある。今回はデタラメなメディアに加えて、無責任な市民や実在する企業が出てきて、よりリアリテ...
今回もかなりリアルに現実の問題にメスを入れる。ネオニコ農薬を完全に否定するのではなく、企業勤めの研究者や農水官僚の葛藤を描く。でも裏にはいつも「ジャーナリストがどうあるべきか」というテーマがある。今回はデタラメなメディアに加えて、無責任な市民や実在する企業が出てきて、よりリアリティがある。準主役として官僚がでてくるが、現実に彼らのように大きな視野、長期的な見通しをもって動いてる人間がこの国にいるだろうか? ちなみに連載時の題名は「沈黙の代償」。カーソンへのオマージュ
Posted by
しんどいホンでしたが、終わりごろになってさくさく来ました♪ もっと突っ込んだ内容なのかな・・・・とも思ってんだけど、 キャリアさんのお仕事みたいなことが少しわかってよかったと思う。
Posted by
著者は「ハゲタカ」の作者。農薬と遺伝子組み換え植物とTPPと絡めて、農薬メーカー研究者、農水省キャリア官僚、養蜂家の反農薬活動家、政治家等がそれぞれの思いを実現させようと戦いを繰り広げる。この本で注目すべき点は二つ。一つは有機リン・ネオニコチノイド系農薬の危険性について。もう一つ...
著者は「ハゲタカ」の作者。農薬と遺伝子組み換え植物とTPPと絡めて、農薬メーカー研究者、農水省キャリア官僚、養蜂家の反農薬活動家、政治家等がそれぞれの思いを実現させようと戦いを繰り広げる。この本で注目すべき点は二つ。一つは有機リン・ネオニコチノイド系農薬の危険性について。もう一つは遺伝子組み換え作物の危険性と必要性についてだ。しかし遺伝子組み換えで、この本にあるような砂漠で育つとうもろこしが出来るとも思えないが、将来的に遺伝子組み換え食品を食さざるを得なくなるであろう事は、想像に難くない。それを救うのは、この本に書いてあるような、工場で食品を育てることなのかもしれない。TPP等により日本の農業が、さらに衰退することになると非常に困ったことになるのではないだろうか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
TPP、日本の農業の置かれた今とあるべき未来。この本から、様々なことが垣間見える。先月読んだ誉田哲也『幸福の条件』もそうだったが震災以降、エネルギー、農業、サステナビリティーがポスト東日本大震災・人口減社会ニッポンのキーワードだと思う。遺伝子組み換えは無知だから余計に怖い。無辜の民の無知蒙昧につけこめば、いくらでも恐怖を煽ることができることの証左でもあるのだろうけれども。
Posted by
農薬や遺伝子組み換え植物の話しで、小説とはいえ現実に起こっている出来事が散りばめられたに楽しい読み物だった.農水省の女性キャリアの秋田一恵、養蜂家の代田悠介、農薬メーカーの技術者である平井宣顕.この3人がうまく絡んで話が進む.途中で変な代議士も登場するが、それぞれの個性が全面に出...
農薬や遺伝子組み換え植物の話しで、小説とはいえ現実に起こっている出来事が散りばめられたに楽しい読み物だった.農水省の女性キャリアの秋田一恵、養蜂家の代田悠介、農薬メーカーの技術者である平井宣顕.この3人がうまく絡んで話が進む.途中で変な代議士も登場するが、それぞれの個性が全面に出る形で楽しめた.
Posted by
農業の問題を鋭く突いた、真山仁さんの「黙示」です。 自然教室を開催中の茶畑に、操縦不能になった農薬散布中のラジコンヘリが・・・ 通常、人が散布する時の100倍以上の濃度の農薬を“暴露”(ばくろ)してしまいます。 そして、その中に偶然居た、農薬開発者の息子が重傷に・・・ 冒頭...
農業の問題を鋭く突いた、真山仁さんの「黙示」です。 自然教室を開催中の茶畑に、操縦不能になった農薬散布中のラジコンヘリが・・・ 通常、人が散布する時の100倍以上の濃度の農薬を“暴露”(ばくろ)してしまいます。 そして、その中に偶然居た、農薬開発者の息子が重傷に・・・ 冒頭からいきなり引きこまれます。 農薬の問題、遺伝子組み換え作物の問題、TPP、 爆発的な世界人口の増加と、将来の世界的食糧不足・・・ ズバズバと投げつけられ、直視させられる農業を起因とする問題。 圧倒されました。 どの問題も聞いた事はあっても、当事者では無いような気持ちでいました。 そんなハズはなく、間違いなく誰もが当事者。 先日Facebookで、工場的に生産され、殺され肉になっていく家畜達の動画を見ました。 目をそむけたい。でも知らなければならない現実と、間違いなく訪れる未来の問題。 この本の結末がどうなったのかは、書きませんが、他人ごとではない。 ノンフィクションのような小説です。
Posted by
食と農に関する問題を題材とした社会派小説。ハゲタカの真山仁さん著。 面白くて一気に読みました。 農水省の若手キャリア・農薬開発の研究者・養蜂家、3人の視点を軸にストーリーが進んでいき、農薬反対からのGMO(遺伝子組換え)や世界的食糧危機などの話題に広がっていきます。 普段、...
食と農に関する問題を題材とした社会派小説。ハゲタカの真山仁さん著。 面白くて一気に読みました。 農水省の若手キャリア・農薬開発の研究者・養蜂家、3人の視点を軸にストーリーが進んでいき、農薬反対からのGMO(遺伝子組換え)や世界的食糧危機などの話題に広がっていきます。 普段、道楽的有機農業をやっている私ですが、農薬やらGMOやら、先入観だけの批判は不毛で、問題の本質を正しく理解することが大切だなと思いました。で、農業に多様性は必要なんだろうと。 食という身近な問題にも関わらず、知らないことはたくさんあると思うので、いろんな人がこの本を読んで、食について考えるきっかけになれば良いなと思います。
Posted by