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黙示 の商品レビュー

3.9

58件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/10/01

Kindle版。 短編集「プライド」の中で出てきたテーマを基に問題提起(?)をした長編作品。話の展開で、少し緩い面もありますが、食の安全性を考える上で、農薬や遺伝子組換えも含めて考えさせられる良い作品です。

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2013/09/21

ネオニコチノイド系農薬、遺伝子組み換え作物、農業のグローバル化、等をテーマにした作品。世の中には、なんとなくわかった気になっている人や、わからないから怖い人が多い。僕もそうだと思う。だけど、それが白黒はっきりつくものでもない、ということぐらいはわかっているつもりだ、ということは再...

ネオニコチノイド系農薬、遺伝子組み換え作物、農業のグローバル化、等をテーマにした作品。世の中には、なんとなくわかった気になっている人や、わからないから怖い人が多い。僕もそうだと思う。だけど、それが白黒はっきりつくものでもない、ということぐらいはわかっているつもりだ、ということは再認識できた。怖そうな話に無闇に飛び込みかき混ぜる世間に、翻弄されるというか、立ち向かうというか、そんな話。

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2013/09/19
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真山氏の著書は初めて読んだが,面白かった。 マスコミの利用の仕方とかが非常にリアルだ(さすが元新聞記者!) 半沢直樹のような派手さは無いが,ノンフィクションと言われてもわからないくらいの説得力がある。 描写もストーリー展開も整理されていてわかりやすい。

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2013/09/17
  • ネタバレ

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世界の穀倉地帯で砂漠化が進むに連れて、米中の食糧戦略は劇的な変化を遂げていく。日本は自国内の農業に対する農薬の是非を語り、TPPでもたらされる農業への影響を少なくするために終始し、この大きな動きを見ようともしない。まさに、今起きている問題への大きな警鐘と捉え、私は一気に読み終えた。  GMO(Genetically Modified Organism)作物―遺伝子組み換え作物―は、現実に飼料としては日本に輸入されている。その飼料で育った牛や豚は既に我々の食卓に乗っている。今後GMO作物を直接摂取する方向への拡大は目前である。ならば、私たちはもっと身近な問題として考えるべきである。

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2013/09/09
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○「ハゲタカ」シリーズで有名となった、元新聞記者出身の作家、真山氏の作品。 ○農薬の安全性やGMO(遺伝子組み換え作物)の普及、大干ばつや世界の食糧争奪戦といった、農業・食料を取り巻く、消費者と生産者それぞれの視点、国内農業と世界の食料競争をめぐる視点を交えたストーリー展開。 ○農薬の意義や役割、GMOの賛否など、特定の思想を押しつけるでもなく、問題提起をしており、立場ごとの説明・ストーリー展開に客観的なデータを織り交ぜながらリアルな世界を描いているため、最後までスラスラと読める内容。 ○善悪二元論を否定する箇所が所々散見されるが、最終的には、この点が著者のもっとも伝えたかったところではないかと、個人的に考える。 ○終盤の結末(人間関係)をもう少し膨らませて欲しかったというのが、ちょっとした希望。

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2013/09/06
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題材がいつも、大切なことだけれどもみんなが無関心でいることが多い社会的事象を扱う 「農薬の問題は第2の放射能」 「昔っから、日本はお尻に火が着くまで火事に気がつかないお国柄」 「近い将来、日本への食糧の輸出が停まる可能性を考える必要が有る」 など本文より抜粋

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2013/07/26

短編集からのスピンアウト作品。養蜂家、農薬メーカー、農水省とそれぞれの立場から日本の農政を舞台に描かれた社会小説。後半はやや強引にまとめにかかった感が否めないが、真山仁らしい切り口は健在。

Posted byブクログ

2013/07/23
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のどかな景色から一転、悲鳴と爆発音。 農業散布用のラジコンヘリが墜落。 痙攣を起こして倒れる子供。 息絶える無数のミツバチ。 農業問題を取り上げた本作。 立場が変われば意見も変わる。 それぞれ、より良い方向へ進みたい思いは同じはず…。 本書で結論が出るわけではない。 しかし、エンターテイメント性の高い真山氏の作品だけに、日本の農業、食の未来といった問題について、考えるきかっけけにするにはとても良いと思う。 「食」という身近な問題でありながら、私自身知らないことが多すぎる。 それにしても、知れば知ったで恐ろしくもある。

Posted byブクログ

2013/07/18
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農薬、遺伝子組換え作物などはなるべく遠ざけたいものである。 しかし、本書を読んで「食の安全」は「食の供給」ということが大前提であると改めて気付かされた。 食べるものがなければ、安全も危険もない。 つまり、世界的な食糧危機が危ぶまれる現状を考えると、食についての問題というのは、農薬、GMOなどの個別の問題ではなく、もっと大局的に考えるべき問題なのだ。 また、外国からの輸入に頼っている日本の食料自給率を考えると、食を外交カードにされる可能性もある。 そうなってしまってからでは、手も足も出ない。 であれば、それに対抗する策として、遺伝子組換え作物の研究も致し方ないと思う。 けれどもその前に、食料自給率を上げることや食料廃棄を減らすことなどやるべきことはたくさんある。 自給率の問題に関して言えば、この話の中に「僕らは金持ち国家じゃないという自覚をそろそろ持つべきかも知れない」というセリフがある。 自給率が低い上に、それらを輸入するための経済も危うい。 確かにこれが現実だと思う。 「物事を単純な善悪に二分するのは、複雑化した先進国社会では危険な考え方だ」とか「物事を二極化して、対立構図で考えるのは愚行だよ。そもそも反対や否定からは、何も生まれないだろ」と文中にあるように、確かに善か悪かと簡単に判断できるものではない。ちょうどいいところで折り合いをつけるのは大切なことだと思うが、遠い先の未来を見据えて判断しなければならないと思う。 いずれにせよ、(今の私の考えでは)遺伝子組換え作物が、直接人の口に入るような世の中には決してして欲しくない。

Posted byブクログ

2013/07/15
  • ネタバレ

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農薬、放射能汚染、遺伝子組み換え作物の現状、農水省と経産省のセクショナリズム、TPP問題、食糧危機… 複雑な事情も是非論も、全て飲み込んでリアリティあるストーリーに仕立ててしまうところが、真山作品ならではと言う事か。 どの問題も一つの答えを出せる程単純ではない。故に、互いに沈黙せずに主張し続ける事が、間違った選択をしないために取るべき道なのだと。

Posted byブクログ