ロスト・ケア の商品レビュー

葉真中顕【著】

2023/07/24

介護制度の現実と死による解放をえぐり出した本。
解放感と喪失感がコインの裏表という記述が秀逸。
ストーリーに落とし込みエンタメとして社会問題を提起する個人的には大好きなジャンル
東野圭吾の手紙とか、さまよう刀みたいな感じで
良い⭕️

2023/07/08

ー人間ならば、守られるべき尊厳がある。生き長らえるだけで尊厳が損なわれる状態に陥ってるなら死をあたえるべきだと。ー
ー人はどこかで誰かと絆を結ばなければ生きていけない。
たとえ行く先が地獄と分かっていても、人はつながることから逃れられない。
ならば、つなごう。せめて愛する人と。ー

2023/06/18

重たいテーマ。
介護は近い将来自分にも関わる話かなと思いながら読んだ。
犯人がやったことは正解ではないけれど、同情してしまった…。

2023/06/03

とても読みやすかったです。
ミステリー本を読み慣れているからか、
犯人はきっとこの人だろうなと最初から思っていたものの、あれ？違った？？？？？

あ、やっぱりそーだよね。ってなったものの、
仕掛けが上手だなと思いました。

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」

一般的によい行いに対して使われる言葉だが、
この言葉に則って犯人が罪を重ねていったことにかなり衝撃を受けた。

でももし自分が彼らのように壮絶な介護生活を何年も何年も自分の容姿が明らかに変わるまで強いられていたら…
この犯人を糾弾する気持ちは起きないかもしれない。

あともう1つ。
「この世には罪悪感に蓋をしてでも人を殺すべきときがある」
犯罪者を死刑で殺すのと自分の罪は同じだって犯人の主張。この言葉もとても衝撃でした。

自ら死を選んではいけない理由と、人を殺してはいけない理由。
ちゃんと説明できる人がいたら1度聞いてみたい。

色んなことを考えさせられた本でした。

2023/06/10

連続殺人がいかにして行われたのか、その理由。被害者家族の思い。
殺人は悪であり、罪であるがそう一言では済ませられない深いものがある。遺族には救われた人もいる。描写が登場人物ごとに描かれていて、入り込みやすい

2023/05/20

介護の問題は、映画や小説で何度も題材にされるが、いずれもまだ正解がでない
救いがでない問題であることを改めて考えさせられた。

2023/05/15

10年前の本ですが、今読んでも遜色ない。
家族介護の実態はなかなか辛く、全てではないが、介護する側される側は蝕まれていく。"社会には穴が空いている。気づいた時にはもう遅い、一度落ちて仕舞えばこの穴からは容易に抜け出せない"
検察官はまさしく善人の検察官の鏡のような男なのだが、当たり前にその善を押し付けているような感覚がしてどうしても好きになれなかった。それは〈彼〉も言う通り検察官が"穴に落ちることはない安全地帯"にいる者であるから。悔い改めよ。一体誰が誰に対して言っているのか？

そして、今の状況（穴）を作り出したのもこの社会である。"穴は塞がるどころか徐々にその深淵を広げている。ー分かっているのに。人は立ちすくむばかりだ。"

しかし希望もあった。"絆は呪いだ。それでも、人はどこかで誰かと絆を結ばなければ生きていけない。きっとこの世に誰も迷惑をかけないで生きる人なんて1人もいないのよ。
たとえ行く先が地獄とわかっていても、人は繋がることから逃れられない。絆ではなく呪いなのだとしても。"
〈彼〉にも絆はあった、でもその先を繋ぐ誰かがいれば防げたかもしれない。それもまた切なかった。

2023/05/08

介護疲れをしている家族
その家の老人が亡くなる
年をとっているので亡くなることは珍しくないが，それが殺人だとしたら。

家族だから愛しているのに，誰よりも憎んでしまう
死を望んでしまうほどに

何が正解なのか
犯人は希望を与えられたのか
家で介護をするということと
誰にも助けを求めてられないことはイコールではない　

映画の原作
小説だからできる見せ方
映画ではどうしているのか気になります

2023/05/07

大友父に同感。偽善と良心は、紙一重だ。本音と建前。よくある話。羽田家の介護事情は、身につまされるものだ。

2023/05/01

うーん難しいなぁ〜
殺人を犯して問題提起って、難しいよ
介護の問題とか、格差とか、私達もこれからどうなる　もう目の前の問題だからね
政治家しっかりしろー
とりあえず元気に過ごそう