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ロスト・ケア の商品レビュー

4

169件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    63

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2022/06/02

色々と考えさせられる本でした。 犯人目線と被害者の家族目線と、犯人を捜査した刑事だったか、検察官だったか忘れたのですがその目線と、とある施設の介護職員の目線から、数十人規模の連続殺人事件の裁判のシーンから始まります。 誰が犯人なのか?犯人の目的は?推理小説のような感じで進...

色々と考えさせられる本でした。 犯人目線と被害者の家族目線と、犯人を捜査した刑事だったか、検察官だったか忘れたのですがその目線と、とある施設の介護職員の目線から、数十人規模の連続殺人事件の裁判のシーンから始まります。 誰が犯人なのか?犯人の目的は?推理小説のような感じで進んでいきますが、社会的なものに訴える要素もあり。(高齢化社会のことなど) テーマは、多分、黙示。 こうなることはわかっていた。けど、何もしなかった。だと思います。

Posted byブクログ

2022/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ロスト・ケア 2013/2/16 優れた社会派作品 2013年11月16日記述 葉真中顕さんによる小説。 第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞している。 介護問題という身近ではあるけど見過ごされがちなテーマの作品。 日本で進行する問題点を炙りだした社会派作品だというのが感想。 殆どが現実にあった出来事や事象も取り上げていて大変現実感あふれる作品になっている。 振り込め詐欺、不安と恥が人を行動させる・・ 介護職の離職が多い理由。高齢者虐待がやまない原因・・ 安楽死の是非・・ そのもろもろがこの小説を通じて明らかになっている。 何もドキュメンタリーだけが社会問題を知る手がかりではないのだと痛感。 彼がたとえ死んでも世の中を変えようとした行為を責めることが出来るだろうか。 ぽっかり穴が開いているという指摘はまさにその通りだろう。 介護以外でも何かしら穴が開いているだろうが・・国民に身近な分もっと意識されてしかるべきだろう。

Posted byブクログ

2022/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

振り子のように感情も心もあっちいったりこっちいったりで、何がいいのか悪いのか分からなくなる。 安全地帯にいる人と崖の淵を歩かざるをえない人、 既に危険地帯にいる人。 殺人、法の死刑、戦争による死、それぞれにもしかしたら救われた人がいるかもしれない。 きっと、正解のない事だけど、正解を見つける努力は必ずしなければならないと思わせてくれる、そんな作品に思えました。 そして、ひとついえるのは、、、 一体いつからアイツが犯人だと錯覚していた? あるアニメのセリフが頭をよぎった人は私だけではないだろう。笑

Posted byブクログ

2021/11/26

あれ?一度読んだっけ、と思うほど展開は予想通りだった。とはいえ、ものすごく面白い本。どの人の感情も理解できて、誰も口にはしないし出来ないけど、心のなかでチラッと思ってるだろう世界だな。

Posted byブクログ

2021/11/03

介護の問題を中心に正義や善とは何かといったテーマまで考察するミステリー。 介護は多くの人が直面する問題であり、精神的に辛い思いをしている人も実際多くいるだろう。 特に、経済的な格差によって辛さが変わるという問題もある。 一番最後に注として書いてある、介護に悩んだ人は一人で抱え込...

介護の問題を中心に正義や善とは何かといったテーマまで考察するミステリー。 介護は多くの人が直面する問題であり、精神的に辛い思いをしている人も実際多くいるだろう。 特に、経済的な格差によって辛さが変わるという問題もある。 一番最後に注として書いてある、介護に悩んだ人は一人で抱え込まず、周りの人や自治体等の相談窓口に頼りましょうということが、結局一番重要かと思う。それだけでは解決しないことも多いと思うが。

Posted byブクログ

2021/05/14

おもしろかった! ミステリー的なwho、物語全般のwhy、そして作中人物も読後の自分(おそらく少なくない読者)も巻き込む将来へのhow。 こんなテーマをこれだけテンポよく読めてよかった。

Posted byブクログ

2020/07/05

2020/07/05読了 #このミス作品32冊目 介護による苦悩から解放するための 「ロスト・ケア殺人」。 高齢化社会と言われる現代社会の 法制度の欠陥等を暗に指摘した作品。 誰もが直面する大きな課題。

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2020/06/05

介護をテーマとした大量殺人事件 介護と安楽死と尊厳死 どれも一言では語ることの出来ない現代社会での大きな問題 自分ならどうするのか? 考えさせられた一冊になった

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2020/01/10

殺人事件の裁判の判決「死刑」言い渡しの場面から始まる。 事件に関わる登場人物のそれぞれの独白から、時間をさかのぼりその事件が明らかになっていく。その事件とは、介護度の重い認知症で、在宅で介護されている老人が亡くなっていく。事件性は認められていなかったが、自然死を装った殺人だった。...

殺人事件の裁判の判決「死刑」言い渡しの場面から始まる。 事件に関わる登場人物のそれぞれの独白から、時間をさかのぼりその事件が明らかになっていく。その事件とは、介護度の重い認知症で、在宅で介護されている老人が亡くなっていく。事件性は認められていなかったが、自然死を装った殺人だった。 さて、その犯人は? 「こいつが犯人だ」と思いつつ読み進むが、自分の推理は見事に覆される。 介護する側と介護される側、双方のQOL(生活の質)を守ることがいかに困難か。 実際に介護の仕事に就いている私にとって、身につまされる場面が沢山あり、今まで経験してきたことが脳裏を駆け巡っていた。 「みんながニコニコしていられる介護」を目指して介護業界に飛び込んだけれど、特に在宅ではそんな綺麗ごとでは済まない。 相模原障害者施設の殺傷事件の裁判も始まった。 これからはもっともっと介護を必要とする高齢者が増えていく。 「みんながニコニコ…」は絵に描いた餅なのかもしれないけれど、初心に戻ったタイムリーな読書になった。

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2019/11/28

ここ最近では特にお気に入りの作家、葉真中顕さん。wikiって見るとなかなかの多才ぶり。 それはさておきこの作品、なんとも言えない内容になっている。他の作品でもだが、犯罪者の側の意見でもあながち間違っていない思想が、読者を唸らせる一因になっている。 介護問題&安楽死問題がテーマ...

ここ最近では特にお気に入りの作家、葉真中顕さん。wikiって見るとなかなかの多才ぶり。 それはさておきこの作品、なんとも言えない内容になっている。他の作品でもだが、犯罪者の側の意見でもあながち間違っていない思想が、読者を唸らせる一因になっている。 介護問題&安楽死問題がテーマ。綺麗事だけではすまされない介護の重さとそれでも守られるべき尊厳、政府主導の介護保険制度の改悪、以前から人口推計で分かっていた超高齢化社会の現在、そんな諸々の問題を解決する方法を発見した『彼』。 『彼』は救世主なのか?それとも世紀の大量殺人犯?読んで色々思うところがある社会派本格ミステリ作品。構成も巧い。

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