TRIP TRAP の商品レビュー
・金原ひとみさん、今更、恥ずかしながら、という感じですが、初めて作品を読みました。 ・最高。 ・特に短編の「沼津」はヤバいと思った。 ・他のも何か読もう。
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大好きなひとみ姉さんの作品。なかなか読むに至ってなかった。妻が絶賛していたので、楽しみにしていたが、読む前にポツリと、これ読んで過去を反省して下さい!と。…なんか非常に読むのが怖くなった。そして、この主人公の考え方、めちゃくちゃわかるわ〜とも。読んでる過程で??? こんな考え方し...
大好きなひとみ姉さんの作品。なかなか読むに至ってなかった。妻が絶賛していたので、楽しみにしていたが、読む前にポツリと、これ読んで過去を反省して下さい!と。…なんか非常に読むのが怖くなった。そして、この主人公の考え方、めちゃくちゃわかるわ〜とも。読んでる過程で??? こんな考え方してんの?と、色々物語以外で考えさせて頂きました。ありがとうございます!
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主人公は精神的に幼くて依存心が強く、最初はイライラしてました。 人に甘えすぎでしょ…と読むのをやめようかと思ったこともあります。 だけど読み勧めていくうちに、心の何処かで感じていた、抑圧の存在に気づきました。 きっかけは、彼氏とパリ旅行する章。 主人公が、他の男性から強引に二次会に連れて行かれるのを、彼氏が阻止しなかったことに不満を感じる。 もっと私に執着してよ、とストレートに彼氏に言うが、彼氏は面倒になり適当に返事するようになると、主人公は大人しくなるどころか「私の話を聞いて、理解して」と激しい感情で怒る。 (私は、彼氏に見捨てられるのが怖くてこんなこと言えないよ…)とハラハラしたり不安になりながら読んでいたが、話は急展開。 主人公は牡蠣に当たって寝込むが、彼氏は観光に行く。 主人公はそのことを知ると、彼氏に理解されていない、愛されていないと大暴れする。 しかし、彼氏が戻ってきたら吹っ切れてケロリとする。 愛情を相手に要求する主人公の行動に心を動かされました。 私は、相手の愛情を確かめることが怖く、愛されたいという感情に気づかないようにしてやりすごしていたのだなと気づきました。 読後は、愛情を確かめたい欲求は抑圧しなくてはいけないという呪いが解けたような気がしました。
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『最後の音楽:|| ヒップホップ対話篇』という本で菊地成孔氏が紹介していて気になったので読んだ。著者の小説は昔は熱心に読んでいたが久しぶりに読むと自分が歳をとったこともあり理解できる感情が多く楽しめた。 短編が6作収録されており主人公はいずれも女性かつ一人称。タイトルどおり国内外問わず旅行に行ったときの感情の機微が丁寧に描写されている。こないだエッセイを読んだ際にも感じたが日常における小さな違和感を見つける観察力とそれに対してぶわーっと感情が溢れだしていく文章の連なりがユニーク。引き算して行間で魅せるというより足し算でゴリ押しスタイルなので活字中毒者には心地よくグイグイ読んだ。 菊地氏が紹介していた「沼津」や「女の過程」といった短編はヤンキーの生息する社会が文学という形で表現されている稀有な例であった。氏が言う通り濃厚なヒップホップの匂いがそこにある。著者自身の出自もあいまって「中卒の言葉にやられちまいな」というAnarchyのラインを引用したくなる。 一つ目の短編から家出というトリッキーな旅行から始まるあたりに一筋縄ではいかない著者を垣間見た。短編はいずれも直接はつながっていないが、中学生、高校生から妻、母と読み進めるにつれて主人公のライフステージは変化していく。登場人物の名前も一部重複しているので、一つの世界線として読むこともできるだろう。その観点でみると若い頃はとにかく異性に依存していたい気持ちが悪びれることなく全面に表現されているが、子どもを持つ主人公になると破綻してくる。異性に依存する側から子どもから依存される側への移行に伴う心情描写がかなり正直だった。特に男性が育児に関わらないことで女性が育児に「トラップ」され自己犠牲を極端に強いられることに対して懐疑的であり「育児も当然大事だが自分の人生が押し潰されるなんておかしい」という主張が2009年時点で放たれている点がかっこいい。タバコを吸いながら泣いている子どもが乗ったベビーカーを押しているシーンがその際たる例で小説だからこそできる表現だろう。未読の作品がまだまだあるので時間見つけて他のも読みたい。
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いくつものテーマを織り込みながら、一つのストーリーとして描ききる力量に感服した。 少女から女、女から妻、妻から母への変身に伴い、人として成長し男との関係も変化していく。 主人公マユの成長が文体にも表れており、最初と最後の章ではすっかり別人が書いたのかと見紛うほど。 個人的にはパリ旅行編の慌ただしさがコミカルで楽しく読めた。
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うーん。。 金原ひとみさんの本は何冊か読んだけど、これはいまひとつ。。。。 途中で読むのやめてしまった。°(°´ᯅ`°)°。 話に盛り上がりがないし、主人公の人柄もいまひとつわからない。
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金原ひとみの作品は何を読んでも共感度ゼロだけど、つい読んでしまうのは、自分の知らない世界を覗き見たいからかな。 ただの不良少女だと思っていたマユが、急に小説家になっていて、更に急に母親になっていた。その過程は描かれていないので、少し戸惑う。 私は子供を育てていないので、マユの夫と...
金原ひとみの作品は何を読んでも共感度ゼロだけど、つい読んでしまうのは、自分の知らない世界を覗き見たいからかな。 ただの不良少女だと思っていたマユが、急に小説家になっていて、更に急に母親になっていた。その過程は描かれていないので、少し戸惑う。 私は子供を育てていないので、マユの夫と同じでその大変さを味わっていない。そんな意味で何となく後ろめたさを感じてしまう。 「女は人生の中で何度も、完全な別物に生まれ変わる。それは青虫が蝶になったり、蛆が蝿になったり、猿が人間になったりするのと同じだ。」 青虫から蝶になる過程の蛹の中ではドロドロになるらしいので、何となくグロテスク。
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めんどくさい。そして、それにもかかわらず、心を動かされる小説です。 特に前半の主人公はめんどくさい。一部は読み手である私にも通ずるような気もしながら、主人公のほうがずっと面倒で、ただそこに、人に対しても物に対しても事に対しても私よりよっぽど自由で、いつも自分の斜め上あたりに冷静で...
めんどくさい。そして、それにもかかわらず、心を動かされる小説です。 特に前半の主人公はめんどくさい。一部は読み手である私にも通ずるような気もしながら、主人公のほうがずっと面倒で、ただそこに、人に対しても物に対しても事に対しても私よりよっぽど自由で、いつも自分の斜め上あたりに冷静でやる気のない(つまり何にも縛られていない)自分をもつ主人公を見出して、私はこんな生活も心の乱高下も嫌だけどどこか羨ましくもなる。 そして何度も生まれ変わりながら、何かを捨てて捨てて捨てて、たぶん同時に何かも得ているんだけど、どっちかというと得るより捨てていく主人公の姿のほうに、羨ましさとともに妙な安らぎみたいな感情で胸がうずめられるような気分になりました。私も女である以上、人生に苦しい段階があろうと甘い段階があろうと、捨て去り脱皮し生きていくのかもしれない、と。
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”多分彼らは、幼稚で愚かな者に対する哀れみに近い愛情によって、そういう目でわたしを見ているのだろう。でも、あと三年で有無を言わさず自分が消滅すると知っている私の気持ちが、いくつ歳を重ねても今の自分の延長線上を辿って成長していくだけの男に分かってたまるかと思った。女は人生の中で何度...
”多分彼らは、幼稚で愚かな者に対する哀れみに近い愛情によって、そういう目でわたしを見ているのだろう。でも、あと三年で有無を言わさず自分が消滅すると知っている私の気持ちが、いくつ歳を重ねても今の自分の延長線上を辿って成長していくだけの男に分かってたまるかと思った。女は人生の中で何度も、完全な別物に生まれ変わる。”
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著者は自分の経験した事を小説にしているのでしょうか。もっと大人になってからの作品が楽しみです。登場人物は私の敬遠してきたタイプの人が多く、でも不思議と違和感も不快感も感じない。違う作品も読んでみたいと思います。
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