木槿ノ賦 の商品レビュー
物語はいよいよ大詰めへと向かいながらも、本巻は“祝福”と“暗雲”が交錯する一冊である。 関前藩主・実高の上府に際し、坂崎磐音は父・正睦とともに六郷の渡しで出迎える。そこに伴われていたのが、養子として迎えられた福坂俊次。 この俊次こそ、「昼行灯」と評されながらも辣腕を振るう坂崎正...
物語はいよいよ大詰めへと向かいながらも、本巻は“祝福”と“暗雲”が交錯する一冊である。 関前藩主・実高の上府に際し、坂崎磐音は父・正睦とともに六郷の渡しで出迎える。そこに伴われていたのが、養子として迎えられた福坂俊次。 この俊次こそ、「昼行灯」と評されながらも辣腕を振るう坂崎正睦の切り札であった。 田沼意次父子の妨害をかわしつつ、将軍への御目通りを実現させるために、正睦は周到な根回しと采配で道を切り開く。 その結果、俊次は正式な継嗣として認められ、小梅村の坂崎家には久々に心からの祝宴がもたらされる。 だが、喜びは長くは続かない。 俊次は人質として江戸に残り、磐音のもとで修行を積むこととなる一方、正睦と照埜は国元へ帰る決断をする。別れの場面は静かでありながら、確かな時代の移ろいを感じさせる。 一方で、物語には不穏な影が忍び寄る。 起倒流一派による襲撃計画、毒を塗った短弓、そして若き俊次を狙う陰謀。弥助の働きで一度は退けるものの、その代償として霧子が深手を負う展開は、読者に大きな衝撃を与える。 怒りに駆られた磐音が敵対道場へ乗り込み、衆目の前で相手を圧倒する場面は痛快であるが、それでも霧子の命が危ういという現実は変わらない。 終盤に向けて、物語は再び緊張の度を増していく。 さらに重要なのが、尚武館の地中から発見された古刀である。 そこに刻まれていた「家康」の銘と葵の紋は、佐々木家と徳川家との深い関係、そして“秘命”の存在を強く示唆する。 シリーズの根幹に関わる謎が、いよいよ姿を現し始めたと言ってよいだろう。 そしてふと気づけば、物語の発端で命を落とした河出慎之輔らの十三回忌が迫っている。 それだけの年月を、読者は磐音とともに歩んできたのである。 祝福と別れ、成長と危機、そして過去から続く因縁。 それらが複雑に絡み合いながら、大団円へ向けて確実に収束していく――そんな手応えを感じさせる一巻である。
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1783年、実高が俊次を連れて上洛し、尚武館道場を訪れる。 正睦は帰藩の折に、お代の方を訪問する。それにしても最近田沼派が大人しい。 佐野の変も来年に控えて物語もいよいよ佳境に入るか。 何事もなく終わる巻かと思いきや、霧子がやられ、磐音が鈴木清兵衛を起倒流道場にて打ち破る急...
1783年、実高が俊次を連れて上洛し、尚武館道場を訪れる。 正睦は帰藩の折に、お代の方を訪問する。それにしても最近田沼派が大人しい。 佐野の変も来年に控えて物語もいよいよ佳境に入るか。 何事もなく終わる巻かと思いきや、霧子がやられ、磐音が鈴木清兵衛を起倒流道場にて打ち破る急展開に。磐音はもちろん、利次郎もかっこよかった
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正睦夫妻の江戸滞在も終わり、関前藩に後継者が登場し、一つずつ物語に区切りがついてゆく度にすっきりするものの、長いシリーズの最後が近づいてきたことが感じられて寂しくなる。 卑怯な襲撃を続ける鈴木清兵衛道場への殴り込みで見せた利次郎の静かな怒りに成長を感じた。どんどん魅力的になってい...
正睦夫妻の江戸滞在も終わり、関前藩に後継者が登場し、一つずつ物語に区切りがついてゆく度にすっきりするものの、長いシリーズの最後が近づいてきたことが感じられて寂しくなる。 卑怯な襲撃を続ける鈴木清兵衛道場への殴り込みで見せた利次郎の静かな怒りに成長を感じた。どんどん魅力的になっていく霧子さん、まさかここで終わりになりませんよね。
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磐音の両親が帰っていきます。 昔は徒歩か船で、いつでも会えるという訳ではなかったので、別れのシーンは切なくなりました。 もう会えないかもしれないけど、そう考えたくない。だから、いつかまたと言う。そう言うと、また会えるような気がするから。 最後は、ええっ、ち、ちょっと!...
磐音の両親が帰っていきます。 昔は徒歩か船で、いつでも会えるという訳ではなかったので、別れのシーンは切なくなりました。 もう会えないかもしれないけど、そう考えたくない。だから、いつかまたと言う。そう言うと、また会えるような気がするから。 最後は、ええっ、ち、ちょっと!だ、大丈夫だよね?という感じで終わりました。
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正睦さん押しのわたしとしては寂しい巻となりました。 ご夫妻が関前に帰ってしまうのは、当然なのだけれども。 関前藩の殿様の跡継ぎは、どこか家基様に似た面差しの聡明な若武者でした。 関前はこれで、安泰かなぁ。落ち着くといいなぁ。 磐音を排除しようと躍起になっている田沼父子、という...
正睦さん押しのわたしとしては寂しい巻となりました。 ご夫妻が関前に帰ってしまうのは、当然なのだけれども。 関前藩の殿様の跡継ぎは、どこか家基様に似た面差しの聡明な若武者でした。 関前はこれで、安泰かなぁ。落ち着くといいなぁ。 磐音を排除しようと躍起になっている田沼父子、というかその手先の起倒流道場の面々が徐々に手段を選ばなくなってきているけれど、まるで光に集まる小さい羽虫の如し。 霧子に毒矢を報いたために、磐音さんの堪忍袋の緒が切れました。 もうすぐ、田沼父子の隆盛も終焉かしら。
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江戸にもどってきてから勢いづいていた磐音達だけど、ここで一旦苦境を迎えたね。霧子さん人気のあるキャラだから、ドラマチック。これは次巻が楽しみだ。 ちらっと出てきた奈緒ちゃんの旦那さん、不憫。
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これだから磐音シリーズは辞められない。この肉厚感はたまらない。これが読みたいのだ。願わくば、ずっとずっと読み続けていたい。
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2月-5。3.5点。 前巻からの続き的。 出身藩の危機を乗り越えた磐音達。父母が地元へ帰る。 しかし、相変わらず田沼の魔の手が。 安定した面白さ。怒る磐音もかっこいい。
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関前藩関係のエピソードが続きますね。 何となく、これまでのまとめ的な話もあり、いよいよこのシリーズも佳境に入ってきたというところでしょうか。 主人公があまりにも強すぎるので、周りの人間が被害に遭いがちになっていますね。(^^; 登場人物のピンチということでは、ここ最近で一番のピン...
関前藩関係のエピソードが続きますね。 何となく、これまでのまとめ的な話もあり、いよいよこのシリーズも佳境に入ってきたというところでしょうか。 主人公があまりにも強すぎるので、周りの人間が被害に遭いがちになっていますね。(^^; 登場人物のピンチということでは、ここ最近で一番のピンチではないでしょうか。 パターン化しそうなところに、ちょっと一ひねりですかね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2015/9/16 わあ!霧子が!! 珍しく積み残したままこの巻を終わったな。 磐音が「もし自分が死んだら」みたいな話を桂川先生としたり、何かと終わりへの雰囲気作りがされだした。 途中中だるみしたりしてたけど、こうなってくるとさびしいものです。 もはや奈緒のことまでかまってる余裕ないと思うのにかまっちゃうんだよね、磐音くん。 それにしても霧子が心配。
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