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零戦 の商品レビュー

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90件のお客様レビュー

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2013/08/14

・宮崎駿監督の傑作「風立ちぬ」を観て、零戦の設計者である堀越二郎という人物に興味がわき、あの映画がどこまで堀越の半生を忠実に描いたものなのかが気にかかり、本書を手にとった次第。 ・「つきつめれば、この馬力の劣勢を、どこまで機体設計でカバーできるかが日本の飛行機設計者にとっての課...

・宮崎駿監督の傑作「風立ちぬ」を観て、零戦の設計者である堀越二郎という人物に興味がわき、あの映画がどこまで堀越の半生を忠実に描いたものなのかが気にかかり、本書を手にとった次第。 ・「つきつめれば、この馬力の劣勢を、どこまで機体設計でカバーできるかが日本の飛行機設計者にとっての課題なのだ」(p.36)とあるように、欧米のものと比べて非力な国産エンジンの欠点を、機体の軽量化などの創意工夫によって克服していくさまが克明に描かれている。この血の滲むような努力によって、極めて限られた条件下にありながら世界最高の名機が作られたのだった。 ・しかし、その零戦の存在は、軍機密を公にできないという配慮から、多くの戦果を上げたにもかかわらず、戦争末期まで国民に知らされることはなかった。「ベールをぬいだ新鋭戦闘機」として零戦の名が初めて公表されたのが、神風特攻隊を賛美する新聞記事だったというのは皮肉というほかない。「なぜ日本は勝つ望みのない戦争に飛びこみ、なぜ零戦がこんな使い方をされなければならないのか」(p.222)という堀越の悲痛な思いは想像するに余りある。 ・その悲痛な思いからは、政治指導者の質や物資の多寡など、与えられた条件が仮にアメリカと同等であったならば、決して技術力でアメリカに負けることはなかったという、技術者としての矜恃も垣間見えた。

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2013/08/14

堀越二郎の名をジブリアニメ『風立ちぬ』で知ったひとも多いかと思いますが、『風立ちぬ』のまえに読むより、あとに読むことをおすすめします(笑) 零戦や戦艦(のフォルムが特に)が好きなので、この類の書籍はいくらか持っていますが、堀越二郎の著であることもあって、読みごたえアリ。どこか誇...

堀越二郎の名をジブリアニメ『風立ちぬ』で知ったひとも多いかと思いますが、『風立ちぬ』のまえに読むより、あとに読むことをおすすめします(笑) 零戦や戦艦(のフォルムが特に)が好きなので、この類の書籍はいくらか持っていますが、堀越二郎の著であることもあって、読みごたえアリ。どこか誇らしげな色合いが、文章のあちこちにあります。 百田尚樹氏『永遠の0』とあわせて読むと、いっそう考えさせられるのではないかと思います。堀越二郎は零戦をつくった側、けれど『永遠の0』では、「なぜ零戦などというものをつくってしまったのか」「零戦などというものをつくってしまったから、我々はどんな無茶な飛行でも実行しなければならなくなった」という台詞が。 零戦をつくった側、乗って戦った側と、それぞれの視点から考えることが出来ると思います。

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2013/08/13

風立ちぬ」のモデルとなった堀越二郎の著書。熱い人なんだね。アニメに入り込めなかったのは、やっぱ声優さんのせいかも(^^;)

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2013/08/09

映画「風立ちぬ」のモチーフの一つ、堀越二郎の零戦開発記。非力な国産エンジンながら、軽量化と創意工夫で世界を席巻した技術革新、日本が世界に誇る技術者達の普段の努力の記録。終章、敗戦が近づくにつれて1機2機と敗れ去る歴史的な悲運も含め、零戦とはただの1戦闘機ではなかったことがわかりま...

映画「風立ちぬ」のモチーフの一つ、堀越二郎の零戦開発記。非力な国産エンジンながら、軽量化と創意工夫で世界を席巻した技術革新、日本が世界に誇る技術者達の普段の努力の記録。終章、敗戦が近づくにつれて1機2機と敗れ去る歴史的な悲運も含め、零戦とはただの1戦闘機ではなかったことがわかります。

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2013/08/08

2013.08.01 読了 映画『風立ちぬ』を見る前に読んでおきたいと思い手に取った。 零戦を作った堀越二郎のその情熱、発想。素晴らしい。そしてそれをきちんと文章の中に入れ込める力。素晴らしい。 すでに映画は見たが、見る前に読んでおいたことで、よりその世界に没入できたような気...

2013.08.01 読了 映画『風立ちぬ』を見る前に読んでおきたいと思い手に取った。 零戦を作った堀越二郎のその情熱、発想。素晴らしい。そしてそれをきちんと文章の中に入れ込める力。素晴らしい。 すでに映画は見たが、見る前に読んでおいたことで、よりその世界に没入できたような気がする。

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2013/08/03

技術者魂。 一つのものを生み出し、数々の困難を乗り越えてゆく 姿は、感動的ですらある。 こんな技術者の魂は今の日本にも生きているのか? きっと生きているそう信じたい。

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2013/08/02

先進国から開発技術で遅れながら航空機設計に人生を賭けた堀越二郎の 物語。現在のものづくりの参考になるものも。 多くの犠牲者の上に成り立つ現在の 技術 アメリカ軍も恐れる零戦 神風特攻隊に使われた零戦の哀しみ アメリカの集中作戦と日本の総花主義 要求が多い場合には、ニー...

先進国から開発技術で遅れながら航空機設計に人生を賭けた堀越二郎の 物語。現在のものづくりの参考になるものも。 多くの犠牲者の上に成り立つ現在の 技術 アメリカ軍も恐れる零戦 神風特攻隊に使われた零戦の哀しみ アメリカの集中作戦と日本の総花主義 要求が多い場合には、ニーズを見極めてから優先順位をつけて応える 最新の技術を借り、他の面を開拓して、その知識を他に貸す。それが遅れた日本のやり方

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2013/08/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

零戦の設計主任:堀越二郎の著書。零戦が出来上がるまでの苦闘と、出来上がったあとそれが第二次世界大戦で輝きを放ちつつ散っていく様を、設計者として、技術者として、日本人として綴っている。 様々な思いを抱かせる内容で、胸が熱くなりました。著者の航空機に注ぐ情熱、一技術者としての心構え、日本人としての立ち振る舞い。どれも見習うべきものだと感じます。

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2013/07/31

映画「風立ちぬ」で話題の、堀越二郎が戦闘機開発にかけた情熱の日々を綴った回顧録。 技術力・生産力で米英をはじめとする先進国に劣っていた日本の航空機開発力を、一足飛びに最先端まで飛躍させたのが、著者である堀越二郎であることがよくわかる内容となっている。 歴史は時として天才を生み...

映画「風立ちぬ」で話題の、堀越二郎が戦闘機開発にかけた情熱の日々を綴った回顧録。 技術力・生産力で米英をはじめとする先進国に劣っていた日本の航空機開発力を、一足飛びに最先端まで飛躍させたのが、著者である堀越二郎であることがよくわかる内容となっている。 歴史は時として天才を生み、時代を大きく加速させていくことがある。 しかし、本書を読んだ感想だと堀越は天才肌というよりも、努力の人であったような印象を受ける。 もちろん、常人を凌駕する洞察力や分析力が備わっていたことは本書の記述からも読み取れる。 世界に日本の技術力の高さを知らしめた「零戦」のシンプルなフォルムというのは、非常に合理的な理屈によって完成したことがわかる。 エンジンの出力、機体の重量、ボディの強度、そして空気抵抗を極力まで下げたバランスの上に成り立っている合理的結晶ともいえる作品であるということだ。 特に、加速における機体の振動については、堀越の頭を非常に悩ませたようで、急降下など猛スピードに加速(時速700キロ以上)することによって生じるプロペラ・エンジン・尾翼などそれぞれの振動が共振することによって機体をバラバラにしてしまう問題をクリアしなければならなかった。 テスト飛行での墜落事故が起きるたびに残骸を回収して検証するという、作業の繰り返しの日々であった様子が描かれている。 堀越二郎は技術面から日本の国力をきちんと理解していたため、太平洋戦争の行く末を予見していたようだ。 この時代の戦争は制空権を握ることが勝利の必須条件になっていたので、個々の戦闘予測から大局的な戦争の決着までは予知できたようだ。 ただ、当時は報道官制が敷かれていたこともあり、一般の国民は零戦の存在すら知られていなかったようだ。 逆にアメリカの方では「若い女を口説き落とすことはそんなにむずかしくないが、Zeroを落とすことは容易ではない」などとその存在は知られていたという。 戦闘機同士の戦いでは無敵を誇った零戦も、度重なるB25の空襲によってその生産力は低下の一途をたどり、昭和二十年七月には、月産十五機がやっとの状況であったという。 戦争末期に特攻隊の一機がB29に突進し、体当たりするのをまのあたりにし、「特攻隊という非常な手段に訴えなくてもよいのではないか」という思い、そして「なぜ零戦がこんな使われ方をしなければならないのか」という複雑な思いがあったという。 航空関連の用語が多く使用されているが、素人向けに丁寧に解説されているので、専門的知識がなくてもストレス無く読み進められます。 昭和十九年十二月に朝日新聞社から刊行された「神風特攻隊」には、各界の著名人にまじって堀越二郎が特攻隊を悼む文章が掲載してあるらしい。 こちらも合わせて読むことで、堀越二郎が生きた時代を立体的にとらえることができるかもしれないと思った。

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2013/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2013年夏、ジブリ映画「風立ちぬ」のモデルとなった 零戦設計主任の開発秘話。 世界の航空史に残る名機・零戦の主任設計者が、当時の記 録を元にアイデアから完成までの過程を克明に綴った貴重 な技術開発成功の記録。(親本は1970年の刊)  序 章 昭和十二年十月六日  第一章 新戦闘機への模索  第二章 不可能への挑戦  第三章 試験飛行  第四章 第一の犠牲  第五章 初陣  第六章 第二の犠牲  第七章 太平洋上に敵なし  終 章 昭和二十年八月十五日 240ページ余りの本であり、読むのにさほど時間を要さな い。出版時に購入したものの読む機会を逸し積読状態に。今 回、映画を観た勢いで一気に読了した。 内容はさほど濃くない。零戦の開発史を知るのであれば、他 の本の方がよほど充実している。(例えば森史朗著「零戦の 誕生」など) 本書で重要なのは、開発の当事者である設計主任の回想が聞 けるという点であろう。当然ながら兵器の開発には、日本の 国力が影響する。当時の日本では大馬力のエンジンの開発が 遅れていた事から、機体を軽く設計することとなったという。 (機体を軽くするためには、装備に優先順位を付けざる負え ない) また、資源の乏しい日本の国にしてみれば、材料を節約でき るような設計も必要で、人手と材料を図りにかければ、材料 の節約を優先する設計をしなければならなかったという。 (資源は乏しくても人手はヨーロッパの国に負けなかったた めビルド・アップ構造を守った) これらは「防弾欠如による人名軽視」とか「過剰な設計で生 産性が低かった」という後世の批判に通じるのであるが、歴 史を観る眼として開発当時の国情を考える必要があろう。 欧米列強からの技術導入により育成された航空技術であるが 一瞬とはいえ先進国を凌駕したのは驚嘆すべき事である。 また、有名な海軍部内での対立。源田実と柴田武雄のやりと りを堀越の視点から見る事が出来るのは面白い。 技術者の著作なので、読み易いわけでは無いが一読の価値があ る。

Posted byブクログ