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ふる の商品レビュー

3.4

113件のお客様レビュー

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2024/03/09

ウェブデザインの会社に勤める池井戸花しす、28歳。周りの人を傷つけないように気を使い、常に場の癒しになるように無意識に行動してしまう。仕事内容はAV画像のモザイクがけ。どういうわけか花しすには身の回りの人の肩や腕や背中に白いものが乗っているのが見えている。テキストのメッセージが空...

ウェブデザインの会社に勤める池井戸花しす、28歳。周りの人を傷つけないように気を使い、常に場の癒しになるように無意識に行動してしまう。仕事内容はAV画像のモザイクがけ。どういうわけか花しすには身の回りの人の肩や腕や背中に白いものが乗っているのが見えている。テキストのメッセージが空から降ってくるように書いてあるように見える。日常の、会社内での会話やタクシーの運転手とのやりとりなどをこっそり録音し、夜聞き返すという習慣を持っている。 ちょっと不思議なテイストで、最初のころは掴みどころがないふわふわした感じがするのですが、全体的に女の子の女性としての生き方とか性を肯定的に捉えて優しくそっと包むような印象がしました。時々出てくる新田人生とは何者なのか?正体は?はっきりしてないのがもどかしいのですが、読む人により解釈がちがうようにわざとそう設定しているのでしょうね。何気なく過ぎ去ってしまう一瞬一瞬は、ほとんど忘れてしまうけど忘れたくない。たくさんのみんなの人生と関わって生きている自分。映画で例えるならメジャーなハリウッドものではなくてインディズ映画。小さな劇場で公演している演劇のような雰囲気の物語でした。

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2024/02/12

秋田は思ったより寒いっ!上着が無いんで呑みに行けないかも……(笑) 誰か服くださいっ! ってな事で、西加奈子の『ふる』 池井戸花しす(いけいど かしす) には色んな人に付いてる白くてふわふわしたものが見えたり、やたらと新田人生と名乗る人々に出逢うのは何故か……。 浅い話か...

秋田は思ったより寒いっ!上着が無いんで呑みに行けないかも……(笑) 誰か服くださいっ! ってな事で、西加奈子の『ふる』 池井戸花しす(いけいど かしす) には色んな人に付いてる白くてふわふわしたものが見えたり、やたらと新田人生と名乗る人々に出逢うのは何故か……。 浅い話かなぁと思いながら読んでたけど、終盤は深くなるなぁって。 幾つかグッと来るフレーズが西加奈子さんらしいw 何となく花しすの気持ちが解るかな。 人の悪口言いたくないし、聞きたくない。 嫌な人は居るけど、全てが悪いって事は無いよな。 ええ所を見付けてみると割とええ人になるよな、わしはそう思うw 2016年44冊目

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2024/01/24

西加奈子さんの本のキャラクターは個性的でいつも面白い。『ふる』の主人公も、周りから癒しと思われるように計算して振舞っていたり、録音した会話を大事そうに聞いたりと変わっていた。 人にはそれぞれ個性があることを、AVモザイクがけでの性器に気付くのも彼女らしい。いやらしいものと思って...

西加奈子さんの本のキャラクターは個性的でいつも面白い。『ふる』の主人公も、周りから癒しと思われるように計算して振舞っていたり、録音した会話を大事そうに聞いたりと変わっていた。 人にはそれぞれ個性があることを、AVモザイクがけでの性器に気付くのも彼女らしい。いやらしいものと思っていないのもらしいなと感じた。 何度も現れる、色んな新田人生は、生きてきたなかで出会っては過ぎていった人達で、私の新田人生も断片的に覚えていて、時に大切な記憶だなと思った。

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2023/03/26

何度も現れる新田人生。色んな人に出会って、忘れて、思い出して、忘れて、そうやって人生は進んでいくのかもしれないな。

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2022/10/23

 等身大の女性を感じとることが出来、良かった。白いふわふわや、年代が行き来する度に出てくる新田人生、花しすのモザイクをかける仕事内容、離婚した両親、同じ女として姑の介護をする母の様子など、風変わりにうつりがちだが、いたって健全な小説だった。

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2022/08/24

私もコーラを飲ませてもらえなかった。花しすと違うのは、初めての特別に飲ませてもらった時、あまりのマズさにこの世から憧れが一つ消えてしまったこと。ねだってやっと買ってもらえたので、こんなのが美味しいのと問われ、やせ我慢してウンと答えた。でも、文字を形として読むのは同じだな。  この...

私もコーラを飲ませてもらえなかった。花しすと違うのは、初めての特別に飲ませてもらった時、あまりのマズさにこの世から憧れが一つ消えてしまったこと。ねだってやっと買ってもらえたので、こんなのが美味しいのと問われ、やせ我慢してウンと答えた。でも、文字を形として読むのは同じだな。  この本、感覚や表現は局部的には面白いけど、読み物としてはイマイチ。

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2022/07/10

花しす(かしす)という主人公の名前、花しすが見えてしまう人にまとわりつく白いもの、会話を録音して毎日聴くのが日課の花しす、発想力が斬新で天才! 周りで花しすみたいな人は見たことないけれど、実は探してみたらいるのかもしれない。花しすの心の中をのぞけて面白かった。

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2022/03/31

各章が心地良いページ数で心地良いパターンの繰り返しで花しすの人生を行ったり来たりしていく。 様々な新田人生とのやり取り、空から降ってくるように書かれた様々な言葉たち。 それぞれ違う場面なのにリプレイを見ているような気分になってくる。 現実から解離していくなかで急にハッと迫ってくる...

各章が心地良いページ数で心地良いパターンの繰り返しで花しすの人生を行ったり来たりしていく。 様々な新田人生とのやり取り、空から降ってくるように書かれた様々な言葉たち。 それぞれ違う場面なのにリプレイを見ているような気分になってくる。 現実から解離していくなかで急にハッと迫ってくる真理になんだかよくわからないけど感動した。

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2021/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

28歳の花しすは、誰にも嫌われることがないように 周囲の癒しであろうと注意を払い、生きてきた。 実際花しすは誰からも嫌われることなく ただそこに存在していた。 AVにモザイクをかける仕事を淡々とこなし 同僚との距離感、同居人との付き合い方、 今まで出会い、関わってきた人たちの記憶 それらを全てボイスレコーダーに録音しては毎晩それを聞いては眠る日々。 自分を世話してくれた祖母が元気だった頃、 病気で寝たきりになった祖母の世話をしたこと。 周囲の人から見える白いふわふわしたもの。 全ての人たちは祝福されている。 花しすは穏やかな人だなあ。 誰かを愛してるって強い気持ちがあったら、その人を傷つけることは怖くなくなるはずなんだ。 西さん節、だったなあ。

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2021/01/21

人を不快にさせたくない、自分のせいで人が不快になるのを見たくない、というのはよく分かる。 私も前からそう思って生きているが、そうは思うけれど、そのように振る舞えない事も時々ある。 だから、子供の頃から常にそのように振る舞ってきた花しすはすごいと思う。し、窮屈だなと思う。 花しす...

人を不快にさせたくない、自分のせいで人が不快になるのを見たくない、というのはよく分かる。 私も前からそう思って生きているが、そうは思うけれど、そのように振る舞えない事も時々ある。 だから、子供の頃から常にそのように振る舞ってきた花しすはすごいと思う。し、窮屈だなと思う。 花しすの考え方や生き方にわかるー、となる部分もあったけれど、最後の2009年8月23日からはなんだから話がややこしくて十分理解出来なかった。 結局、新田人生って、何者?

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