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世界が終わるわけではなく の商品レビュー

3.5

29件のお客様レビュー

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2021/02/01

時系列は異なるが、緩やかに繋がりのある世界を舞台にした十二の短篇集です。 内容は、言葉遊びから、家族ドラマ、バディもの、ホラー、SF等々、多種多様となっており、更には、それぞれの物語がひと癖ある展開で楽しめましたが、個人的にはやや引き気味の視点が多かったのが気になり、物語の好き...

時系列は異なるが、緩やかに繋がりのある世界を舞台にした十二の短篇集です。 内容は、言葉遊びから、家族ドラマ、バディもの、ホラー、SF等々、多種多様となっており、更には、それぞれの物語がひと癖ある展開で楽しめましたが、個人的にはやや引き気味の視点が多かったのが気になり、物語の好き嫌いもありました。 それでもタイトルについては、どんな事象が起ころうとも世の中は続いていくし、輪廻転生や、夢についてのポウの言葉を引用していることから、魂の普遍性や現実世界の儚さを感じ取ることにより、ちっぽけなひとりの人間の存在を感じ取れた事で、ある意味、気楽になれた自分もいました。

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2019/01/27

懲りにこった謎解きや何重にも絡む人間関係の複雑さを売りにし、結局読書を終えた後には疲労感と確かに読んだという記憶しか残らない本が多い中、風のようにさっとやってきて印象に残る本書は良かった。もったいつけずに言いたいことだけ書きました、って感じで清々しい。話の内容は単純で理解しやすく...

懲りにこった謎解きや何重にも絡む人間関係の複雑さを売りにし、結局読書を終えた後には疲労感と確かに読んだという記憶しか残らない本が多い中、風のようにさっとやってきて印象に残る本書は良かった。もったいつけずに言いたいことだけ書きました、って感じで清々しい。話の内容は単純で理解しやすく、故に文筆力が試されるような内容。探偵のやつはいまいち未消化だったが、こういう短編集なら何冊でも読みたい。ちょっと男性描写が辛辣な感じがする。

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2018/11/14

そこにあるのはどうにもならない孤独、なのにぷっと笑いたくなる。 登場人物がつながっていくんだろうな、くらいは予想がついても、 もうひとつの仕掛け、つまりエンディング、はなんのことやら。 えっとこれはつまり、ちょっとジョナサン・キャロルちっくなの? そこまでいかないの? ファン...

そこにあるのはどうにもならない孤独、なのにぷっと笑いたくなる。 登場人物がつながっていくんだろうな、くらいは予想がついても、 もうひとつの仕掛け、つまりエンディング、はなんのことやら。 えっとこれはつまり、ちょっとジョナサン・キャロルちっくなの? そこまでいかないの? ファンタジーにはとんと疎くて。

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2015/02/08

皮肉の混じった現実の世界に、神話的な、あるいはSF的な非日常が入り込む。 関係のないようなそれぞれの短編は少しずつクロスしている。 一冊の本として巧みな構成となっていて、面白かった。

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2014/11/16

うっすらと登場人物が重なり合って一つの世界を作る短編集。どの短編も少し不思議な、幻想的な世界と繋がっている。また短編によって手触りが少しずつ違う。最初の短編は、まさしく世界の終わりのような日々の中でひたすら商品名が列挙される。妻を失った話は叙情的だし、いかにも十代な会話とモノロー...

うっすらと登場人物が重なり合って一つの世界を作る短編集。どの短編も少し不思議な、幻想的な世界と繋がっている。また短編によって手触りが少しずつ違う。最初の短編は、まさしく世界の終わりのような日々の中でひたすら商品名が列挙される。妻を失った話は叙情的だし、いかにも十代な会話とモノローグ形式で進む短編もある。 シッターと有名人の不憫な息子の二人旅の話、認知されなかった大富豪の息子が、その家を訪ねた時の辛い思い出の回想の話が良かった。

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2014/09/17

「そもそも我々が現実とみなしているこの世界だけが、 唯一無二の現実なのだろうか」 訳者あとがきにある作者の問い掛け、と云うこの一文に 凝縮されているのではないでしょうか。 12編からなる短編集なのですが、 どれも少しずつ関連したお話になっています。 最初と最後の2つのお話だけが、...

「そもそも我々が現実とみなしているこの世界だけが、 唯一無二の現実なのだろうか」 訳者あとがきにある作者の問い掛け、と云うこの一文に 凝縮されているのではないでしょうか。 12編からなる短編集なのですが、 どれも少しずつ関連したお話になっています。 最初と最後の2つのお話だけが、 ある世界の現実としたらそれは悲劇の様ですが。 そしてシャーリーンとトゥルーディの寝物語とした処から、 千一夜物語の様、という書評に繋がるのでしょう。 それは置いておいて。 少しずつ絡む世界と人物を1つずつ探して楽しむもよし。 世界が何処で繋がっているかに思いを馳せるもよし。 個人的には「テロメア」「予期せぬ旅」 「猫の愛人」「忘れ形見」がお気に入りです。 表紙とタイトルに惹かれて手に取った一冊でしたが、 自分的にはかなりアタリの一冊でした。

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2014/02/26

可愛がっていた飼い猫が大きくなっていき、気がつくと、ソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ている!そして…という「猫の愛人」、真面目な青年と、悪さをしながら面白おかしく暮らす彼のドッペルゲンガーの物語「ドッペルゲンガー」、事故で死んだ女性が、死後もこの世にとどまっ...

可愛がっていた飼い猫が大きくなっていき、気がつくと、ソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ている!そして…という「猫の愛人」、真面目な青年と、悪さをしながら面白おかしく暮らす彼のドッペルゲンガーの物語「ドッペルゲンガー」、事故で死んだ女性が、死後もこの世にとどまって残された家族たちを見守ることになる「時空の亀裂」等々、十二篇のゆるやかに連関した物語。千夜一夜物語のような、それでいて現実世界の不確実性を垣間見せてくれる、ウィットブレッド賞受賞作家によるきわめて現代的で味わい深い短篇集。 「GINZA」2014年2月号で紹介されました。

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2014/01/28

短編12作。ジャケ&タイトル買い。 その物語は、確かに着地したけれど、どこへ弾んで飛んでいくのかわからない楕円のボールのよう。いわゆる方向性はこの多面的(ひょっとしたら円形)な世界には通用しない。段々その不確実さに慣れ、安定を伴い面白さが沸々とわいてくる。 どこがどう面白いかはわ...

短編12作。ジャケ&タイトル買い。 その物語は、確かに着地したけれど、どこへ弾んで飛んでいくのかわからない楕円のボールのよう。いわゆる方向性はこの多面的(ひょっとしたら円形)な世界には通用しない。段々その不確実さに慣れ、安定を伴い面白さが沸々とわいてくる。 どこがどう面白いかはわからないけれど、気が付いたら読み終えている。

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2013/11/12

期待値上げすぎた。 幻想文学と聞いていたし、 猫話好きの私的には 凄く楽しみだったが、 全く記憶に残らない。 カタカナの名前が相変わらず 頭に入らないし、 海外の小説は 訳によって当たり外れが激しい。

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2013/08/26

表紙がおもしろかったのと あとがき読むとあの「博物館の裏庭」の人だとゆーので。 博物館、はなにかの書評で気になっていたんだが、海外ものはなーっと二の足を踏んでたところ、これは短編集だとゆーので、ちょっとどんなもんかなあっと思い手にとる。 そして見事玉砕。 うん、やっぱ海外ものとは...

表紙がおもしろかったのと あとがき読むとあの「博物館の裏庭」の人だとゆーので。 博物館、はなにかの書評で気になっていたんだが、海外ものはなーっと二の足を踏んでたところ、これは短編集だとゆーので、ちょっとどんなもんかなあっと思い手にとる。 そして見事玉砕。 うん、やっぱ海外ものとはつくづく相性が悪いんだな。 意地になって最後までよんだけど、正直挫折。 おもしろくない、とかそーゆーんじゃなくて、ただ、文章が入ってこない。 表紙のお話のだんだん存在感の大きくなってゆく猫、とか、 死と生との境がない感じとか、あっちとこっちの短編で同一人物らしき 人が登場したり、とか、興味深い部分は多々あって、 これを十分に楽しめない自分の能力の低さに、ちょっとがっくり。 残念。

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