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小さいおうち の商品レビュー

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471件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/01/27

様々な時代を背景に魅力的なストーリーを展開する著者が、戦前・戦中を舞台に描く手の込んだ恋愛劇。当時を知るすべもない読者にでさえ、時代の息吹がうまく取り込まれていると感じさせる。戦中・戦後については苦労話や重たい話ばかりに触れる機会が多いが、ここでいきいきと描かれた当時の様子はとて...

様々な時代を背景に魅力的なストーリーを展開する著者が、戦前・戦中を舞台に描く手の込んだ恋愛劇。当時を知るすべもない読者にでさえ、時代の息吹がうまく取り込まれていると感じさせる。戦中・戦後については苦労話や重たい話ばかりに触れる機会が多いが、ここでいきいきと描かれた当時の様子はとても魅力的にさえ思えてくる。

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2013/01/27

家付きの女中として東京で働いていたタキが、年老いてからノートに書き綴った当事の日々の生活のこと、働いていた家のこと、年が近くキレイで可憐だった奥さまのこと、ご主人の会社の若きデザイナ―青年のことなど、昭和のヒトケタの時代から戦争が始り終るまでの激動の時代に生きた普通の人々の生活を...

家付きの女中として東京で働いていたタキが、年老いてからノートに書き綴った当事の日々の生活のこと、働いていた家のこと、年が近くキレイで可憐だった奥さまのこと、ご主人の会社の若きデザイナ―青年のことなど、昭和のヒトケタの時代から戦争が始り終るまでの激動の時代に生きた普通の人々の生活を描いたお話。大きなストーリーこそないものの、時代のうねりに翻弄されながらもその中でそれぞれが懸命に生きてきた様がジワジワと迫って来ます。今江祥智の「ぼんぼん」から始まる三部作を読み返したくなりました。タキのー人称の語りのような文体に馴染みすっかりその世界に浸ったところで、最終章ではガラリと鮮やかな展開が。読後もジンワリとした余韻の残るお話でした。大変面白かったです。装丁も素敵。

Posted byブクログ

2013/01/27

大河ドラマを読み終えた満足感、最後の一章は駆け抜けるように読みました。 東北から東京へ、女中奉公にやってきたタキの素直な目線から語られていく、戦争へ入る前の日本の、ささやかでいて豊かで希望にあふれた時代感にハッとさせられる。 それはこれまで思っていた戦争のイメージとは違う、今...

大河ドラマを読み終えた満足感、最後の一章は駆け抜けるように読みました。 東北から東京へ、女中奉公にやってきたタキの素直な目線から語られていく、戦争へ入る前の日本の、ささやかでいて豊かで希望にあふれた時代感にハッとさせられる。 それはこれまで思っていた戦争のイメージとは違う、今ある日常とさして変わらない、家族のありよう、暮らしのありようで。驚きながらも、腑に落ちる気がした。ふつうの家庭から見れば、こんなふうに、いつのまにか、戦争が始まっていったのかもしれないなと。 時にどうしようもないことが人生には起こる。 どれほど大切にしようと壊れること、失われることがある。 その儚い人生を、生き抜いていく人の力が タキの人生を通して、圧倒的な力をもって描かれていく。 最後はタキの甥と共に、強い風に煽られて立ち尽くすような、そんな気分になった。

Posted byブクログ

2013/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女中さんというと主からはいじめられるイメージが強いけれど、女中さんと奥さんが親友みたいな関係を築くことはどれくらいあったのだろう。 タキちゃんは10代20代を平井家の女中をしているのに、おばあちゃんが女中をしている感じがしちゃう。 語りがおばあちゃんになったタキちゃんだからなのか。 奥さんと若い漫画家板倉さんの一目を忍ぶ恋。不倫なんだけど、若者の初恋のように見える。 現実離れした時子さんが戦時中でも浮世離れしていた。生々しいものではなくて、奥様に惚れ込んでいるタキさんが一途で可愛らしくて、本当に周りでどれだけいろいろなことが起ころうと赤い家の中では穏やかな空気が流れたであろう想像もリアルにできました。

Posted byブクログ

2013/01/22

最後の方で物語は一気に意外な展開を見せる。よく考えられた構成。 戦前は豊かな生活をしていた、と伯母に聞いていたが、そんなことあるかな、と実は半信半疑だった私だが、この本を読んでみて、なるほど豊かで楽しい日々があったのだな、と感じられた。

Posted byブクログ

2013/01/21

昭和初期から戦後までの東京郊外の女中と主人一家の物語。女中の手記のかたちで語られる昭和初期東京の小春日和のようなひと時の豊かさが切ない。この本の舞台と同じ、玄関の次の間が洋風の応接間になっている家は、30年位前までは世田谷あたりで普通に見られた。今はどうだろうか。

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2013/01/21

ハードカバーの頃、装丁に惹かれて買いました。 昭和初期、古きよき時代のお手伝いさんのお話。 戦争が始まってから、奥様と再会するシーンはジーンと来ました。 作中、ちょっとだけ庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」をリスペクトしてます。 最後にどんでん返しが…みたいな書評を見たことあるけ...

ハードカバーの頃、装丁に惹かれて買いました。 昭和初期、古きよき時代のお手伝いさんのお話。 戦争が始まってから、奥様と再会するシーンはジーンと来ました。 作中、ちょっとだけ庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」をリスペクトしてます。 最後にどんでん返しが…みたいな書評を見たことあるけど、そういう話ではないような。 そのときのタキさんの立場なら、その判断もアリだったと思います。

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2013/01/20

自慢調の書きぶりが気にさわる。。 戦時中の、中流階級がいかにのんびり構えてたか、と知るにはいいのかもしれないけれど、、 中途半端な小説。

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2013/01/20

とても素敵だった。読み終わった翌日、また読んだ。時間をおいて、同じ本を読むことはあるけれど、すぐに読みたくなる本には久しぶりに出会った。

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2013/01/19

はああ。 なんとまあ、泣けてくるお話なのでしょうか。いくらなんでも通勤電車で落涙はまずかろう、となんとかこらえましたが。 北村薫のベッキーさんシリーズ、山中恒の少国民シリーズ、そして斎藤美奈子の「戦下のレシピ」を思い出しつつ読みました。 今更どうにもできないが、亡くなった祖母や...

はああ。 なんとまあ、泣けてくるお話なのでしょうか。いくらなんでも通勤電車で落涙はまずかろう、となんとかこらえましたが。 北村薫のベッキーさんシリーズ、山中恒の少国民シリーズ、そして斎藤美奈子の「戦下のレシピ」を思い出しつつ読みました。 今更どうにもできないが、亡くなった祖母や伯母ともっと話をしておけばよかった。 ああ、また泣けてきた。

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