死ねばいいのに の商品レビュー
タイトルから勝手に恨み憎しみ憎悪まみれの暗い物語を想像しちゃってたけど全くそんなことはなかったわ! ストーリーよりも何よりもさすがは京極先生、言葉選びというか日本語の言葉遣いが本当に巧みで最高に爽快。 「どうして自分だけこんなに不運で辛いんだ、全て周りのせいだ、自分はこんなに...
タイトルから勝手に恨み憎しみ憎悪まみれの暗い物語を想像しちゃってたけど全くそんなことはなかったわ! ストーリーよりも何よりもさすがは京極先生、言葉選びというか日本語の言葉遣いが本当に巧みで最高に爽快。 「どうして自分だけこんなに不運で辛いんだ、全て周りのせいだ、自分はこんなに頑張ってるのに、取り囲む環境のせいだ」って何をするでもなく愚痴だらけの人たちと、真っ直ぐに真っ向に純粋に言葉をかけるケンヤとの噛み合わなそうで噛み合っちゃう会話が不思議で面白い。 全編会話が中心で進んでいくからスピーディで読みやすいんだけど、何せ随所随所で読者の心にグサっと刺さる言葉が出てくるので休み休み読みました。笑 死ねばいいのに、から論破していく流れはスカッとして気持ちいいんだけど後半はちょっともういいかな、という気持ちになったのは正直な感想。それ以外はとてもよかったです。好き嫌い別れる作品かなとは思うけど私は好きでした。誰かに話したくなっちゃう。 こういうのを憑き物落としっていうんですね。初めて知りました。
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まず、題名が衝撃的でした。 内容も何だか自分が責められているような感覚に陥る私的にはイイ気分で読めるお話ではないです。 でも読むのを止められず、結局最後まで読んでしまう中毒性のある本でした! 結局、話に入り込んでしまう程魅力的だったんだと思います(^_^;)
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死んだ女のことを聞いてまわる無礼な男。 その男と話しているうちに、自らの矛盾や身勝手さを突き詰められ、しまいには「死ねばいいのに」と言われる。その言葉を言われた当の本人は、自分自身で気づかなかった本音や感情に気づいてしまう。 無礼な男、ワタライケンヤが聞いてまわる人たちは、身勝手...
死んだ女のことを聞いてまわる無礼な男。 その男と話しているうちに、自らの矛盾や身勝手さを突き詰められ、しまいには「死ねばいいのに」と言われる。その言葉を言われた当の本人は、自分自身で気づかなかった本音や感情に気づいてしまう。 無礼な男、ワタライケンヤが聞いてまわる人たちは、身勝手な人たちだ。ただ、その人たちが持つ身勝手さは、読者である自分自身も持っているものであり、だからこそワタライケンヤの放つ「死ねばいいのに」という言葉が、まるで自分自身に言われているかのように刺さってくる。 しかし、その時に、改めて自分自身を客観的に見ることができ、自分の背負う余計なものに気づくこともできるかもしれない。 気づくだけでは、きっと日常は変わらない。だが、気づく前と気づいた後では、その背負っているものの重さは変わるかもしれない。 本作は正に「憑き物落とし」の本だと感じる。 そして、憑き物を落とされているのは、作中の登場人物ではなく、読者である自分自身だった。
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アサミのことが知りたいというケンヤ。 会社の上司、恋人、隣人、母親等々、一人一人に会いに行く。 誰も彼女のことをくわしく語らない、分かっていない。 彼女の話よりも自分の置かれた状況、愚痴、不平不満が止まらない。 そこでケンヤがいい放つ「死ねばいいのに」。 ケンヤが、相手の本質をとらえる。 ハッとする、ゾクッとする。 ケンヤに知られていないと思っていたことを突っ込まれると本性をあらわす。 一気読み。 なぜアサミは、殺されたのか、彼女はどんな女性だったのか。
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目を逸らさずどこまでも真っ直ぐに、教えてよ何で?と問うてくる7人目に、問われるのがつらくなって読み進めづらい気持ち。
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図書館にて初めて手に取った京極夏彦作品。最近読んでいる比較的若手の作家さんに比べ、難しい漢字や表記が多いなと感じる。普段あまり目にしない漢字が多く、スマホの辞書で調べつつ読み進める。つくづく自分の語彙力の無さ、漢字の知らなさを思い知らされる。 それはさておき、、 漢字は難しくて...
図書館にて初めて手に取った京極夏彦作品。最近読んでいる比較的若手の作家さんに比べ、難しい漢字や表記が多いなと感じる。普段あまり目にしない漢字が多く、スマホの辞書で調べつつ読み進める。つくづく自分の語彙力の無さ、漢字の知らなさを思い知らされる。 それはさておき、、 漢字は難しくても物語はそう難しくも無く、題名からとても興味深い。 序盤からすぐに引き込まれ、あっという間に読み終えた。とても面白かった。 今後も京極夏彦作品を 読んでみようと思う良いきっかけになったな。
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文句なく☆5, まだ今年も前半だけど、間違いなくベスト3には入る一冊。 京極先生の巧みな日本語に読み手である自分の憑き物が落とされる。日本人ならこのくらい上手く言葉を使いこなしたいと、非常に強い憧れを感じます。 読了後、改めて考えるとケンヤが語る言葉は当たり前で素直なことなのに、...
文句なく☆5, まだ今年も前半だけど、間違いなくベスト3には入る一冊。 京極先生の巧みな日本語に読み手である自分の憑き物が落とされる。日本人ならこのくらい上手く言葉を使いこなしたいと、非常に強い憧れを感じます。 読了後、改めて考えるとケンヤが語る言葉は当たり前で素直なことなのに、凝り固まった脳みそで考えると考えつくことができない・・・そんな感覚が一番近いのかなぁ、とおもいます。
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【2023年14冊目】 「死ねばいいのに」 ともすれば、ものすごい悪口である。悪意100%である。タイトルにもなっているこの言葉は、物語の章が変わる度に必ず発せられる言葉だ。けれど、それを発するケンヤという男は何も相手を不快にさせようと思って言っているのではない。 死んだ女、鹿島亜佐美について何一つ知らないから教えてくれと、話を聞きに行くケンヤの先々には様々な相手がいる。不倫相手、隣人、ヤクザ、実の母親、警察官――亜佐美の話を聞きに行っているのに、なぜか彼らは自分のことばかり話すのだ。だからケンヤは話を聞いた上で結論付ける。 死ねばいいのにと。 言われた相手は皆一様な反応を見せる。だが、「はい、じゃあ死にます」とはならない。普通だ、それが普通の反応の筈なのだ、なのに。 ケンヤの言うことは1人目から最後まで至極真っ当で、そうだそうだと思いながら読みつつも、かと言って話を聞きに行った相手が特別変なことを言っている訳ではない。ただ、視点が亜佐美ではなく、自分の世界だけに向いているだけ。だから、その目線でしか話せない。いつの間にか愚痴になっている。でも死ぬほど辛いわけでもない。 恐ろしいのが登場人物誰一人として辛いから死にたいと思っていたわけではないというところです。そりゃあ、わからないと思う、話も聞きたいと思う。でも死人に口なし。最後の最後でケンヤが笑うんですけど、やっと理解できることを言われた=自分の罪っていうのが何とも。 改めて京極夏彦さんは恐ろしい作家だなと思いました。解説が辻村深月さんというのがまた。
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自宅マンションで殺害された女性。 その知り合いに生前の彼女のことを聞き回る若い男。 彼の目線から物語が描かれている。 6部構成になっており1部を読んだ時にかなり引き込まれて 続きが読みたくなった。 面白かったです。
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素直さの強さ。 まっすぐであることの残酷さ。 ただ、相手が豆腐なだけという可能性もある。 生きづらいよねぇ。でも、がんばろ。
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