ふれられるよ今は、君のことを の商品レビュー
冴えない中学教師・楓は年下の彼と同棲中。困るのは、この素敵な恋人がときどき“消えて”しまうこと―。奇跡の恋愛ファンタジー。 ------ 橋本さんらしい、透明感8とブラック2がまざったストーリー。 現代教育や学校職場の難しさや理不尽さを描きつつも 仕事に無気力な主人公の力の抜け...
冴えない中学教師・楓は年下の彼と同棲中。困るのは、この素敵な恋人がときどき“消えて”しまうこと―。奇跡の恋愛ファンタジー。 ------ 橋本さんらしい、透明感8とブラック2がまざったストーリー。 現代教育や学校職場の難しさや理不尽さを描きつつも 仕事に無気力な主人公の力の抜けた透明感が好み。 ただマイペースだった主人公がいろいろなことがあって もとの自分に戻れないと気づいたときの感情の波は 共感する部分もあり。 一人が好きでも、一度その場所から出てしまったら 二度と同じ場所には、同じ感覚には戻れないものだから。 しかもファンタジー要素もしっかりはいったうえの ハッピーエンドだったから、いいまとまりでした。
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よくわからないうちにも、、、、、 なんとなく、、、、、 そんな感じで読了。 つかみ所のないような、ぼやーっとした印象ですが、私は好きだなァ
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全体的に、何もかもがぼんやりしているな、という感じのお話だった。 この著者のお話は不思議な設定の時もあるけれど、ちょっと今回は個人的には受け入れ難かったかも。 相変わらずお料理の描写が丁寧で、美味しそうです。
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高野楓(たかの・かえで)はやる気のない中学校教師。熱血教師が次々に心を病んで辞めていく教育の現場で、自分は常に適当に仕事をしてきたからこそ生き残れたのだ、という自覚がある。恋愛経験がなくもないが、なんとなく独り身できた。しかし最近、ひょんなことから、年下の彼氏を居候させている。センスがよく料理上手な彼との日常はたのしいが、困ったことがひとつ。この彼は、ちょくちょく姿をくらませてしまうのだ。野崎先生は楓の先輩教師で、熱血なことが鼻につくが、なにかと頼られてしまう。この先生に問題児・市田君の面倒をみてほしいと頼まれ、いやいやながら引き受ける。市田君は、図抜けた卓球の才能があり、卓球部員なのだが、全くやる気がなく、卓球台の下で本を読んでいるというのだ。楓は、自分の管轄である社会科資料室の整理を市田君に頼む。市田君は分類と整理といったことが無類に好きらしく、本当は誰からも必要とされていない作業に嬉嬉として励む。恋愛不能、発達障害といった現代的問題をふわりと包み込み、見事な大人のファンタジーとして仕上げた傑作長篇。
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著者の本はじはじめてでしたが、不思議な物語でした。 神隠しのように、消えてしまう彼を持った女の子の話。 つかみどころがなくて、最終的な結末もはっきりとしない話でしたが、静かに進んでいくさまがよかったです。
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このタイトルにおちて、橋本さんの作品を久しぶりに読んだ。 ずいぶん前に読んだときの印象と違った。これから他の作品を読んでみたい。 時も違うし、自分の感じ方も違うだろうから読んだものもまた読んでみようか。 好きな人が同じ家にいる。でもいつ消えてしまうのかわからない。 そしていつ戻ってくるのかわからない。 二週間ならいい。一か月ならいい。・・・十五年に比べれば。 彼がそばにいるときの気持ちや感覚は離れるとどうしようもなくよみがえる。 その痛みを気が付けば、彼女と共有していた。 ともに年をとっていけないというのもまた、別の苦しみを生むだろう。 彼はいつまでも若いまま。それでも彼の愛情は変わらない。 そんな奇異な存在を、短歌の先生の登場がすごくリアルにした。 学校の資料室での生徒や野崎先生とのやりとり、その間に傾いていく陽の様子。 普通の日常がしっかりと描かれている。だからこそ、そこに留まれない彼の存在が 一層生きている。 そこにいれば、同じように生活できるのに。 ただそこに留まれないだけなのだ。けれどそれが何より問題でどうしようもない。 自分のなかの日常でうまくできない部分を認めている彼女。だけどきちんと生きている。 わたしにはそう見えた。
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不思議な話だった。 特に大きな事件もなく、高野楓という女性の人生を淡々と描いていく。話に凹凸もなく、面白味もないんだけど、なぜか引き込まれてしまっていた。 結末も結局不透明のままだった。 でもこの話はこれでいい気がする。
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ふわふわと掴みどころのない物語。でも好き。 何だかよく分からないのに安心して読めてしまうのはやっぱり飯が美味そうだからだ。飯パワー最強。
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川面を滑る石のような年下の彼と、彼女の一瞬のような、永遠のような、そんな恋のお話。 あなた、と呼ぶ彼が素敵だと思います。 流れゆく日々が残酷でせつないけれど、きっと幸せ。 なんという矛盾。寂しさと幸せが一緒だなんて。 「されどいま 残されし君 氷菓のごとく 変わらぬまま ただ...
川面を滑る石のような年下の彼と、彼女の一瞬のような、永遠のような、そんな恋のお話。 あなた、と呼ぶ彼が素敵だと思います。 流れゆく日々が残酷でせつないけれど、きっと幸せ。 なんという矛盾。寂しさと幸せが一緒だなんて。 「されどいま 残されし君 氷菓のごとく 変わらぬまま ただ触れてみる」
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不思議な感覚の小説だ。 この世にあってないような男性と共に暮らす日常はどんなものだろうか? 仕事も家事もままならず、不器用な生き方しか出来ない中学校の社会科教師・高野楓の生活に、ふと訪れた安心感のある暮らし。 楓のことを「あなた」と呼ぶ「彼」がいる幸せは、彼が手際よく作ってくれるおいしい家庭料理の味わいで増すのだったが、問題はその「彼」がふっといなくなることだった、、、 (本題である小説のテーマと微妙に絡み合う、料理に関するうんちくは、このところ家庭料理にこだわっている(=「今日のごちそう」(講談社、2012年3月))橋本さんらしい一面を表しているようだ。) 冒頭の謎が謎のまま先送りされ、種明かしされないどころかますます混迷を深めていくストーリー展開に「?」。 なんだかフラストレーションがたまる展開だ。
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