幕末史 の商品レビュー
半藤さんの昭和史から来ました。 半藤節は健在で、複雑な幕末史も、軽妙な語り口で噛み砕かれ、すらすら読めてしまいます。 幕末史というと、なんとなく独立したイメージがありましたが、昭和・大正・明治・幕末と地続きで連なっている感覚を実感できます。
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語り口調でかかれていて、読みやすい。幕末の複雑な政治模様がよく分かりました。個人的には、尊王攘夷論で、尊王と攘夷がなぜ結びついたのかがよく分かっていなかったのですが、この本を読んで疑問が氷解しました。ちょっと物足りなかったのは、政治史に話題が限られていること。幕末から明治初期にか...
語り口調でかかれていて、読みやすい。幕末の複雑な政治模様がよく分かりました。個人的には、尊王攘夷論で、尊王と攘夷がなぜ結びついたのかがよく分かっていなかったのですが、この本を読んで疑問が氷解しました。ちょっと物足りなかったのは、政治史に話題が限られていること。幕末から明治初期にかけての、経済情勢は面白そうなだけに勿体ない。
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ペリー来航から大久保利通暗殺まで、幕末・明治初期の時代の流れを半藤一利さん独特の切り口で語った本。 本書は、半藤一利さんが薩長史観とは反対の立場で幕末・明治初期の歴史を語ります。幕末は志士側よりも徳川慶喜や勝海舟の心情や動きを多く語っています。明治初期では、とりあえず幕府は倒し...
ペリー来航から大久保利通暗殺まで、幕末・明治初期の時代の流れを半藤一利さん独特の切り口で語った本。 本書は、半藤一利さんが薩長史観とは反対の立場で幕末・明治初期の歴史を語ります。幕末は志士側よりも徳川慶喜や勝海舟の心情や動きを多く語っています。明治初期では、とりあえず幕府は倒したものの、政権構想が固まっていなかったが故の混乱ぶりを主体に語られています。 本書はとても面白い本ですが、幕末・明治初期の歴史知識がないとわかりづらい面があります。他の本で幕末・明治初期の歴史を読んだ上で、本書を読むことをおすすめします。
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★★★2019年5月★★★ 半藤さんが語る幕末史。ペリー来航から西南戦争まで。筆者も述べているように、どちらかと言えば幕府に同情的な立場で書かれている。確かに、薩長のやった事は無理無体なことも多いし、幕府の肩を持ちたくなる気持ちは分からないではない。 中でも特に評価してい...
★★★2019年5月★★★ 半藤さんが語る幕末史。ペリー来航から西南戦争まで。筆者も述べているように、どちらかと言えば幕府に同情的な立場で書かれている。確かに、薩長のやった事は無理無体なことも多いし、幕府の肩を持ちたくなる気持ちは分からないではない。 中でも特に評価しているのは勝海舟だろう。 咸臨丸による太平洋横断から、江戸城無血開城、西南戦争に至るまで、常に勝海舟が登場する。 左遷されたり、抜擢されたり、幕府が倒れた後は駿府にこもったり、新政府に出仕したり、勝の身辺はいつも騒がしい。 「日本」を第一に考えながらも、薩長と一戦も辞さないという強い覚悟。胆力。これがあっての勝海舟だろう。 薩長の中では、西郷を高く評価しいているようだ。しかし一方で大久保については、実力は評価するがあまり好きではないようだ。 権力闘争に明け暮れた新政府の重鎮については激しく批判している。 改めてざっとこの作品を見渡して、どの辺に書いてあったか発見できないが、「幕末のある段階で国論は開国で一致していたのに、幕府を倒す必要があったのか」という意味のことを書いてあった。 では、幕府を倒さなければその後歴史はどう動いただろうか。興味深い話だ。
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歴史から何を学ぶかが重要。そして、歴史は勝った者が作るので、負けた側から見ることも重要。 1.この本を一言で表すと? ・ペリー来航から大久保の死までの歴史を反薩長史観でまとめた本 2.よかった点...
歴史から何を学ぶかが重要。そして、歴史は勝った者が作るので、負けた側から見ることも重要。 1.この本を一言で表すと? ・ペリー来航から大久保の死までの歴史を反薩長史観でまとめた本 2.よかった点を3〜5つ ・薩長暴力革命 →維新を美化していない。天皇の尊い意志を推戴して成しとげた大事業であるなどということではまったくない ・尊皇攘夷から尊皇倒幕 ・どのような国家をつくるか、統一の機軸はなかった →ビジョンはなく、攘夷の空気にうまく乗った権力闘争だったということは意外だった ・徳川慶喜 →いざとなるとすぐに逃げ出すクセ、根性の無さは イメージが全く違っていた。 ・昭和史の敗戦直前の状況とよく似ている ・統帥権の独立(p495) →軍部暴走、太平洋戦争敗戦の布石がこの時にできていた ・ガス抜きのための台湾出兵 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・勝海舟褒めすぎ ・昭和史と絡めたところが結構あり、昭和史を先に読んでいない人はわからないと思う 3.実践してみようとおもうこと ・日本人が戦争から学ぶ一番大切な点は、「熱狂的になってはならない」ということ ところで、「攘夷」「攘夷」と言っていますが、では下級武士や浪人たちはいったいどのような理論構成のもとに攘夷を唱えたのか、当然問題になるわけです。 が、正直申しまして、攘夷がきちんとした理論でもって唱えられたことはほとんどなく、ただ熱狂的な空気、情熱が先走っていた、とそう申し上げるしかない。 時の勢いというやつです。 そこがおっかないところで、理路整然たる一つの思想があって皆がそれを学び、信奉し、行動に出るなら話はまだわかるのですが、それがほとんどなく、どんどん動いていく時代の空気が先導し、熱狂が人を人殺しへと走らせ、結果的にテロによって次の時代を強引につくっていく。 テロの恐怖をテコに策士が画策し、良識や理性が沈黙させられてしまうのです。 むしろ思想など後からつくればいいという状況だったのではないでしょうか。 いつの時代でもそうですが、これが一番危機的な状況であると思います。(p149〜150) 4.みんなで議論したいこと ・ 5.全体の感想・その他 ・歴史には様々な視点があり、勝った者が作った歴史だけでなく違う視点でも見る必要があることが理解できた
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ペリー来航から西南戦争(幕末〜明治10年頃)までの出来事を、それを引き起こした人物を中心に極力偏りのないように記述したもの。歴史は勝者によって記録されるの名言通り、教科書に書かれている薩長史観、小説で殊更にヒーローを取り上げている司馬史観とは異なる描き方で、これは学んでおくべき視...
ペリー来航から西南戦争(幕末〜明治10年頃)までの出来事を、それを引き起こした人物を中心に極力偏りのないように記述したもの。歴史は勝者によって記録されるの名言通り、教科書に書かれている薩長史観、小説で殊更にヒーローを取り上げている司馬史観とは異なる描き方で、これは学んでおくべき視点。右か左かで問われると北寄りを自認するものとして、賊軍とされた東北諸藩には同情を禁じ得ないし、いわゆる錦の御旗を持ち出して賊軍を討ったというが、尊皇は名ばかり、自身の殿様すら廃し、攘夷を翻し、権力闘争に明け暮れた。「明治維新で日本国を作ったのは薩長であり、太平洋戦争で日本国を滅ぼしたのもまた薩長である」
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半藤一利さんの本は、かなーり主観が入ってる感じはあるものの、やっぱり読みやすい。 この本のいいところは、主観はあるけども、人物像の想像した姿を書いてくれているところ。進み方も時系列だし、すごくわかりやすい。 変な先入観が入ってしまいそうになるから、そこが自分としては怖いなあと思っ...
半藤一利さんの本は、かなーり主観が入ってる感じはあるものの、やっぱり読みやすい。 この本のいいところは、主観はあるけども、人物像の想像した姿を書いてくれているところ。進み方も時系列だし、すごくわかりやすい。 変な先入観が入ってしまいそうになるから、そこが自分としては怖いなあと思ったけど、、、 この本を読んで、やっぱり人とのつながりとか、人の思いとか、そういうものが最後はなにかをうごかすのかなあ、なんて思えて、幕末について考えようと思えた一冊になった。
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半藤さんの著書はどれも読後の満足度が高い。勝てば官軍的歴史観は維新に限らず多々あるが、公正な事実の検証と多面的な批評があって、初めて過去に学べる。と半藤さんはいつも教えてくれる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> はじめの章 「御瓦解」と「御一新」 第1章 幕末のいちばん長い日 第2章 攘夷派・開国派・一橋派・紀伊派 第3章 和宮降嫁と公武合体論 第4章 テロに震撼する京の町 第5章 すさまじき権力闘争 第6章 皇国の御為に砕身尽力 第7章 将軍死す、天皇も死す 第8章 徳川慶喜、ついに朝敵となる 第9章 勝海舟と西郷隆盛 第10章 戊辰戦争の戦死者たち 第11章 新政府の海図なしの船出 第12章 国民皆兵と不平士族 第13章 西郷どん、城山に死す むすびの章 誰もいなくなった <内容> 『昭和史』などに比べて、内容の迫力に欠けるか?人口に膾炙したテーマだけに、新情報がなく、半藤さんの解釈にも新味が感じられなかった。ただ、語り口は面白く、厚いわりにすらすら読めるのではないか?反薩長史観で、これから広まるであろう感じ方だと思う。
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講義の内容をまとめたものなので、非常にフランクで読みやすい。司馬遼太郎の幕末は良くも悪くもエンタメ要素があるので、冷静に歴史としての幕末史を見てみましょうという本である。 色々トピックはありすぎるが、メインは慶喜だろう。大政奉還を決断したという意味で評価されるが、それ以外は非常に...
講義の内容をまとめたものなので、非常にフランクで読みやすい。司馬遼太郎の幕末は良くも悪くもエンタメ要素があるので、冷静に歴史としての幕末史を見てみましょうという本である。 色々トピックはありすぎるが、メインは慶喜だろう。大政奉還を決断したという意味で評価されるが、それ以外は非常に利己的で保身的な人物としか思えない。維新後は趣味人で、様々な遊びをしていて、実は本人は幸せだったんじゃないかと思うと、非常に現代人らしい人だ。 あとは半藤さんが勝海舟を評価しているのは頷ける。この人も自分勝手で保身的と評価されやすいが、何度も殺されかけている割に護衛を付けない辺り、龍馬に似た豪胆さもある。なんだかんだ役割として役人であり、西郷さんや慶喜と渡り合う辺り、律義でもあるのだ。 幕末というと志士の側から語られる事が多い中、幕府、外国からの視点も合わせて見てみるという点で本当に読みやすく面白い本だと思う。
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