幕末史 の商品レビュー
生涯学習講座の講義録をまとめたもの。 歴史は苦手だけど、令和3年1月に著者が亡くなり話題になっていたことから、幕末史をおさらいする気持ちで購入。軽妙な語り口調で読み進みやすく、大河ドラマ「晴天を衝け」とも時代が同調していて、相乗効果でとても楽しく読み進められた。 反薩長史観の幕末...
生涯学習講座の講義録をまとめたもの。 歴史は苦手だけど、令和3年1月に著者が亡くなり話題になっていたことから、幕末史をおさらいする気持ちで購入。軽妙な語り口調で読み進みやすく、大河ドラマ「晴天を衝け」とも時代が同調していて、相乗効果でとても楽しく読み進められた。 反薩長史観の幕末史。「御一新」ではなく「御瓦解」、薩長が徳川から政権を奪取したに過ぎず、この国のかたちが大きく変わったわけではないという見方には共感。実際、政策の実務は旧幕臣無くしては成り立たなかったことは大河でも描かれていた。木戸孝允らが書簡で、戊辰戦争に勝ってうかれた連中が今後の日本をどうするかを考えずエコイムズだけで政府にあれこれ申し立てている、幕府は倒したけれど、あとの青写真は持たず、だれも責任をもって職責を果たそうとせず、勝手を言っているだけ。これでは崩れるしかなく、我々が一生懸命やってきたことは何だったのか、と嘆いている。 何となく民主党政権時代の混乱を思い出してしまったが、今の日本の政治は薩長の明治からどれだけ進化しているのだろうと思ってしまった。 半藤氏の作品にもっと触れてみたいと思う。
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明治維新=薩長史観→褒め称えられる薩長の革命、著者はそんな一方的に評価されるべきでない、歴史は公正に評価されなければならない、いくら訴えても支持されない無念、後世にそう言う時はくるのだろうか。もし来たとしても生きていないだろうな。 著者は統帥権にこだわっている、それが太平洋戦争の...
明治維新=薩長史観→褒め称えられる薩長の革命、著者はそんな一方的に評価されるべきでない、歴史は公正に評価されなければならない、いくら訴えても支持されない無念、後世にそう言う時はくるのだろうか。もし来たとしても生きていないだろうな。 著者は統帥権にこだわっている、それが太平洋戦争の悲劇に繋がっているから。 福沢諭吉をあまり好きではない理由が知りたい。
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PodcastのCoten Radioで紹介されている参考図書の一つ。 いまいち幕末とかイメージがあやふやだったりしていたけど(徳川慶喜と薩長土肥はどういった立場で対立したの?などなど)、丁寧に且つ講談的な味のある語り口でとってものめり込みながら理解を深めることができた。 ただ...
PodcastのCoten Radioで紹介されている参考図書の一つ。 いまいち幕末とかイメージがあやふやだったりしていたけど(徳川慶喜と薩長土肥はどういった立場で対立したの?などなど)、丁寧に且つ講談的な味のある語り口でとってものめり込みながら理解を深めることができた。 ただ歴史の教科書で列挙された人物たちと出来事が、人間臭いドラマといて捉えることができたのは、歴史の面白さってこうやって感じるのだなーと今更ながらの気づき。何であんなに学校の歴史はつまんないのだろうの裏返し。 特に印象深いのは、勝海舟の偉人感と慶喜の無機質さ。慶喜は天皇への忠義を誰よりも深く持ってたはずなのに賊軍との扱いを受けて、ほろろな立場よね。 著者の「昭和史」もぜひ挑戦してみたい。楽しみ。
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大河ドラマ『青天を衝け』今日はサブタイトル『激闘!禁門の変』 渋沢栄一の自伝かと思っていましたが、重厚な幕末大河ドラマ(明治維新後も期待してます)だった。大河ドラマのガイド本では物足りず、歴史の新書ではどうも頭が整理出来ないため、良い本を探して本書に出合いました。著者の半藤一利氏...
大河ドラマ『青天を衝け』今日はサブタイトル『激闘!禁門の変』 渋沢栄一の自伝かと思っていましたが、重厚な幕末大河ドラマ(明治維新後も期待してます)だった。大河ドラマのガイド本では物足りず、歴史の新書ではどうも頭が整理出来ないため、良い本を探して本書に出合いました。著者の半藤一利氏が冒頭に『反薩長史観』と表明してペリー来航から西南戦争までを、大学の特別講座で語ったものをまとめたもの。とにかく分かりやすく面白い。個人的には一部異論もありますが、折りに触れ読み返したくなる良本、幕末通史としてお勧めです!!
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他の人の感想に大河ドラマを見ているようだと書かれていたが、まさに同感 戦国時代は大好きなのに、幕末の流れは、よく分からず 最近、大奥(吉永ふみ)を読み天璋院篤姫を読み、今の大河ドラマを見るにつれ、一つ一つの出来事が大きな流れに変わって行く あー、これがそうだったのかと一人で合点が...
他の人の感想に大河ドラマを見ているようだと書かれていたが、まさに同感 戦国時代は大好きなのに、幕末の流れは、よく分からず 最近、大奥(吉永ふみ)を読み天璋院篤姫を読み、今の大河ドラマを見るにつれ、一つ一つの出来事が大きな流れに変わって行く あー、これがそうだったのかと一人で合点が行き、私のような幕末オンチの人間にもわかりやすく、読みやすくなっている 最後に、本文中に大日本帝国は、薩長がつくり薩長が滅したと言う一文が印象的だった
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映像を見たわけではないのに、幕末を描いた大河ドラマを見たような読後感だった。ペリー来航から大久保利通の死までの、講義12回分をまとめたもの。登場する人物たちの言葉や行動が、詳細に、眼に浮かぶように語られる。自分が知識として持っていた出来事と出来事が、必然性を持って繋がっていった...
映像を見たわけではないのに、幕末を描いた大河ドラマを見たような読後感だった。ペリー来航から大久保利通の死までの、講義12回分をまとめたもの。登場する人物たちの言葉や行動が、詳細に、眼に浮かぶように語られる。自分が知識として持っていた出来事と出来事が、必然性を持って繋がっていったような気がした。う~ん、それにしても「錦の御旗」の威力はすごいなぁ、とか、大久保利通の非情さや壮絶な最期から、明治があるのかぁとか…。他の幕末のものを読むときに、また読み返したいと思った。
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2021年4月再読。 この本で扱っているのは、1853年のペリーの浦賀来航から、明治維新を経て1878年、明治10年の西南戦争の終わりまでである。 鎖国を続けていた徳川幕府が、開国を要求されたことから歴史が急展開する。江戸城の無血開城、大政奉還を経て明治維新により、天皇・朝廷を...
2021年4月再読。 この本で扱っているのは、1853年のペリーの浦賀来航から、明治維新を経て1878年、明治10年の西南戦争の終わりまでである。 鎖国を続けていた徳川幕府が、開国を要求されたことから歴史が急展開する。江戸城の無血開城、大政奉還を経て明治維新により、天皇・朝廷を抱く明治政府が出来る。もちろん、そういった事がスムーズに進んだ訳ではない、というよりも、本書に示されている通り、それはいくつもの意味での権力闘争の果てに、「そういうことになった」とも解釈できる。 ともあれ、侍が支配していた日本が、近代国家となった。ここから日本は、幾つもの戦争に突入していく訳であるが、それは別の話である。
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先ごろ亡くなった半藤一利氏(1930.5.21-2021.1.12)の慶応丸の内シティキャンパスでの講座(2008.3-7)12回をまとめたものとある。口語体ですっと入ってくる。半藤氏の父の実家が長岡だったせいで子供の頃よく長岡に行った。自然に反薩長になったと最初に書いている。 ...
先ごろ亡くなった半藤一利氏(1930.5.21-2021.1.12)の慶応丸の内シティキャンパスでの講座(2008.3-7)12回をまとめたものとある。口語体ですっと入ってくる。半藤氏の父の実家が長岡だったせいで子供の頃よく長岡に行った。自然に反薩長になったと最初に書いている。 慶喜の静岡移動のところをメモ 徳川家は朝延の処分後、慶喜は当主をやめ、うんと若い田安亀之助が後を継ぐ。すぐに駿府(静岡)に土地をもらい、応4年(1868)7月23日、慶喜も静岡に落ち着く。幕臣のほぼ半分、約1万4専任が明治元年(1868)10月11日から11月9日にかけ静岡に移る。残り半分は商売をしたり、江戸に残ったり、北へ行ったりした。移動の指揮をとったのは勝海舟。一家で移り住む(勝一家が静岡に行ったのはあまり知られていないと嘆く)。勝の住居は宝寿院。居室は残っており居室に今も勝の写真があるという。妻子は静岡で亡くなり妻子の墓は静岡。慶喜の住居跡は今は料理屋で標識がたっている。賊軍であったせいか、あまり大事にされず静岡での観光資源になっていない。 単行本 2008.12.20発行 図書館
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色んな人の書いた幕末の本を読むことで、歴史が立体的になっていくのが面白い。司馬遼太郎など最近読んでたお陰ですんなり入ってきた。昭和史も読んでみたい。
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幕末の思想や動きは何度読んでもぐちゃぐちゃだなと思うのだけど、この方の語り調はわかりやすくて好き。(と言いつつ、また忘れるけど) 維新というか革命、薩長史観に物申す、という姿勢らしい。しかし、みんな若いなあ。
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