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日本をダメにしたB層の研究 の商品レビュー

2.8

52件のお客様レビュー

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2012/10/25
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小泉内閣時代に少しだけ注目を集めたB層の話。 学問的な価値はともかくとして、面白い愚痴を書き連ねた印象。ニーチェがルサンチマンを批判したがその実その批判自体がルサンチマンだったみたいな内在批判があれば面白かったが、そこまでは掘り下げてはいない。近年のこの手の書籍はネットのブログの愚痴とあまり大差ない感じがする。 B層を批判している人その実B層だったってオチに見えてきたのは僕だけだろうか? あと、ルソーの一般意思に関する記述に疑問。一般意思って結構難解な概念だし、ルソーの時代では実体化出来ない机上の空論だった。 今もまだ無理だとおもうけど・・・・ その後の人間が散々誤読して世の中混乱したんだけどなぁ・・・・ まぁそれらを差し引いても、エンターテイメントとしては、面白い突っ込みが多い。 原口批判や橋下批判は結構的を得ていると思う。 逆説的だが、B層がこの本を読むと、自分たちのことを書いていると理解できず、自らB層批判を無自覚に行うような事態がもたらされるんじゃないかなぁ(笑) つまり本書の主張がある程度人口に膾炙すれば、B層の層がより厚くなるという逆説・・・

Posted byブクログ

2012/10/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

 なんだこの本と思って手に取ってパラパラ読んでいたら面白かったので買った。著者曰くB層について以下のように定義をしている。  グローバリズム、改革、維新といったキーワードに惹きつけられる層。あらゆることに「参加」したがり、「コスパ」という言葉を愛し、社会の「幼児化」を進めている人々。近代において発生した「大衆」の最終的な姿。  出たのが今週の18日。さまざまな方面から苦情のメールや電話が殺到するのかな。B層用語辞典を見てフムフムトと思ったり笑ったりした。いくつか取り上げる。 事業仕分けのことを「B層向けのSMショー」と説明している。あの人が、S全開の女王様で言葉の鞭でビシビシしているということか。秘伝について「公にできない理由があるもの。しかし、スーパーマーケットで売っていたりする」とある。秘伝のバーゲンセールと言ったところか。コンビニとコラボで新商品を発売するときによく見かける便利な単語。不退転について「行き詰まったということ」と書いている。あの政権は、行き詰まっているので「自分たちの生活が第一」で解散しないのが見え見え。除夜の鐘をきいても取れることのない政欲のかたまりだな。ずいぶん辛口だが、読んでいてフムフムと思った。  著者は、B層のことを、単なる無知ではなく、世の中の出来事に対して関心があり、民主主義や、平等を信じる「近代的諸価値を猛進するバカ」としている。その一方で、「良心、日常生活のしきたり、中間の知、教養」を軽く見るので、イデオロギーに萌え―となってしまう。  第3章では、「今の政治家はなぜダメなのか?」として政治家について書いている。「六十歳を超えても十代に見える生き方」として、「民主党は女子高生みたいなオッサンだらけです。政治家としての資質以前に、生物としての道を踏み外してしまったような不気味さがある」と酷評している。ずいぶん辛辣な意見だなと思った。しかし、いいところをついているので、へーと思ってしまう。 第4章で民意について取り上げている。「民意は悪魔の声である」として民意に安易に従う政治家に警鐘を鳴らしている。民意、民意、ミーン、ミーンと季節外れのセミの鳴き声に聞こえるのはこだまでしょうかと思ってしまう。世論調査と同様シナリオライターの存在が疑われる。都合よく民意と言っておけば、納得すると思っているようだ。  結構、辛口の意見を書く哲学者だなと思った。辛口と言えば、哲学者の中島義道もそうだな。「うるさい日本の私」など他と違った視点で文章を書いている人だ。  いろいろ情報があふれている現代において、メディアリテラシーは必要だ。となると違う視点から物事を見る習慣を養うことが問われる。カップラーメンと違って、すぐにできるような甘いものではない。粛々とやっていくほかないからなあ。

Posted byブクログ