空の拳 の商品レビュー
初めは何故ボクシング?と思ったものの、そういえば角田さんはずっとボクシングをやっているのでは...と思い出し、詳細な描写の理由に納得。個人的にはスポーツ物という部分よりも一物語として面白く読むと同時に、男性読者の本作に対する感想に興味が湧いた。個人差は当然ながら、「わかる」派が多...
初めは何故ボクシング?と思ったものの、そういえば角田さんはずっとボクシングをやっているのでは...と思い出し、詳細な描写の理由に納得。個人的にはスポーツ物という部分よりも一物語として面白く読むと同時に、男性読者の本作に対する感想に興味が湧いた。個人差は当然ながら、「わかる」派が多いのか、はたまた「全然わからん」なのか。 また本作はボクシングを軸にしながら、主人公である編集者空也の成長記?でもあるわけだけど、空也の人物像が(終盤以外)もうひとつ魅力に欠けていたかなという感あり。
Posted by
ボクシングというものにほとんど興味はなかったが 角田さんなのでとりあえず、読んでみた。 出だしはなかなか入り込めず、読んでても文字が上滑りする感じ だったけど、中盤からじわじわと面白くなって 終盤にはすっかりボクシングに魅せられてしまった。 「なんかわからへんけど、すっごく面白か...
ボクシングというものにほとんど興味はなかったが 角田さんなのでとりあえず、読んでみた。 出だしはなかなか入り込めず、読んでても文字が上滑りする感じ だったけど、中盤からじわじわと面白くなって 終盤にはすっかりボクシングに魅せられてしまった。 「なんかわからへんけど、すっごく面白かった」とか 「めちゃくちゃ怖い、怖いけどだからこそ強くなれるんです」 みたいなところを読むと、今までボクサーについて 考えてもみなかった内面が分かったようで 今後テレビでボクシングを見るのが楽しみになった。
Posted by
読むのに10日近くもかかってしまったぁ。 ボクシングに興味ないし、ルールや技のこともサッパリなので内容に今ひとつ没頭できず……。 何のためにボクシングという道を選ぶのか? 見るのも痛そうで怖い。
Posted by
角田さんには珍しいスポーツもの。ボクシングにはさして興味がないせいか、試合ごとの違いがあまり分からずちょっと退屈しました。経歴についても初めから予想はつくし。
Posted by
ボクシングと文芸の方に行きたかったのにボクシング雑誌に回された新人編集者の話。 角田さんの小説はどれも好きなのですがこの小説は角田さんが書いた感じがしませんでした。 悪くないけどなんか普通。
Posted by
隔月刊のボクシング雑誌に配属された素人の編集者空也がジムに取材に行き、ボクシングも体験する。めきめき頭角をあらわすタイガー立花を中心に据え、その周辺のできごとも綴る。 角田光代自身が取材しながらボクシングを自分のものにしていったのかも。
Posted by
ボクシングに惹かれていく主人公の日常が淡々と語られ、どこかで大きな物語の転換が有るのかと思いきや、最終章の最終ページまで来てしまいました。でも最後の数行でこの本を読んでよかった!って思いますよ。きっと!
Posted by
ものすごく間口の狭いボクシングを、角田光代が書くとこうなる! 友情も恋愛も全て小説の中で済ませてきた、スポーツに縁のない文芸志望の空也の視点で語らせるところが実に巧い。 そして、ボクシングがビッグマネーを掴める夢の切符の時代はすでに終わり、大口スポンサーがつかない限り金銭的な安定...
ものすごく間口の狭いボクシングを、角田光代が書くとこうなる! 友情も恋愛も全て小説の中で済ませてきた、スポーツに縁のない文芸志望の空也の視点で語らせるところが実に巧い。 そして、ボクシングがビッグマネーを掴める夢の切符の時代はすでに終わり、大口スポンサーがつかない限り金銭的な安定はなく、プロでありながらも大半がバイトに明け暮れ、勝っても負けても殴られ、時には命さえ賭ける!この報われないスポーツにどうして人は魅了されるのか… 強いから勝つんじゃない、勝ったから強い、勝たなかったのは、まだ強くないからだ。 シンプルな理論は力強いのだ。
Posted by
さすがにストーリーテラーの角田さん。(*^_^*) おとこ色満載のボクシングの世界を縦軸、文芸部門担当希望の夢破れたボクシング雑誌記者の話を横軸としてきっちりと見事な成長物語に!! そっか、ひところと違ってボクシングってそんなに“成り上がれる”スポーツではなくなってるんで...
さすがにストーリーテラーの角田さん。(*^_^*) おとこ色満載のボクシングの世界を縦軸、文芸部門担当希望の夢破れたボクシング雑誌記者の話を横軸としてきっちりと見事な成長物語に!! そっか、ひところと違ってボクシングってそんなに“成り上がれる”スポーツではなくなってるんですね。 ボクシングには全然詳しくないながら、昭和のファイティング原田、ガッツ石松、それになんといっても明日のジョーを知る世代には、ボクシングといえば、ハングリー、そして、ビッグマネーというイメージがあったのですが。 角田さんの描く当今ボクシング事情は、なんでボクシングを始めたのか、今、なんでボクシングを続けているのか、また、その目標は?などが、うんうん、そうかもね、という種々の例を挙げて、楽しかったり、苦かったりのエピソードをじっくりと読ませてもらいました。 そして、文系女子(*^_^*)としては、そんなボクサーたちよりもっと気になるのは、この物語の狂言回しである出版社勤務の空也くん。小さい時から本を読むのが好きで、リアルな友だちよりも本の世界に没頭、勉強に勉強を重ねて出版社に合格し、いつかは文芸部門でバリバリ働くぞぉ~~という夢を持っていたのに、何の因果かパッとしないボクシング雑誌に配属。左遷感を胸に、それでも文芸部門に行くためのステップとしてのみ頑張ろうと思っていた彼が、まぁ、お仕事小説の王道としていつの間にかボクシング界にのめりこみ・・・という展開で、角田さんらしい丁寧な取材を基に、ウェルメイドな読ませる物語になっていました。(*^_^*) ただ、ネタばれになるからはっきりは書けないんだけど、途中のトラブルへの巻き込まれ方はちょっと安易だったかな。私のような素人でも、それは危ないんじゃないの??ちゃんと裏を取ったら??とハラハラしてましたもの。 ボクシングと出版社、どちらも、うんうんそうなのかもね、という角度からの面白い描かきたで楽しんで読むことができましたから、あんまり欲張って文句言うのも気がひけるんですけど。
Posted by
あの角田光代が書いたボクシング小説。作者自身、輪島ジムの練習生のキャリアが長いだけあり、ボクシングに触れている人ならではの一節が多い。物語の中心は選手と記者。視点は記者で語られている。近年の傑作ボクシング小説は『ボックス!』だと思うが、『ボックス!』ほど躍動感は無い。が、『今日は...
あの角田光代が書いたボクシング小説。作者自身、輪島ジムの練習生のキャリアが長いだけあり、ボクシングに触れている人ならではの一節が多い。物語の中心は選手と記者。視点は記者で語られている。近年の傑作ボクシング小説は『ボックス!』だと思うが、『ボックス!』ほど躍動感は無い。が、『今日は負けたから、まだ強くない』のような印象に残る台詞が多い。
Posted by