空の拳 の商品レビュー
友人でプロのボディボーダーが「楽しいなぁ。から次はこうしようか、もっとこうすれば良かったなぁ。って思い始めた時から“スポーツ”になるのかもね。」と以前言っていたのを思い出しました。 メジャーになるスポーツには「楽しさ」が不可欠だけどならないスポーツには何が足りないのか・・・??...
友人でプロのボディボーダーが「楽しいなぁ。から次はこうしようか、もっとこうすれば良かったなぁ。って思い始めた時から“スポーツ”になるのかもね。」と以前言っていたのを思い出しました。 メジャーになるスポーツには「楽しさ」が不可欠だけどならないスポーツには何が足りないのか・・・??考えさせられました。 私も空也と同じくらいの知識しかないので、ボクシングの魅力ってなんだろう・・・?と考えながら読み進めました。
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文芸志望なのに、なぜかボクシング雑誌担当にされてしまった主人公。 取材に行った小さなジムで「ボクシングが知りたければやってみろ」と言われ自分も入会する 記者として、ボクシング仲間として だんだんとボクシングの魅力にとりつかれてゆく まっしぐらに進む者 挫折するもの。 バッシン...
文芸志望なのに、なぜかボクシング雑誌担当にされてしまった主人公。 取材に行った小さなジムで「ボクシングが知りたければやってみろ」と言われ自分も入会する 記者として、ボクシング仲間として だんだんとボクシングの魅力にとりつかれてゆく まっしぐらに進む者 挫折するもの。 バッシングを跳ね返し、ひたすら戦う男 リングの上にはいったい何があるのだろう・・ 自分もちょっとボクシングかじってるだけに 「あるある!」の連続でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
出版社勤務の主人公がボクシング雑誌に配属されたことをきっかけにジムに通い、タイプの違う選手、立花・中神・坂本の成長を追うというお話。 角田光代は女性特有の薄暗い感情を描くのが上手なのに、今回は主人公が男性。とはいえ出版社とか広告代理店の男性というのは結構女性に近い感性を持っているように思う。だからこの主人公も思考回路は女性。だからそばに寄り添う彼女のように彼らのたくましさや清々しさを細かく観察している。 立花は亀田兄弟を思い出させる悪~いキャラ。ところがそれはジムが立花を売り出すための演出で、家族もなく少年院出などと嘘をついているけれど、普通に両新に愛された好青年。 その嘘が世間にばれてバッシングを受けるけれど、立花は自分のボクシングに集中しているし、しかも試合を楽しんでいる。そうゆう心の強さや今を楽しむ気持ち、読んでいて気持ちがいい。 中神と坂本は北野監督の「キッズリターン」という映画を思い出す。 中神は子供の頃からボクシングをはじめプロデビューを果たす。しかし同じ大学の友達、坂本が軽い気持ちで始めたのにあれよあれよとプロになり、筋もいいし素直で心が強い。中神は負けはじめ、ついにオーバーウェイトで棄権して引退してしまう。 「キッズリターン」を見たのは10代で、ラストのシーンなんかあんまりいい気分じゃなかったけど、それって、金子賢演じるマサル的要素が自分にもあることを認めたくなかったからじゃないかと思う。けっこう有名なラストシーンなのですが、それだけ好き嫌いを超えて、心に鋭く焼き付けられてしまう。 さて、心が強いとか弱いとかよく言うけれど、もー、これはスポーツに限らずそうで、「かったるいから、ここまででいいや」と思えばホントに何でも「そこまで」になっちゃうわけで、耳が痛い。痛い痛い。 でも小説としてはしっかり楽しんで読めた。 角田光代のマイベスト「八日目の蝉」ほどのインパクトはなかったけれど、面白かった。
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大きなどんでんもなく淡々と予想の範囲内でストーリーは展開する。500ページに及ぶ長編であるが、文体も軽くサクサク進む。ボクシングという特異な世界を裏から表から知ることができたし、主人公の社会人としての成長も清々しく爽やか。目を細めながら楽しんだ。
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空也は異動になりボクシング雑誌の部署へ異動する。興味なかったボクシングだが、ジムに通い出し、ボクサーたちとの交流、試合でボクシングの世界に魅力されていく。 主に立花という選手を追いかける形で話は進む。 主人公の空也はなよなよな男だけど、心理描写は私も同調して、共感できた。 立花の...
空也は異動になりボクシング雑誌の部署へ異動する。興味なかったボクシングだが、ジムに通い出し、ボクサーたちとの交流、試合でボクシングの世界に魅力されていく。 主に立花という選手を追いかける形で話は進む。 主人公の空也はなよなよな男だけど、心理描写は私も同調して、共感できた。 立花の試合の描写では、後半になるにつれて、いけ!いけ!と、近くで見ているかのように感じて応援したくなる。 角田さんて女性なのに、ボクシングの小説とは意外で内容も臨場感あってすごいなーと思ったが、ボクシングをしていたことがあるらしく、だからと言ってやっぱりすごいなーと思った。 いやー、面白かった。 文庫本ではタイトルが変更「拳の先」
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知識ゼロのずぶの素人編集者が見たボクシング日誌 ストイックな物語ではないし勝敗に一喜一憂する話でもない 独特の視点から描かれる世界観 これが現在のボクシングジムのリアルな現状なのか タイトルを目指すプロ選手 プロ試験合格のみを目標とする練習生 体力維持のためフィットネスジムとして...
知識ゼロのずぶの素人編集者が見たボクシング日誌 ストイックな物語ではないし勝敗に一喜一憂する話でもない 独特の視点から描かれる世界観 これが現在のボクシングジムのリアルな現状なのか タイトルを目指すプロ選手 プロ試験合格のみを目標とする練習生 体力維持のためフィットネスジムとして利用する女性会員 一緒くた これらすべて含めて現在あるボクシングなのだ 目標は違うにしても一人一人に人生があり それを応援する人、される人、生活、感情が表現された気持ちの良いストーリーになっている http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-235.htmlより
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ボクシングのこと、あまりわからないし、長いので途中ちょっと退屈になったけど、やはり角田さんは裏切らない。どうしてこんな描写ができるのかと思ったけど、角田さん、ボクシングをやっていたのですね。さすがです。
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ボクシングなんて全く興味がない。テレビ中継だってほとんど見たことがない。角田さんの新作、ボクシングの話か・・・、気乗りしないけど角田さんだし一応押さえておこうかなとの思いで読み始めた。 物語はボクシング雑誌に配属になった編集者、空也の目線で描かれる。 不本意な配属先でやる気のな...
ボクシングなんて全く興味がない。テレビ中継だってほとんど見たことがない。角田さんの新作、ボクシングの話か・・・、気乗りしないけど角田さんだし一応押さえておこうかなとの思いで読み始めた。 物語はボクシング雑誌に配属になった編集者、空也の目線で描かれる。 不本意な配属先でやる気のない空也の態度にイライラ。ボクシング用語のわけわかんなさにまたもやイライラ。何だこの小説はと思いながらも我慢し読み続ける。 しかし、しかーし!! 中盤付近?いやもっと前か? 空也の通うジムのスター選手タイガー立花の一戦一戦を読み進めるうちに、自分も空也と一緒にボクシングの魅力に徐々に徐々に取りつかびれているのがわかる。 試合の描写も全くの素人から成長する空也とともにどんどんリアルに熱くなっていく。自分もリングサイドで観戦しているような錯覚に陥る。 「いけー、タイガー!!休んでんじゃねー」って叫びたくなった。 空也とタイガー立花のそれぞれの成長。それを取り巻く魅力的な人々。 鹿野編集長、萬羽トレーナー、中神の母、それぞれのキャラがまたいいんだな。 前半はあれほどうだうだ読んでたのに、後半はほぼ一気読み。 読み終わる頃にはいっぱしのボクシング通になった気分。 いや~、面白かった。興奮した。 そういえば、角田さんボクシングやってるんだよな。だからか。 満を持してってことだったのかな。 角田光代の引き出しの多さに脱帽。文句なし☆5つです。
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500ページ近いその厚さにたじろいでいたのだが、意を決して読み始めればすいすいととスムーズに先へ進んでいける。扱っているテーマが男くさいからといって「食わず嫌い」ではいけないと少々反省。 色気まったく抜きで、ボクシングそのものが持つ独特の世界を広く紹介してくれる小説だ。同じジムの練習生たちがプロへと巣立って行き、リングで戦う姿の裏にある外部からでは分からな事情を紹介すると共に、ひとりのへっぽこ編集者が一人前となる過程も描いていく。
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ボクシングを知りたくて読んでみました。希望していたわけでもないボクシング雑誌の編集部に配属された編集者・空也の視点から描かれる物語。私は、もう一人の主人公・タイガー立花のボクサーとして生きていくための葛藤や成長のドラマに心を惹かれ動かされました。ラスト近く、雪辱試合の場面では、ま...
ボクシングを知りたくて読んでみました。希望していたわけでもないボクシング雑誌の編集部に配属された編集者・空也の視点から描かれる物語。私は、もう一人の主人公・タイガー立花のボクサーとして生きていくための葛藤や成長のドラマに心を惹かれ動かされました。ラスト近く、雪辱試合の場面では、まるでテレビか何かで観戦しているような気持ちで読み、涙が出ました。タイガー立花のこの後の活躍をもっと見てみたいと思ってしまう。架空の人物なのに。
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