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満月ケチャップライス の商品レビュー

3.4

57件のお客様レビュー

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2012/11/14

どストレートでハートウォーミングな家族物語。何度も涙ぐみました。朱川系不思議ワールドとはまた違った味わいで楽しめます。さみしい人、つらい人はこれを読んで元気をもらいましょう。

Posted byブクログ

2012/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

朝起きると、時おり見知らぬ男が家の中にいるのも当たり前だった10年以上前の実家の思い出。主人公・進也が問わず語りのように語る一人の男にまつわる奇妙な話は、あのバブルがはじけた後の混沌とした時代の記憶をよみがえらせる。 意外と生活力のある母親は、生計を立てるためにスナックを始め、そこで次から次へと恋人を変えていた。そんなある日、奇抜なモヒカン刈りのニワトリ男が台所に現れる。亜由美によって「チキ」と呼ばれるようになったその男は、髪型に似合わず気弱で、でも不思議な力を持っていた。 得意なものは、男っぽい創作料理。なかでも、兄妹二人のために作ってくれた「満月ケチャップライス」は、その後の思い出とともに忘れられぬ味となった、、、 覚えていようと思っても、記憶は時とともに風化するが、子供の頃の味覚の記憶だけは特別だ。殆どの人にとっては、それは母親の手料理の味だろうけれど、家庭的に恵まれなかった人にとっては、時には父の味だったり、ばあちゃんの味だったりするが、中にはこの物語のように得体のしれなかった「おじさんの味」という人がいるかもしれない。 味覚の記憶が、つかの間の幸せの記憶を呼び覚ますこともあるのだ。

Posted byブクログ

2012/11/06

母と妹と暮らす僕の家に、ある日見知らぬ男が住み着いた。 ハートウォーミングな前半からキナ臭い後半そしてあっけないラスト。 とっちらかった感あり。 でもリアルっちゃリアル。 【図書館・初読・11/6読了】

Posted byブクログ

2012/10/23

母子家庭の一家にある日転がり込んだ謎の男「チキさん」。彼と家族との心温まる物語。だけど、単なる「いい話」でもなくって。案外と苦い部分もあります。 徐々に明らかになるチキさんの過去。これは実際にあった事柄ですよね。このようにして人生を誤ってしまった人はたしかにいそうで。そしてさらに...

母子家庭の一家にある日転がり込んだ謎の男「チキさん」。彼と家族との心温まる物語。だけど、単なる「いい話」でもなくって。案外と苦い部分もあります。 徐々に明らかになるチキさんの過去。これは実際にあった事柄ですよね。このようにして人生を誤ってしまった人はたしかにいそうで。そしてさらに、世間を騒がせてまだ記憶にも新しいあの事件も関わってきます。ただ、そこに巻き込まれてしまうのは決して特別な人ばかりではなく。「普通の人」もほんの少しの隙に付け入られるのかもしれないなあ、ってのが怖いところ。 結末がややあっけないのは拍子抜けの感もあるけれど。これはそれでよかったのかな。彼もまたあまりに特別な人というわけではなかったのかもしれません。

Posted byブクログ

2012/10/20

+++ ―あれ以上においしくて元気の出る食べ物は、きっと、この世に存在しない。 ある朝、中学一年生の進也は、妹の亜由美に起こされた。台所を見に行くと、知らない男の人が体育坐りで眠っている。夜の仕事をしている母が連れて帰ってきた人らしい。進也はあまり気にせず、いつものように目玉焼き...

+++ ―あれ以上においしくて元気の出る食べ物は、きっと、この世に存在しない。 ある朝、中学一年生の進也は、妹の亜由美に起こされた。台所を見に行くと、知らない男の人が体育坐りで眠っている。夜の仕事をしている母が連れて帰ってきた人らしい。進也はあまり気にせず、いつものように目玉焼きを作りはじめると…「あ、そろそろ水を入れた方が、いいんじゃないですか?」 3人家族と謎の男チキさんの、忘れられない物語が始まる。 +++ ある年齢以上の人ならだれでも一度は真似したことがあると思われる超能力のこととか、世の中を戦慄させるテロ事件を起こした宗教団体のことなどを織り込みながら、これほど切なく身近で、哀しくてしあわせにあふれている物語がほかにあるだろうか。人と人との出会いと心の結びつきの運命的な不思議さと、別れの理不尽さに涙を誘われる。チキさん・・・と思わずつぶやいてしまいそうになる一冊である。そして、チキさんの作ってくれるごはんが、簡単なのにどれもとてもとてもおいしそうで、素敵。

Posted byブクログ

2012/10/19

腹減り系小説かと思ったらNIRVANA聴きたくなる系小説だった。朱川さんにしては全体的にとっちらかった印象?とは思ってしまったけど、チキさんと進也たちとのやりとりに漂う泣きたくなる空気はさすが。展開としては某団体絡まずに弟さん絡ませた方がわたし好みではあるけれど、そうしたらありき...

腹減り系小説かと思ったらNIRVANA聴きたくなる系小説だった。朱川さんにしては全体的にとっちらかった印象?とは思ってしまったけど、チキさんと進也たちとのやりとりに漂う泣きたくなる空気はさすが。展開としては某団体絡まずに弟さん絡ませた方がわたし好みではあるけれど、そうしたらありきたりになるんだろうな。難しい。

Posted byブクログ

2012/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語そのものは手慣れた感じでとても読みやすく、「どうなっていくんだろう」という興味が続くので楽しんで読むことができる。 しかし、題材が、家族なのか超能力なのか料理なのかが、今ひとつまとまってない気がした。どれを書きたいんだろう、という感じ。 最近の流行なのか、この作品でも小説の中で詳細な料理のレシピが記述される。私はこの流行があまり好きではないので、その部分は飛ばして読んでしまった。どうやらストーリーそのものには関係がないようだったので。 でもそれならなぜこんなに詳しく書くのかなあと考えて、そうか今の流行りだからか、と思った次第。 家族になれるだろうか、という帯の問いかけも中途半端に浮いてしまうし、超能力というモチーフも、あの宗教団体との絡みで曖昧になってしまっている気がする。 しかもこれ、主人公が10年前を回想して語っているという構成なので、そのあたりもなんだかモヤモヤしてしまう。 今は私にとっては読む時期ではなかった作品なのかもしれないので、またいつか読み返してみようと思う。

Posted byブクログ