オリーヴ・キタリッジの生活 の商品レビュー
小説読んだなあという気がする一冊。キタリッジ先生が学校にいたらやりづらい生徒も多いだろうけれど、私はたぶんうれしい。
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いやな婆さんが主人公である。普通には付き合えない。普通には読むに耐えられずに放り出したい話なのに、最後まで読み通させる語りの上手さが光っている。夫婦関係・親子関係に恵まれない家庭にいる人におすすめだろうね。
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アメリカの小さな町でごくありふれた生活をいとなむ夫婦、そのミニアチュール的な人生の時系列の中でのエピソードを淡々とつなぎながら小市民的生活の生き方を描いていく作品。ピューリッツア賞受賞。「ワインズバーグ、オハイオ」みたいな作品といったらいいかな。あまり趣味じゃない。
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2013.5.22読了 アメリカの田舎町に住むオリーヴ・キタリッジと彼女を取り巻く人々の連作短編小説。 彼女は決していい人ではないけれど、普通の人間の人生って案外こんな風だと思う。 静かでいい本でした。
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アメリカの田舎町の人々を描いた連作短編集。 さまざまな人生のドラマがしっかり描かれていて、心の動きがよく読み取れた作品でした。
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人生はそんなにおめでたくもないし、幸せばかりでもない。 どこまでも小説なんだけれど、実際にどこかで誰かがこんな生活を送っていそうな気がする。オリーヴ・キタリッジは決して素敵な女性とは言えない、色々と欠点のある人。だからこそ、どこかにいそう。語り手だったり、脇役だったり、名前だけ...
人生はそんなにおめでたくもないし、幸せばかりでもない。 どこまでも小説なんだけれど、実際にどこかで誰かがこんな生活を送っていそうな気がする。オリーヴ・キタリッジは決して素敵な女性とは言えない、色々と欠点のある人。だからこそ、どこかにいそう。語り手だったり、脇役だったり、名前だけだったりするけれど、どの話にもオリーヴ・キタリッジが出てくる。それも、どこかにいそうな気がする要素となっている。 決して後味の良いものではないのに、読んでよかったと思える。
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不満たらたたでアンチクライマックスなオリーヴの人生。 75歳にして出会った人は思い人になるのだろうか。
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小さな港町の穏やかで幸福な日常。 その慎ましやかな生活が、少しずつずれ始め、不安が広がっていく。 その中心にいつもいる女、オリーヴ・キタリッジをめぐる長い物語。 短編が心地良く重なり積み上げる物語性は圧巻。
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この本は一見短編集のように見えるけれど、すべての小説にオリーブ・キタリッジという女性が登場します。あるときは主人公だったり、あるときはちょっと顔を出すくらいだったり。それぞれの話は年代が違っていて、初めは中年だったオリーブも最後にはおばあさんになります。 決して性格も見栄えも良...
この本は一見短編集のように見えるけれど、すべての小説にオリーブ・キタリッジという女性が登場します。あるときは主人公だったり、あるときはちょっと顔を出すくらいだったり。それぞれの話は年代が違っていて、初めは中年だったオリーブも最後にはおばあさんになります。 決して性格も見栄えも良くないオリーブだけれど、読み進むにつれて彼女のことがだんだん好きになってきました。なぜなら、彼女の行動も、彼女の子供の行動も、その奥さんの行動も、その気持ちがわかるものだから。 二回読みましたが、二回目の方が良かった。きっとまた読み直すはず。
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例えば、自分にとっても他人から見ても取るに足りない事件。 自分からすれば大事件だけど他人からすればそうでもない出来事。 もうニュースになっちゃうような大事件。 また例えば、自分はこんな性格だ、と把握できている性格。 自分は気づいていないけれど他人にはこう思われている、という性格...
例えば、自分にとっても他人から見ても取るに足りない事件。 自分からすれば大事件だけど他人からすればそうでもない出来事。 もうニュースになっちゃうような大事件。 また例えば、自分はこんな性格だ、と把握できている性格。 自分は気づいていないけれど他人にはこう思われている、という性格。 自分はこうありたい、もしくはこうとだけはなりたくないと思われる性格。 こんな事件や物語が組み合わさって短編となり、一冊の本となってまとまっています。 他人から見たオリーブ、通りすがりの一人でしかないオリーブ、そして主人公のオリーブ。 帯にサンフランシスコクロニクル紙の書評で「読書の純粋な喜びを味わえる」とあったが、まさにその通りだと感じた。 一番印象に残ったのは、セキュリティ。オリーブ自身が気づいていないかもしれない、気づいていてもどうしようもなかったかもしれない事が息子に指摘されて…という話。なんとも言えない複雑な気持ちになった。 苦いのに、苦いだけでない味、のような作品。またいつか読み返したい。
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